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微妙な沈黙、参加者が別の作業…「オンライン会議」のモヤモヤ、これで解消!【コミュニケーション編】

コロナウイルス感染拡大の影響が続いています。それに伴い、「Zoom」や「Microsoft Teams」「Google Meet」などのツールを使って、取引先や同僚との“オンライン会議”を頻繁に行っている職場も多いのではないでしょうか。

今回は、kufuraで【「なんだか品がいい」と言われる女性のビジネスマナー】を連載中の、ビジネスマナーを専門とするライフスタイリストの北條久美子さんに、2回にわたってオンライン会議の基本知識や円滑なコミュニケーション方法についてうかがいました!

便利だけど、沈黙に言葉のかぶり…オンライン会議の難しさ

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取材もオンラインで行いました!

1回目は、「コミュニケーション編」です。オンライン会議を活用している方からは「やっぱりオンラインだとやりにくい」「対面の打ち合わせのようにうまくいかない」「沈黙が流れてしまった」「話すタイミングが他の人とかぶってしまう」といった声が頻繁に聞こえてきます。

これまで多少のやりにくさには目をつぶってきた方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながら先行き不透明な状況はまだ長引くことが予想されています。出張や対面での打ち合わせの代替手段としてオンライン会議を活用する時期は続きそうです。

そうあれば、できるだけ参加者が気持ちよくコミュニケーションを取ることができる方法を探っていくことが、仕事の質やモチベーションの維持にもつながるのではないでしょうか。

北條さんは現在、オンラインの社員研修を担当しているほか、会議にも多数参加されています。今回は、ライターの北川、kufura編集部の加藤の2名で北條さんに“オンライン取材”でお話を伺いました。

オンライン会議前に準備しておくことは?

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―まず、スムーズにオンライン会議を始めるためにどんな準備をしたらいいでしょうか?

北條久美子(以下、北條):オンライン会議の前にはカメラ映り、マイク、身だしなみをチェックしておきます。

会議が始まってからバタつかないように、共有する資料などはすぐに用意できるようにしておきましょう。

会議の主催者(ホスト)であれば、定時よりも少し早めにオンライン会議を立ち上げておき、参加者の訪問を待ちます。

参加者は入室後、定時になったらカメラとマイクをオンに切り替えて会議がスタートです。

オンライン会議開始時のトラブル対処法は?

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―オンライン会議は、ネットワークや音響のトラブルが起きて、スムーズに始まらないことがあります。そういう場合はどう対応したらいいんでしょうか。

北條:オンライン会議の立ち上がりで音響や画像のトラブルはつきものですよね。ですから「もしかしたら、時間通りには始まらないかもしれない」という心構えも必要です。

もし、参加者の1人に画像や音声のトラブルが起きてしまったら、“コミュニケーションを続ける”“会議を続ける”方法を探ってみましょう。

【1対1の場合の対応例】

・電話に切り替える

・チャット機能を使用してコミュニケーションをとる

【3人以上の場合の対応例】

・音声が通じるのなら、トラブルに見舞われた人だけ画像なしで参加してもらう。

・音声も画像も共有不可なら、電話で音声を共有する。

このように、参加者の人数や会議の目的、相手の通信状況に応じて臨機応変な対応が必要となります。

―会議の立ち上がり時の画像設定で戸惑うことが多いようです。「全員の顔が見たいのに、全員映らない」ということがあったり、相手の話に相槌を打ったら相手の画面で自分の顔が大きく映ってしまったり。

北條:オンライン会議のツールでは、大きく分けて参加者の顔が並んでいる画面、発言中の参加者が大きく表示される画面の2パターンがあります。

今回は、『Zoom』を使用していますが、全員の顔を見たい場合は“ギャラリービュー”を、話している人を見たい場合は“スピーカービュー”を用います。画面表示方法は、参加者側が自ら変更することができます。

例えば主催者のほうから、発言者の話に集中して聞いて欲しい場合には「スピーカービューに設定してください」、参加者全体の反応がわかるようにしたい場合は「ギャラリービューにして下さい」と、参加者側に呼び掛けるケースもあります。

―参加者がスピーカービューに設定しているときには、発言者以外はあまり声を出さない方がいいのでしょうか

北條:スピーカービューの場合には、話している人の画面が大きくなります。相手の発言を聞いているときには「うんうん」「そうなんですね!」などと相槌を打たずに無言でうなずくとよいでしょう。

自然に「相手の目を見て話す」ための小ワザは?

