上司と自分どちらが先?エレベーター乗り降りの順番や操作盤の使い方
nullまず、心に留めておきたいのが、エレベーターを使用するうえで最も大切なのが「乗降する人を目的階まで安全に送り届けること」です。
自社のエレベーターか、複数の企業でシェアしているエレベーターかなど、様々なシチュエーションが想定されますので、基本のマナー通りに進むケースの方がむしろ少ないかもしれません。そのため、都度、臨機応変な対応が必要となります。
以上を踏まえたうえで、基本的なマナーを確認しておきましょう。
上司やクライアントと一緒にエレベーターに乗るときには、自分が最初にエレベーターに乗り、操作盤の前に立って全員が乗るまで“開”ボタンを押しておきます。
目的階に着いて降りるときには、“開”ボタンを押して全員が降りるまで待ちます。
“先に乗って、最後に降りる”のが基本です。
エレベーターにも「上座」がある?立ち位置のマナー
nullエレベータでは、一番奥の両端が“上座”とされています。
新人や後輩は、操作盤の前に立つのが基本です。とはいえ、いろんな会社の人が乗り合わせていたり、1階で乗り合わせた人が別々のフロアで降りる場面も想定されます。
限られたスペースの中で「部長は奥にどうぞ」などとわざわざ案内するケースはほとんどありません。
イラストにもある番号を基本に、そのシチュエーションに応じた対応をすればよいでしょう。
後輩と乗るとき、混雑しているとき…エレベーターのケース別マナー
null(1) 操作盤の前に既に人がいる場合は「上司が先に乗る」でOK?
例えば1階で乗るときに既に操作盤の前に誰かがいる場合は、目上の相手に「お先にどうぞ」と声をかけ、先に乗ってもらいます。
(2)後輩と一緒に乗るときは?
『kufura(クフラ)』読者のかたは、後輩や部下と乗る機会も多いと思います。もし“開”ボタンを押してくれる人がいたら、先に降りるときに「ありがとうございます」「ありがとう」と一声かけてから降りましょう。
(3)エレベーターの扉を手で押さえるのはNG?
エレベーターに乗るとき、扉を押さえて「お先にどうぞ」と目上の相手を案内している場面に遭遇しますが、前述した通り、目上の相手と乗り合わせる場合は“先に乗って、後で降りる”が基本です。とはいえ、100%間違いとも言いきれません。
例えば、目上の相手と一緒に上階から1階に降りようとして、乗ろうとしたエレベーターが既に混雑しているとき。
ほとんどのケースでは操作盤の前に立って“開”ボタンを押してくれる人がいると思いますでも、仮にボタンの操作をする人が誰もいなかった場合、目上の相手が乗り終わるまで開閉つきセンサーがついた扉に手を添えて案内する……というシチュエーションもあるかもしれません。
エレベーターの型によっては扉に手を触れるのが危険なものがありますので、この場合も状況を見ながら相手に配慮して、臨機応変な対応を取っていくことが大切です。
エレベーターの中でのビジネス会話には要注意!
nullエレベーターの中では、私語は慎みます。同乗している人はビジネス上どこかで縁がある相手かもしれません。狭い空間では、会話の内容は意図せずとも同乗者の耳に入ってしまいます。ですから、取引先の相手に関することや仕事の話をすることは避けましょう。
エレベーター前のお辞儀はいつまで?見送りの際のマナー
null来社したお客様をエレベーターまで見送ることになったら、ボタンを押してエレベーターを呼びます。お客様が乗ってこちらを向いたら「ありがとうございました」と言って、お辞儀をして見送ります。
扉が閉まるまでお辞儀をするのが一般的です。
とはいえ、扉がなかなか閉まらなくてお辞儀が間延びしたり、到着したエレベーターが混雑していてお辞儀をする余地がなかったりといったシーンも想定されます。ですので、お見送りの際には、厳密に“こうすべき”というマナーにとらわれるより、その都度“ベターな判断”をしていきたいものです。
今回は、エレベーターのマナーについて北條久美子さんにお話をうかがいました。
まず、“安全”が大前提だと心得たうえで、同乗する相手への配慮を欠かさず、臨機応変な対応を心がけたいものです。
イラスト/楽谷玲子
【取材協力】
北條 久美子
東京外国語大学を卒業し、ウェディング司会・研修講師を経て、2007年 エイベックスグループホールディングス株式会社人事部にて教育担当に。2010年にキャリアカウンセラー・研修講師として独立。全国の企業や大学などで年間 約2,500人へビジネスマナーやコミュニケーション、キャリアの研修・セミナ―を行い、顧問として企業の人財育成や教育体型の構築にも携わる。現在はライフスタイリストとしてワーク(仕事)寄りだった人生を、生きること=ライフにシフト。睡眠マネジメントやマインドフルネスなどをワークに取り入れ、自分らしく、かつ生き方(ライフスタイル)を美しくすることを自らも目指し、それを広める場作りに力を入れる。著書に『ビジネスマナーの解剖図鑑』(エクスナレッジ)、『働き方のセブンマナー』(講談社)ほか。