メイドインジャパンの鋳物ホーロー鍋ブランド、バーミキュラ
こんにちは。もりもと夫婦FUKAです。
管理栄養士、料理家として「幸せおうちごはん」をテーマにInstagramを中心に活動しています。
炊飯機能に着目した前回の「やっぱりすごい!話題の高級炊飯器「バーミキュラ ライスポット」お試しレポ【1】炊飯編」に続けて、今回は調理機能に着目した「料理編」をレポートいたします。
仕事柄、普段からたくさん料理をするので、実際の使い勝手や味など、今回も“忖度なし”のリアルなレポートをしたいと思います! バーミキュラの基本的な構造などについては上記の記事をぜひ参考にしてみてくださいね。
料理機能のここがすごい!
●高い密閉性で実現する無水調理
「炊飯編」で、このライスポットはポットと呼ばれる鋳物ホーロー鍋と、IH調理器であるポットヒーターの2つに分かれているとご説明しましたが、この鋳物ホーロー鍋がスゴイんです。
もともとバーミキュラは、名古屋市の老舗の鋳造メーカーが、その高い技術を基に開発した鍋ブランド。鍋はひとつひとつ職人さんの手作業で製造され、0.01mm以下の精度までこだわって削り出されているそう。
その熱伝導性や密閉性の高さ、鍋の中で発生した水蒸気を循環させるシステムなど、いくつものテクノロジーの積み重ねで最高の美味しさを引き出す鍋といわれます。
●ハイパワーIHで直火を再現
かまどの炎を再現したというこのハイパワーIHヒーター。う〜ん、結局火には勝てないのでは?と思っていました。最近ではIHのキッチンもずいぶん増えましたが、将来家を建てるなら絶対にガス!と決めているほどIHには疑心暗鬼な我が家(笑)。
でもこの形を見て納得。ポット全体をヒーターが包み込んでいますよね。普通のIHヒーターは下面からのみ加熱されますが、この形状のおかげで外気の影響を受けず、直火よりも均一に加熱が可能になるそう。「直火と同じ」ではなく、「直火以上」とは! 期待が高まります。
●火加減はおまかせ!ヒートセンサー
料理の中でも大切なのが火加減。普段は自分で火加減を調整しますが、それには経験とカンとコツが必要です。まして鋳物ホーロー鍋は使い慣れていない方も多く、ハードルが高く思われがち。
ですが、ヒーターについたセンサーが鍋底の温度を見守り、繊細な火加減調整を行ってくれるそうなので失敗知らず。初心者にも心強い味方です!
●プロの低温調理をおうちで
ポットヒーターは、なんと30℃から95℃まで1度刻みの温度設定が可能です。
ローストビーフやコンフィのように絶妙な火加減が必要な「低温調理」が、誰にでも楽しめるそう。
実際に調理に使ってみた!
無水調理で豚の角煮
男性が喜ぶがっつりメニューの代表、角煮を作ってみました。材料は一般的な角煮と変わりません。
まずは空の鍋を熱し、鍋の温度が上がったら豚肉を焼き付けます。最初に鍋の温度が上がるまで3〜4分かかり、せっかちな私としては少し長く感じました。
豚肉にこんがりした焼き色が付いたら余分な油を拭き取り、ほかの材料を全て投入。
あとは蓋をして弱火で90分タイマー設定をして待つだけ。あれ?これだけ?角煮ってこんなに簡単だった?と拍子抜けしてしまいました。
90分後、完成~!見てください!この完璧なフォルム!!
豚肉はお箸でスッと切れますし、大根は味しみしみ。甘じょっぱい味付けでごはんが進む進む。豚肉や大根の下茹でもないし、火のそばでずっと見守っている必要もないのにこのクオリティとは。恐れ入りました。
野菜たっぷり!定番の無水カレー
無水調理といったら試してみたいメニューが無水カレーですよね。
食材を切ったらレシピの順番通りに鍋に入れ、蓋をして弱火で60分。玉ねぎやセロリなどの水分の多い野菜を下に入れてからほかの野菜を重ねて入れていくのがポイントです。調理が終わったらいったんルウを加えてよく混ぜ、蓋をして予熱で10分味をなじませて完成です。
カレー大好きな私は前のめりでいざ実食! しかし……。あれ。思ってたのと違う(汗)。玉ねぎの存在感が強すぎるというのが正直な感想でした。夫も同様に、玉ねぎがだいぶパンチが強いね、と。
たしかに、玉ねぎは炒めてこそ甘くなってその魅力が最大限に発揮されるはず。鍋におまかせじゃ難しかったのかな……と、その日はおかわりせずに少々落ち込み気味で就寝しました。
当然次の日もカレーですが、これが、温め直して食べてみたら美味しかったんです(笑)。一晩寝かせたことで味がなじみ、玉ねぎの風味もぐっとマイルドになっていました。そして昨夜は玉ねぎの陰に隠れてしまっていた食材の濃い旨味も実感でき、これぞ無水カレーという大満足な仕上がり。
というわけで、無水カレーを作るのは時間に余裕がある時の方がいいかもしれません……。もちろん作り方にもよると思うので、いろいろなレシピを試してみたいなと思いました。
低温調理で茶碗蒸しにトライ
夫の大好物の茶碗蒸し。なじみ深い和食ですが、「す」が入ってしまったり、使う器によって火加減や蒸し時間も変わるため、なんだか難しいというイメージの人も多いかもしれません。自分で作るとなると意外とハードルが高いメニューなのではないでしょうか。実は私もちょっと苦手意識があって、夫にはお寿司屋さんに行った時に食べて!と言っていました(笑)。
でもバーミキュラだと作り方はとっても簡単。卵液を作り、濾しながら具材を入れた器に注ぎます。ポットに水を張り、中火で約3分加熱したら器ごとポットの中に入れ、95℃で30分保温します(炊飯機能では使えないのですが、調理機能では保温が使えます)。
食べてみてびっくり! もちろん「す」は入っておらず、食感もプルプル。夫はあっという間に飲み干していました(笑)。
我が家は最近低温調理器を購入しましたが、鍋にお湯を張ってその中に真空パックにした食材を入れる方式なので、このライスポットのように茶碗蒸しなどは作れません。これは今回最も感動した機能でした。
【結論】今は買えないけど、いつかほしい!
