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足裏も筋トレが必要!歩くだけで足裏を鍛える、イギリス生まれの「ベアフットシューズ」日本1号店オープン

みなさんは「ベアフットシューズ」って、ご存知ですか? 「ベアフット(Barefoot)」とは「裸足」という意味で、「裸足のように歩くことで人間の足が持つ力を引き出す」という考え方に基づいたシューズです。さまざまなブランドがありますが、共通するのはソールが薄くて柔軟性があり、踵からつま先までの高低差が小さいこと。

この考えをベースにしたイギリスの『VIVOBAREFOOT』(ビボベアフット)日本1号店が、9月9日に東京・外苑前へオープン。キッズも充実しているとのことで、その魅力を体験レポートします。

現代人の足は靴の影響で弱っている?

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気さくな雰囲気の濱田さん。以前、理学療法士として働いていたそうです。「登山やロッククライミングなど、好きなことを仕事にしたくて転職しました」。

外苑前駅から徒歩で10分ほどの通り沿いに『VIVOBAREFOOT TOKYO(ビボベアフット トーキョー)』はあります。迎えてくださったのは店長の濱田大樹さんです。

さっそくベアフットシューズの魅力を伺うと……?

「裸足感覚で歩けるから、足元から健やかになっていけることでしょうか。現代人の足は、機能性やファッション性を追求した靴のために、かつてより弱くなっているんです」(以下「」内、全て濱田大樹さん)

足の筋肉がどのように使われているのかも教えていただけます。

濱田さんいわく、外反母趾や足の小指の変形、扁平足など、足のトラブルの多くは靴の影響も大きいそうです。

「ハイヒールや革靴などはとくに、靴の中で足指が固定され、足がキツイ状態が続きます。すると本来の動きができず足がうまく使えなかったり、足指が変形したり、痛みが出たりします。

スニーカーの場合も、クッション性のある素材やアーチサポート機能は、足をかえって甘やかしてしまう。使わないと筋力は落ちますから、アーチが崩れて扁平足につながる場合もあります」

これらが裸足に近いベアフットシューズを履くと、フラットな、足本来の状態に戻るのだとか。

「ベアフットシューズはソールが薄いぶん、履いて歩くだけで筋肉を使って、筋力やバランス能力がアップするといわれています。足にお悩みがある方は、一度試してみてほしいですね」

さっそく試着

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一にも二にも、まずは体験して、その魅力を感じてみることに。試着するのは、普段からスニーカーも愛用し、ゴルフに登山にとアクティブな編集部スタッフです。「靴ですれて小指の爪が傷みやすい」という悩みをかかえています。

1:気になる一足を選ぶ

壁一面にずらりと並ぶシューズ。キッズ、レザーを使ったライフスタイルライン、軽量でトレーニングなどにも活用できるスニーカータイプ、登山やトレイルランニングにも使えるラインナップが、それぞれ並んでいます。

『VIVOBAREFOOT TOKYO』には、ほぼ全てのラインナップに加え、店舗限定のキッズモデルも並びます。スタッフがDIYしたという店内の壁一面に並ぶシューズを見て、まず思ったのは「毎日履きたくなるデザインが豊富」ということ!

「ブランドの創業者は、イギリスのシューズブランド『Clarks(クラークス)』の7代目のいとこ同士なんです。それもあってか、シンプルで、毎日履いていただきやすいタウンユースモデルもたくさんそろいます。

ベアフットシューズは、履いて歩くだけで足を本来の状態に導きます。そういう意味でも日常生活のシューズとして、なるべく長い時間、できれば毎日履いていただきたい。レザーのスリッポンやブーツもあるので、お洒落を楽しみながら足が健やかになったり鍛えたりできますよ」

2:ほどよくゆとりがある状態にフィッティング

まずはインソールに足をのせて、自分のサイズをチェック。

気になる一足を選んだら、最適なサイズをチェック。インソールに足をのせて自分のサイズを確認したら、フィッティングを行います。この時に履く靴下は、そのシューズと一緒に履きたいものでOK。

 

いつもより緩いと感じても、靴紐を締めれば解決する場合も。「スポッと抜けなければ大丈夫」。
親指の先をぐっと押した時に、余白があることがポイントです。
横幅もチェック。アッパーも薄くしなやかで、ぱつぱつだと足指のかたちが浮きあがります。

