フライパンで蒸せば簡単!強火で一気に蒸しあげる
null沼津さんはパン作りの達人でもあり、kufuraでもポリ袋をシャカシャカ振って作る55分パンが人気です。そこで、今回は旬のさつまいもを使って、フライパンで手軽に作る「蒸しパン」を教えてもらいました。
「今回は蒸し器がなくても作れるように、フライパンで蒸しあげます。ポイントは強火で一気に加熱すること。強い火力で蒸しあげると、蒸しパンの頭がパカッと割れて、きれいな花が咲きます。今回は小さいカップを使って、ミニサイズで作りました。食べやすい大きさなので、お弁当のおやつにもおすすめですよ」(以下「」内、沼津さん)
ちなみに、沼津さんはさつまいも愛が深く、懇切に解説する「芋けんぴ」の動画も大人気。秋のお菓子作りにぴったりなので、さつまいも好きなかたは、ぜひこちらもチェックを!
【材料】(6〜7個分/底経約3.5cmの紙カップを使用)
さつまいも・・・小1/2個(100g)
薄力粉・・・100g
ベーキングパウダー・・・小さじ1
きび砂糖・・・大さじ4
水・・・100ml
米油・・・大さじ1
【作り方】
(1)さつまいもを切る

さつまいもは端を切り落とし、皮ごと5mm幅の輪切りにしてから、細かめのサイコロ状に切ります。
「さつまいもが大きいと火が通りにくいので、細かめに切りましょう。大きめの角切りにしたい時は、さつまいもを加熱してから加えてください」
(2)さつまいもを軽く洗う

水を張ったボウルにさつまいもを入れ、軽く洗ってでんぷんを流します。
「さつまいもはでんぷんが多い野菜なので、調理する前に軽く洗ってでんぷんを落とすことで、粘りが取れてさっぱり食べられます」
(3)生地を作る

薄力粉(100g)にベーキングパウダー(小さじ1)、きび砂糖(大さじ4)を入れ、均一になるよう混ぜ合わせます。
さらに、水(100ml)と米油(大さじ1)を合わせてから入れ、水分がなじむように混ぜ合わせてください。
「今回は自然な甘味のきび砂糖を使いましたが、砂糖は好みのものを選んでください。甘さ控えめにしたい場合は、砂糖を大さじ3に調整するといいですよ。
水の代わりに、牛乳や豆乳を使っても。油は香りが少ないサラダ油や太白ごま油でもOKです。自分が作りやすい家庭にある調味料で作ってみてください」
(4)さつまいもを生地に混ぜる

生地がよく混ざったら、水気を拭いたさつまいもを加えて、全体を混ぜ合わせます。さつまいもの水気はしっかり拭いてから入れてください。
(5)カップに生地を注ぐ

グラグラと沸騰してる中に入れても倒れないように、プリンカップなどの耐熱容器に、紙カップを入れ、その中に生地を注ぎ入れます。今回は底経約3.5cmの紙カップを使ったところ、6〜7個できました。
「今回はお菓子用の紙カップを使いましたが、お弁当のカップやアルミカップでも作れます。プリンカップがなければ、耐熱性の湯のみやココットなどでも代用可能です」
(6)フライパンで8分ほど蒸す

フライパンに水を1.5cmほど入れ、生地を注いだカップを並べます。強火にかけ、沸騰したら強火のままふたをして、8分ほど蒸します。
「グラグラとしっかり沸騰させ、強火で蒸すのがポイントです。強火で加熱することで、蒸しパンの頭から蒸気が抜け、パカッと開きます。これを料理用語で“花が咲く”と表現します。キレイに花が咲いたら、上手に蒸せた証拠です」
今回は蒸し器がなくても作れるようにフライパンで蒸す方法を紹介していますが、蒸し器がある人は同様に作ることができますよ。
(7)竹串を刺してチェック

8分経ったら、竹串を刺して、竹串に生地がつかなければOK! 生地がついた場合は、さらに1〜2分加熱時間を追加して、調整してください。
(8)カップから取り出す

蒸しあがったら、火傷に気をつけながら、カップからすばやく取り出しましょう。
「カップから素早く出して、金網などにのせて冷ますと、蒸気が抜けてふわっと仕上がります。水気がこもらないので、長持ちしますよ」
(9)できあがり!

ミニサイズのかわいい蒸しパンができあがりました! 強火で一気に蒸しあげたことで、トップがパカッと上手に割れて、キレイに花が咲いています。こちらは冷蔵で3〜4日保存できます。
早速、蒸しパンを手で割ってみるとふんわり、口に運ぶともっちもち! 素朴な甘味のホクホクしたさつまいもを、ほんのり甘い生地が包み込んで、とっても優しい味わいです。素材の味が生きていて、甘すぎないので、子どものおやつにもぴったりですね。
「今回はさつまいもで作りましたが、かぼちゃ、ごま、チーズ、ハム、黒糖、ドライフルーツ、ナッツなどを加えても美味しいです。好みのアレンジを楽しんでみてください」
早速作ってみたところ、生地作りがありがたいほどに簡単! 混ぜるだけなので、気負わずパパッと作れました。フライパンで蒸すのには慣れていませんでしたが、カップが倒れたり、蒸しムラができたりすることもなく、キレイに花が咲いて感動! パン好きな2歳の娘もよく食べてくれて、親のやりがいもありました(笑)。
ようやく秋らしくなり、家庭菜園でさつまいもを収穫したり、遠足や行楽でさつまいも堀りに足を運んだりする人も多いのではないでしょうか? ぜひ、おうちで手軽に手作り蒸しパンを楽しんでみてください。
取材・文/岸綾香
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料理研究家・管理栄養士の沼津りえさんによる“ごま油で「いつものごはん」をもっと楽に、もっと美味しく”するレシピ集。パパッと作れる小鉢、メインになる肉や魚のおかずからごはんや麺まで、全98レシピを掲載。
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『ごま油さえあれば さっぱりもコク旨も、いつもの家ごはん98』(小学館)、『マンガでわかった! ラクしておいしい作りおき』(主婦の友社)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu YouTube 管理栄養士 沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」














