食器のしまい方にもひと工夫
null前回は手軽に取り入れられる様々な道具を使い、食器棚の扉が開くのを防ぐ方法を学びました。
今回は、食器棚の中に食器を入れるときのテクニックについて。「食器はできれば引き出し式の収納が安心ですが、棚に入れる場合でも少しくらいの揺れでは食器が倒れたり落ちたりしないように、滑り止めの対策をしましょう」と辻さん(以下「」内 辻さん)。
その1:食器棚に滑り止めシートを敷く
棚の中の食器は、横からの揺れで簡単に滑って移動します。それを防ぐために、まず全体に食器棚用の滑り止めシートを敷きましょう。
今回は、ニトリで購入した「抗菌すべり止めシート(35cm×180cm・499円・税込)」を使用。目立たない半透明で、ハサミで簡単にカットすることができます。
その2:食器を重ねるときは中→大→小に順番を変えてみる
大・中・小3サイズのお皿を積み重ねて収納するときは、大きいものを下に、中、小と順に積むことが多いですよね。この順番を入れ替えて、下から中→大→小としてみましょう。
「中→大→小の順番に積むと、大→中→小のときより安定感が増します。揺れてもお皿が飛び出ず、割れにくい積み方です」
その3:食器をかごやトレーにまとめる
100均で購入できる滑り止めシートをかごの底面に貼り付け、その中に食器をまとめておくとより安心。お茶碗と汁椀など、一緒に使うものをまとめておくと配膳のときの作業効率アップにもつながります。
また、万が一この中で食器が割れても、飛び散ることはないので片付けが格段に楽になります。
「滑り止めシートは、かごの底面の内側に1枚と外側に1枚を両面テープで貼り付けます。外側に貼るときは、かごより少し長めに切って手前側が厚くなるように折り返しておくと、さらに滑りにくくなります」
使わない食器までぎゅうぎゅうに詰まっている食器棚は、使い勝手が悪いだけでなく地震の時に危険がいっぱい。この機会に、持っている食器を見直して、整理するのもおすすめですよ。
国際災害レスキューナース、一般社団法人育母塾代表理事。国境なき医師団の活動で上海に赴任し、医療支援を実施。
帰国後、看護師として活動中に阪神・淡路大震災を経験。実家が全壊したのを機に災害医療に目覚め、JMTDR(国際緊急援助隊医療チーム)にて救命救急災害レスキューナースとして活動。
現在はフリーランスのナースとして国内での講演と防災教育をメインに行い、要請があれば被災地で活動を行っている。
「地震・台風時に動けるガイド: 大事な人を護る災害対策」(発行:メディカル・ケア・サービス/発売:Gakken)、「レスキューナースが教えるプチプラ防災」「プチプラで『地震に強い部屋づくり』」(ともに扶桑社)など著書多数。