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―実際に会議が始まったとき、自分はスクリーンに映った相手の目を見ているけれど、実際に目は合っていない……という状態になかなか慣れず、コミュニケーションをとりづらいと感じます。

北條:それは、オンライン会議特有の悩みですよね。

例えば私がカメラを見ると、参加者の皆さんと目が合っている状態になると思います。でも、私は皆さんと目が合っていません。この状態は確かに疲れますよね。

私の場合は、発言者になる場面も多いので、「参加者の画像をカメラの近くに移動する」という方法をとっています。こうすると、時々カメラに目線を送りながら、カメラの近くに並んでいる参加者の顔も見ることができます。

オンライン会議では意外と大切!「聞き手」のリアクション

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―北條さんは、社員向けの研修も多く担当されているそうですが、聞き手のリアクションは大切ですか? “聞くだけ”の立場だとついボーっと聞いてしまいそうで。

北條:聞き手のリアクション、とても大事だと思います! 実際に会って話すのと違って、オンライン会議ですとなかなか相手のリアクションがわからず、やりにくいと感じることもありました。

―相手の発言を遮らずに、相手に“聞いていること”を伝えたい場合はどうしたらいいでしょうか。

北條:相手が話しているときには、うなずいたり、内容に応じて表情を変えたりすると、相手に聞いている姿勢が伝わりやすくなると思います

あとは聞いているときの表情。口角を上げて、時々カメラに目線を送りながらうなずくと、話し手は「ちゃんと聞いてくれているんだ」と安心して話せると思います。

「発言者」になったら参加者を飽きさせない工夫を

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―逆に“発言者“や”会議主催者”など、発言機会が多い立場になったらどんなことに気を付けたらいいでしょうか。

北條:話し手が聴衆に向かって話し続けるスタイルの会議では、相手に“自分ごと”と思ってもらえるように語り掛けるような口調を心がけるといいと思います。

大勢が集まった対面の会議の時、時々手元のパソコンやスマートフォンで別の仕事をしている人がいますよね。オンライン会議の場合にはさらに自由。極論を言えば、画面に映っていないところでは別のことをすることができてしまうんです。でも、実は発言者からすると、他のことをやっているのって意外とよく分かるんです。

きちんと話を聞いてもらえない理由の一つが、相手に「この話は今の自分に関係ない」という考えが根底にあるからだと思います。

時々参加者に質問をしたみたり、語りかけてみたりと、一方的にならない話し方を意識します。

話し合い型会議での「円滑コミュニケーション」のコツ

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発言者が軽く手を挙げてから話を始めると、周囲にもわかりやすい。

―話し合いを要する会議で、3人以上のメンバーがいると、発言のタイミングが重なってコミュニケ―ションが中断してしまうことがあります。

北條:話し合い型の会議においては、しばしば“声が重なる”ということが起こりますよね。

グループの中でこれを避けるためには、自分の発言が終わったら「以上です」という一言で締めると、続く相手が発言しやすくなります。

また、大人数の会議で自分が発言する場合には、軽く挙手をするなどして発言の意志をジェスチャーで示したうえで「発言してもいいですか?」と一言前置きすると、発言が重なってしまう頻度を減らすことができます。

相手が“スピーカービュー”の場合、相手の発言に自分の声をかぶせると、相手に当たっていた“スポットライト”を奪ってしまうこともあります。話し手の発言が一区切りつくのを待ってから“一拍置く”というタイミングを参加者同士で共有することが大切です。

―10人くらいの会議では、該当の担当者同士で話し合って考えをまとめたいこともあるんですけど、オンライン会議だとそれができないんですよね……。

北條:それ、できるんです。zoomの機能なんですが、「ブレイクアウトルーム」と呼ばれるグループ作成機能が便利です。

参加者を数人ごとのグループに分けて、設定した時間内で話し合いができる機能です。主催者だけはそれぞれのグループを自由に行き来して、話し合いに参加することができます。

―(実際にブレイクアウトルームを使ってみて)あ、これすっごい楽しいかも!