踵をトントンッと合わせて紐を締めたら、まっすぐに立ち、足先を押さえてチェックします。試着した編集部スタッフは「これまでのスニーカーと全く違う!」と驚いた様子。さらに「ちょっと緩いような気がするけれど、これでいいのかな?」とやや不安げ……。

「靴で足指を圧迫しない状態が大事なので、これが正解です。『ビボベアフット』は全て幅広で、ゆとりのある状態で履いていただきます。先端は1cmほど余裕を持たせ、足幅にぴったりすぎない状態で。これにより、靴の中で足指が開きやすくなり、裸足と同じありのままの状態になるんです」

3:歩いてみる

試着したのは「RA III ウィメンズ」(2万7,500円)。レザーを使用していますが、とってもしなやかで、足指が曲がるとシューズも曲がる!

両足履いたら歩いてみます。店内の床には木材や石、苔などが埋め込まれており、ゴツゴツ、つるつる、フカフカ……さまざまな感覚が足裏から伝わってきて、おもしろ〜い!

「ソールは基本的に4mm、中敷は2〜3mmと、足元を必要最小限に守る厚みで、柔軟性がある素材で作られています。また、踵からつま先までフラットなのも『ビボベアフット』の特徴。これらにより、例えば木の上を歩いた時に滑りそう!となったら、ぐっと踏ん張りがきくんです。

人間の感覚って、感じて初めて鍛えられるので、ベアフットシューズを履いて日々こうした感覚を足裏から入れてゆくこともいいんですよ」

大人に、キッズに、おすすめシューズ3選

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ベアフットシューズ初心者も取り入れやすいタウンユースモデル

レザーを使ったライフスタイルライン。ベーシックカラーから、イエロー、オレンジ、グリーンなど明るい色もそろいます。

「ブランドとしてリサイクル素材を取り入れるなど、社会や環境に配慮した取り組みを大切にしています。その一つが、企業として『B Corp』認証を取得していること。レザーは、牛の飼育環境に配慮し、すべて放牧で育てられたWILD HIDEレザーを使用しています。皮をなめす際にも重金属を使用しないクロムフリーです。のびのび生活していた牛からとれる皮はストレスがかかっていないので良質なんですよ」

左「ジオチェルシー ウィメンズ」2万8,600円/中央「プライマスライト III ウィメンズ」2万900円/右「ジオコート III ウィメンズ」2万6,400円

左:
ブーツタイプのベアフットシューズ「ジオチェルシー ウィメンズ」
冬場に活躍するブーツもラインナップ。スカートともパンツとも相性のよいサイドゴアブーツは、人気アイテムなのだとか。

「こういうシンプルなレザーブーツは、ウィメンズのみ。ベアフットシューズの魅力がありつつ、タウンユースやキャンプ、ピクニックなどでも活躍します

中央:
アクティブ派はリサイクル素材の軽量シューズ「プライマスライト III ウィメンズ」

デイリーに履くのはもちろん、ウォーキング、ランニング、ジムトレーニングなど、アクティブなシーンに。プラスチック廃棄素材をリサイクルした、環境にも配慮しているアイテムです。

圧倒的な柔らかさと軽さで、まず1足試すなら、このモデルをおすすめしています。たとえば旅先で朝ランしたいという方は、このシューズなら荷物に入れても負担がありません」

右:
きちんと感もあるソフトレザースニーカー「ジオコート III ウィメンズ」

ミニマルでクラシカルなデザイン。カジュアルなビジネスシーンや、きちんと感をプラスしたい学校行事などにも履いてゆけそう。

「スニーカーですが、艶のあるレザーで上品な印象も与えてくれます。僕のおすすめはクリーンなブライトホワイト。汚れが気になったら、専用のリムーバーでお手入れしていただけます」

ファーストシューズから成長に合わせてお付き合いできるキッズモデル

入口すぐのキッズコーナー。トドラーはEU18(11.4cm)~24(15.4cm)、キッズはEU25(16cm)~32(20.7cm)、ジュニアはEU33(21.3cm)〜38(24.9cm)と幅広くサイズ展開。

