いつも部屋をきれいにキープするのがベストだけど…
null地震は24時間怖いものですが、特に夜間に地震が起こり、暗い中を避難するとなると昼間よりぐんとその難度は上がります。
「暗闇では、普段は気にも留めないようなものでケガをしたり痛い思いをしたりします。子どものおもちゃや文房具でも踏んだら危険ですし、子どものお昼寝毛布などだって足を取られて転倒しかねません。
リビングや寝室の中に避難を妨げるものがないよう、常に片付いた状態をキープできるのが理想です」と、辻さん(以下「」内、辻さん)。
でも、忙しい毎日でそれはなかなか難しいという人も多いでしょう。そんな人に辻さんが提案するのが「寝る前リセット」です。
文房具や子どものおもちゃは蓋つきの箱にポイポイ。揺れても散らばりにくく、後片付けも楽になります。
棚に置く際は、箱の下に滑り止めを貼っておくとより安心。
さらに、大きめの収納ボックスを用意し、寝る前はとりあえず床の上の物をポイポイとまとめ、片付けておく。これだけで、部屋の安全度はぐんと上がります。
「災害対策だけでなく朝起きたときに散らかっている光景が目に入るより、すっきりしている方が一日が気持ちよく始められますね。ぜひ寝る前のリセットを習慣付けてください」
部屋全体を見回して、地震が起こったらどんな危険があるかな?と常に考える癖をつけましょう。避難の邪魔になるものがありそうなら、どんな対策ができるかを考えます。その習慣が防災の第一歩です。
国際災害レスキューナース、一般社団法人育母塾代表理事。国境なき医師団の活動で上海に赴任し、医療支援を実施。
帰国後、看護師として活動中に阪神・淡路大震災を経験。実家が全壊したのを機に災害医療に目覚め、JMTDR(国際緊急援助隊医療チーム)にて救命救急災害レスキューナースとして活動。
現在はフリーランスのナースとして国内での講演と防災教育をメインに行い、要請があれば被災地で活動を行っている。
「地震・台風時に動けるガイド: 大事な人を護る災害対策」(発行:メディカル・ケア・サービス/発売:Gakken)、「レスキューナースが教えるプチプラ防災」「プチプラで『地震に強い部屋づくり』」(ともに扶桑社)など著書多数。