北條:私は“ウェビナー”と呼ばれるウェブのセミナーを担当するとき、参加者のグループセッションをするために使っていますが、とても便利な機能ですよ。

初対面の相手とのオンライン会議でギクシャク…どうする?

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―まだ会ったことのない相手とのオンライン会議は、実際に会って話すよりもやりにくいと感じる方もいるようです。

北條:会議が始まる前に少し“雑談”という形で打ち解けてみてはいかがでしょうか。以前、「雑談力に自信がない、沈黙が怖い…会話が弾む「雑談力」アップの秘訣とは?

でも解説しましたが、雑談のテーマ選びの基本は、相手との共通の話題を選ぶこと。

はからずも今は誰もが“コロナウイルス”という共通の不安を抱えていますから、相手と打ち解けるために、身近な生活への影響などを話し合ってもいいかもしれませんね。

参加者のカメラ機能が次々とオフに…どうする?

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―オンライン会議の中には、参加者がカメラ機能をオフにしているケースも見られます。これってアリなんでしょうか。

北條:グループ内で事前に「カメラ機能はオフでOK」というルールを設けている場合や、複数の人たちを音声で結ぶ“音声会議”ととらえているのであれば問題はありません。

また、不安定な通信状況を鑑みて“音声のみの参加”という場合もあるでしょう。

とはいえ、中にはそうでない場合もあります。

オンライン会議経験者のお話を聞いていると、どうやら「ほかの参加者がカメラをオフにしているから」という理由でカメラ機能をオフにしているケースも多いようなのです。

―確かに。ほかの人がオフにしていたら「私もオフにしよう」って思ってしまうかもしれません。

北條:さきほどお話したように、相手の反応が見えないまま話すのは、とてもやりにくいものです。

とはいえ、会議主催者がお互いの顔を見て会話できる双方向のあるオンライン会議を選択しているのですから、一方的に視覚を遮断してしまうのは好ましいことではありません。

カメラ機能をオフにしている参加者は「見られていない」という安心感があるかもしれませんが、話し手にとっては「反応が見えない」という不安につながることもあります。

カメラ機能のオン・オフについてはその都度、適切な判断をしたほうがいいですね。参加者にカメラをオンにして欲しい場合、主催者はその旨を事前に伝えておきましょう。

今回は、オンライン会議における円滑なコミュニケーションのコツについて北條久美子さんにお話をうかがいました。

「オンライン会議だから、多少の不便は仕方ない」とあきらめていた部分があるかもしれませんが、ちょっとした工夫で、円滑なコミュニケーションを楽しむこともできそうですね!

【取材協力】

北條 久美子

東京外国語大学を卒業し、ウェディング司会・研修講師を経て、2007年 エイベックスグループホールディングス株式会社人事部にて教育担当に。2010年にキャリアカウンセラー・研修講師として独立。全国の企業や大学などで年間 約2,500人へビジネスマナーやコミュニケーション、キャリアの研修・セミナ―を行い、顧問として企業の人材育成や教育体系の構築にも携わる。現在はライフスタイリストとしてワーク(仕事)寄りだった人生を、生きること=ライフにシフト。睡眠マネジメントやマインドフルネスなどをワークに取り入れ、自分らしく、かつ生き方(ライフスタイル)を美しくすることを自らも目指し、それを広める場作りに力を入れる。著書に『ビジネスマナーの解剖図鑑』(エクスナレッジ)、『働き方のセブンマナー』(講談社)ほか。

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