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「月並み」の意味と使い方は?語源や間違いやすい点も解説【あらためて知りたい頻出ビジネス用語#79】

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“月並み”という言葉の語源は、とてもユニークです。現在の意味を持つまでの経緯を知ることで、“月並み”の意味をより深く理解することにつながります。

“月並み”という言葉について解説していただいたのは、『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)など、多数の著書を持つ国語講師の吉田裕子さんです。

「月並み」の意味と語源とは?

月並み”の読み方は“つきなみ”。

“月並み”は「毎月定期的に行うこと」「ありふれていて平凡なこと、陳腐なこと」の意。

現代の日本語においては、“月並み”は多くの場合「ありふれていて平凡」という意味で使われています。

“月次み”“月次”という表記方法もありますが、上記の意味を表す際には“月並み”と表記するのが一般的です。

「月並み」の語源は?

“月並み”に全く異なる2つの意味があるのには、理由があります。

かつて、毎月定期的に行う俳句などの月例会は“月並会”と呼ばれていました。ところが、俳人の正岡子規(1867年~1902年)が、俳句の新たなムーブメントを起こし、伝統的な俳句を“月並み俳句”などと批判したのです。

以後、“月並み”の意味が、主に「ありふれていて平凡なこと」になりました。

「毎月定期的に行うこと」の意味を表す際には“月次(げつじ)”という熟語が使われています。

ビジネスシーンでは「月並み」はどんなときに使う?

“月並み”は、自分の発言や考え方の内容について、平凡で目新しさがないと謙遜する際に使われています。

また、第三者に関することを批判するときや、現状を客観的に分析するときにも使うことがあります。

否定的な意味を持つ言葉なので、明確な師弟関係や上下関係、もしくは、よほど親密な間柄でない限り、面と向かって「あなたの意見は月並みだ」という使い方をすることはありません。

「月並み」の使い方の注意点は?

“月並み”を使う際には、以下の点に注意しましょう。

(1)「つきなみ」の表記方法に注意

パソコンやスマートフォンで“つきなみ”と入力すると、“月並み”“月次”と変換されます。「ありふれていること」「新鮮味のないこと」の意味で使う場合には、“月並み”と表記するのが一般的です。先述したように“月次”と表記すると“毎月の”という意味になります。変換時には注意が必要です。

(2)相手に面と向かって使う際には要注意

たとえ後輩や部下の指導のためであっても、使い方によっては相手のプライドを傷つける可能性がある言葉なので、注意が必要な言葉です。

【要注意例文】

・なんでそんなに月並みな発言しかできないの?

→相手の発言を全否定するような印象を与えることもある。面と向かって使う際には要注意。

「月並み」の例文は?

“月並み”の例文を通じて使い方をイメージしていきましょう。

月並みな感想ばかりで大変失礼しました。

月並みではありますが、企画を提出いたしました。

月並みの努力では目標を達成できないだろう。

・A社の提案は、どれも月並みという印象を受けました。

「月並み」を言い換えると?類語は?

続いて“月並み”の言い換え表現をご紹介します。

(1)「凡庸(ぼんよう)」

特別すぐれた点や、目立つ点がないこと。

【例文】

凡庸な発想に我ながらうんざりした。

(2)「無難(ぶなん)」

特別にすぐれているわけではないが、悪くはないこと。

【例文】

・今は、無難な方法を選んだほうが良いと思います。

(3)「目新しさに欠ける」

新しさに欠けていること、ありふれていてつまらないことを表す際に使います。企画やアイディアを批評するために使われます。

【例文】

・この企画は無難ではありますが、目新しさに欠けるように感じました。

(4)「陳腐(ちんぷ)」

古くさいこと、ありふれていること。表現やアイディア、企画などを形容する際に使います。

【例文】

陳腐な表現ですが、心から感動しました。

(5)「人並み(ひとなみ)」

多くの人たちと同じ程度であることを表します。上記の言葉とは異なり、しばしばポジティブな意味でも使われることがあります。

【例文】

・人気アイドルが雑誌のインタビューで「人並みに恋愛をしたい」と語っていた。

「月並み」の対義語は?

“月並み”の対の意味を含む言葉をご紹介します。

(1)「非凡(ひぼん)」

凡庸でないこと。特にすぐれていること。

【例文】

・彼の非凡な発想には驚かされるばかりだ。

(2)「卓抜(たくばつ)」

他より抜きんでてすぐれていること。

【例文】

卓抜なアイディアに感銘を受けました。

 

今回は、国語講師の吉田裕子さんに“月並み”の意味や使い方について解説していただきました。

類似の言葉が多くあるので、場面に応じて使い分けていきたいですね。


 

【取材協力・監修】

吉田裕子

国語講師。塾やカルチャースクールなどで教える。NHK Eテレ「ニューベンゼミ」に国語の専門家として出演するなど、日本語・言葉遣いに関わる仕事多数。著著『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)は10万部を突破。他に『正しい日本語の使い方』『大人の文章術』(枻出版社)、『英語にできない日本の美しい言葉』(青春出版社)など。東京大学教養学部卒。

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