「ベアフットシューズの中でも、『ビボベアフット』はキッズも充実しているほう。子どもの感覚って敏感で、だからこそとても大切ですよね。近年、子どもにも足のトラブルが増えているそうですが、その影響には靴の機能性が向上したこともあるようです。ある実験によると、従来の靴よりベアフットで生活した子どもは、足の発育がよかったり、バランス力がよくなったりするそうです

左「プライマスブーティー II オールウェザー」トドラー6,600円、キッズ7,480円、ジュニア8,030円/中央「プライマススポーツ  III プリスクール」5,940円/右「プライマストレイル  II FG キッズ」7,480円

左:
冬場でも、どんな天候でも「プライマスブーティー II オールウェザー」

耐水素材と、取り外し可能な断熱性のインソールを使用。寒い時期や天候がすぐれない日も、安心して履かせられます。

「トドラーとキッズは脱ぎ履きしやすいベルクロタイプです。ジュニアになるとシューレースタイプに。足は守りつつ、裸足感覚で履ける、これからの時期にもおすすめの一足です」

中央:
人気NO.1!直営店限定モデル「プライマススポーツ  III プリスクール」

リサイクル素材を使用したカラフルなシューズは、『VIVOBAREFOOT TOKYO』でしか買えないモデル。サイズは12.7cm~24.9を展開しています。

「シュータンが開くので、履き口が広く、履かせやすくてお子さん自身も履きやすい。自分で履きたい!というお子さんの気持ちにもぴったりだと思います

右:
いつでもどこでも思いっきり駆け回れる「プライマストレイル  III FG キッズ」

とても柔軟で耐穿刺性、グリップ力にも優れたアウトソールを採用。これは、大人用トレイルシューズと同じものなのだとか。リサイクルペットボトルから作られたアッパーは、水抜けも速乾性も抜群。

「グリップ力が高いので、地面をしっかり捉えてくれます。速く走りたい、部活動やクラブで履きたいといった、活動的なお子さまにおすすめ。ワンアクションで締められるトグルファスナーで、着脱や靴紐の調整もスムーズです

最初は筋肉痛が起こるかも…でもね

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筆者も続けている「TOE-GA(トーガ)」。足指を開いたり、親指だけまっすぐあげたりすることで、アーチが生まれたり内腿の筋肉が鍛えられたりするそうです。

ちなみに、ベアフットシューズ全般で注意すべきは、ふくらはぎやすね部分に起こる筋肉痛。今まで使っていなかった筋肉を使うので筋肉痛が起こる人が多いそうです。

「少しずつ筋肉がつき、慣れてくるのは2カ月くらい経ったころ。ベアフットシューズを選ぶ方は、通勤や通学など日常生活で一番よく履くシューズから取り入れて、まずは歩き慣れていただくのをおすすめしています。

僕たちは『TOE-GA(トーガ)』という足指のエクササイズもご紹介しているので、合わせてトライしていただくと、アーチの再建や姿勢の安定に役立ちますよ。必要なのはたった1分です!」

店舗で、オンラインで、その魅力をチェック!

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毎日履く靴だからこそ、気に入ったデザインはもちろん、心地よいほうがいいですよね。また、成長中の子どもたちの足にも魅力的な『ビボベアフット』。直営店を始め、各地のパートナーショップやオンラインストアでもチェックできるので、気になった方は一度のぞいてみてください。

ベアフットシューズをアウトドアで履きたい方は、BE-PAL.NETをチェック!

撮影/五十嵐美弥(小学館)

外苑前駅か原宿駅から歩いてアクセスできる「VIVOBAREFOOT TOKYO」。

【取材協力】
VIVOBAREFOOT

VIVOBAREFOOT TOKYO
東京都渋谷区神宮前3丁目7−2 h+神宮前 1F
TEL:03-6447-0436
営業日:
水〜土曜(12:00〜19:00)日曜(12:00〜18:00)/月・火曜休み
※店舗でのお支払いはクレジットカード、各種電子決済のみ

ニイミユカ
ニイミユカ

朝ランが日課の編集者・ライター、女児の母。目標は「走れるおばあちゃん」。料理・暮らし・アウトドアなどの企画を編集・執筆しています。インスタグラム→@yuknote

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