吊り戸棚、使わない物でギュウギュウになっていませんか?
null物がたくさんあるキッチンにおいて、大容量の吊り戸棚は助かる存在。でも……?
手が届きにくいからと、使用頻度が低い物の収納場所として使っている人も多いと思いますが、「地震が起こると、吊り戸棚自体が外れて落ちてくることも。重い物が詰まっていると、そのリスクはさらに上がります」と、辻さん(以下「」内 辻さん)。
対策1:耐震ラッチを確認
null揺れを感知して扉を固定してくれる「耐震ラッチ」。特に古い家などは、耐震ラッチがついてない場合もあるので必ず確認してください。もしついていない場合は、ホームセンターなどで購入できるので、自分で設置しましょう。
対策2:重い物、割れる物はとにかく撤去!
null「吊り戸棚は、高い場所で手が届きにくいからと、普段使わないキッチン家電、食器、ストックの食品やお酒など、重い物や割れやすい物が詰まっていることが多いんです! 何度も伝えているように、収納の鉄則は“重い物は下、軽いものは上”。とにかく重い物を吊り戸棚に入れないようにします」
ここからこれが落ちてきたらどうなるだろう……?と常に考えて、収納場所を決めましょう。
また、お酒の収納場所に使用するのもNG。
「落ちて割れたら危険というだけでなく、お酒がこぼれていると火事の際にアルコールに引火したりして被害が大きくなる可能性があります。瓶類など重い物は低い位置に収納するのが鉄則ですが、特にお酒の瓶は火を使う場所からなるべく離しておきましょう」
対策3:軽いストック品限定で収納
null「吊り戸棚に収納するのは、スポンジや紙皿など、軽いものに限定します。万が一落ちてきても、割れたり、怪我をしたりしない物と考えると、吊り戸棚に入れられる物はかなり限られることが分かると思います。
また、収納に使うカゴなどの底面には、滑り止めシートをしっかり貼りましょう」
めったに使わない物ばかりを押し込みがちな吊り戸棚。これを機に、中身や置く位置の見直しを進めてみましょう。
国際災害レスキューナース、一般社団法人育母塾代表理事。国境なき医師団の活動で上海に赴任し、医療支援を実施。
帰国後、看護師として活動中に阪神・淡路大震災を経験。実家が全壊したのを機に災害医療に目覚め、JMTDR(国際緊急援助隊医療チーム)にて救命救急災害レスキューナースとして活動。
現在はフリーランスのナースとして国内での講演と防災教育をメインに行い、要請があれば被災地で活動を行っている。
「地震・台風時に動けるガイド: 大事な人を護る災害対策」(発行:メディカル・ケア・サービス/発売:Gakken)、「レスキューナースが教えるプチプラ防災」「プチプラで『地震に強い部屋づくり』」(ともに扶桑社)など著書多数。