炊飯機能と調理機能をあれこれ試してみて、私が感じたGOODポイントとマイナスポイントについて。
●ここがGOOD!
- ご飯が美味しく炊ける
- おこげが簡単に作れる
- タイマー調理ができる(放っておける)
- おしゃれな見た目に気分が上がる
- 付属のレシピブック、公式ホームページのレシピが充実している
- パーツが少ないので手入れがしやすい
前回の炊飯機能レポートでも熱く語りましたが、ご飯や玄米がすばらしく美味しく炊けるのはさすがの一言。おこげモードも最高でした。調理機能でも、強火から保温まで、絶妙な火加減のコントロールにより、ほったらかしで作ったとは思えない仕上がりだと感じました。
●ここが気になる…
- キッチンのスペースが取られてしまう
- 油ハネが気になるため設置場所を選ぶ
- おかずを作っている間はご飯が炊けない
- 重い
最も気になったのは置き場所の問題。我が家のキッチンはかなりコンパクトで、調理台の幅が約30cmしかありません。ライスポットを置いて調理するとそれだけで調理台が埋まってしまいました。
ご飯を炊くだけとか、炒めずに煮込むだけのメニューなら問題ないと思うのですが、今回作った角煮などは最初の焼き付ける作業でかなり油ハネがあったので、キッチンの棚などに置いたらあとの掃除が大変です。結局調理台に置いて作業するしかなくなってしまうので、そこそこのスペースが必要になります。
それから炊飯器と調理機能が一体化しているということは、例えばカレーとご飯が食べたいときは時間差で作るか、最初から別の鍋で作らないといけません。
また、重さに関して、鍋部分は一般的な鋳物ホーロー鍋の重さをイメージしてもらえればいいと思うのですが、普通の炊飯器の内釜に比べたらだいぶ重いです。蓋もしっかり重量がありますから、重い鍋が苦手という方には毎日だとちょっと負担かもしれません。
ということで、我が家の場合は「買い」か「買いではない」かといえば「(今は)買わない」という結論。でもいずれ家を建て、憧れの広いキッチンを手にした暁にはとっても欲しいなぁ。だってあのご飯の美味しさは忘れがたいんですもの。
全体的に、確かに火加減はおまかせで調理できますが、「時短」や「手間なし」を求めている人というよりは、普通のお鍋では少し難しいメニューも失敗なく作りたい、鋳物ホーロー鍋の使いこなしに不安がある、仕上がりのクオリティを高めたい、という人により向いている家電なのかもしれませんね。ご飯を炊くのも煮込み料理などを作るのも、ワクワク感がありとっても楽しかったです!
5合炊きで約8万円(2021年2月時点での税抜価格 編集部調べ)となかなかの価格ではありますが、炊飯と調理の両方に優れている点などを考えれば決して高い買い物ではないはず。自分の生活スタイルや価値観に合えば検討の価値ありだと思います。
以上、話題のデザイン家電「バーミキュラ ライスポット」の使用レポでした! 炊飯器選びに迷っている方に、ぜひ参考にしてもらえるとうれしいです。
もりもと夫婦
管理栄養士の知識を活かした、家族が笑顔になれる 【幸せおうちごはん】のレシピをご紹介。管理栄養士・フードコーディネーターであるFukaと テクニカルプロデューサーであるKenの、結婚4年目の料理大好き夫婦。
公式Instagram もりもと夫婦の幸せおうちごはん @morifu_popo
家族が笑顔になれる 【幸せおうちごはん】のレシピを紹介する管理栄養士/料理家。簡単だけど、美味しくてちょっとおしゃれなレシピが大人気。
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