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「いなり寿司ロール」なら手間も失敗もなし!ひと口サイズで食べやすい【沼津りえのとっておきレシピ】

kufuraの大人気連載「ちょこっと漬け」などでもおなじみの料理研究家の沼津りえさんが、「とっておきレシピ」を動画で楽しくお届け!

今回は、お弁当にもおもてなしにもぴったりな「いなり寿司」を、より作りやすく&食べやすくブラッシュアップした「いなり寿司ロール」を紹介します。ひと口サイズで食べやすく、酢飯を詰めずに巻くだけだから、油揚げが破れる心配もありません。

詰めずに“巻くだけ”のおいなりさんだから、失敗しない!

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沼津さんにおすすめのいなり寿司の作り方を聞いたところ、なんと「我が家では、詰めずに巻くのが定番なんです」という意外な答えが!

「おいなりさんって、油揚げを開いて、酢飯を詰める作業が地味に大変ですよね。それなら、いっそのこと詰めずに巻いたらどうかな?と思いついたのがきっかけです。10年以上前に私の料理教室で紹介したところ、今も大好評の一品です。これならひと口サイズなので、好きな分だけ気軽につまめるのもいいんですよね」(以下「」内、沼津さん)

”詰めないおいなりさん”って興味津々! 早速、作り方を見てみましょう。

【材料】(5本分)

油揚げ・・・5枚

水・・・200ml

きび砂糖・・・大さじ2

しょうゆ・・・大さじ1と1/2

 

[酢飯]

米酢・・・大さじ2

きび砂糖・・・小さじ2

塩・・・小さじ1/2

温かいごはん・・・1合分

白いりごま・・・大さじ1

 

[具材]

油揚げの切れ端・・・適量

かに風味かまぼこ・・・適量

卵焼き・・・適量

きゅうり・・・適量

【作り方】

(1)油揚げを切る

2〜3枚ずつ重ねて、油揚げの3辺を切り落とします。

「油揚げは中がくっついていないふわふわしたものを使うと、このあときれいに開けますよ」

(2)油抜きをする

油揚げに熱湯をかけて油抜きをして、ザルにあげます。

「油抜きをすると味が染み込みやすくなるので、このひと手間は惜しまずに行ってくださいね」

(3)鍋に調味料を入れる

鍋に水、きび砂糖、しょうゆを入れ、火にかけてきび砂糖を溶かします。砂糖は好みのものでOKです。

(4)油揚げを入れる

油揚げの水分を絞ってから鍋に入れます。切り落とした油揚げの切れ端も一緒に煮てしまいましょう。

「油揚げを絞らないで入れると味が薄くなり、味も染み込みにくくなります」

(5)落としぶたをして、煮汁がなくなるまで13分ほど煮込む

今回は煮汁が少ないので、ホイル箔などで落としぶたをして、さらに、油揚げが浮いてくるのを押さえるために、鍋のふたや耐熱皿などを重石代わりにのせてください。

グツグツした状態を保った火加減で、煮汁がなくなるまでじっくり煮込みます。5分くらい経ったら上下を一度ひっくり返し、返し終わったら、落としぶた、鍋のふたの順にのせ、さらに煮汁がなくなるまで計13分を目安に煮込んでください。

(6)寿司酢を作る

油揚げを煮ている間に酢飯を作っておきましょう。まず、酢にきび砂糖と塩を入れ、きび砂糖と塩が溶けるまでよく混ぜます。

「酢はマイルドな酸味の米酢がおすすめ。砂糖は好みのものを使ってください」

(7)酢飯を作る

炊き立てのごはんに寿司酢をかけ、しゃもじで素早く切るようにして混ぜます。寿司酢が全体になじんだら、白いりごまを混ぜてください。このまま粗熱が取れるまで置いておきましょう。

「熱々のごはんに寿司酢を混ぜるとごはんがギュッと寿司酢を吸って美味しい酢飯に仕上がります。最初はシャバシャバしていても、ごはんがたっぷりと寿司酢を吸っていくのでご安心を。米粒を潰さないよう、切るように混ぜるのがポイントです。もし誰か手伝ってくれる人がいる場合、もう1人がうちわでパタパタと酢飯をあおいで素早く冷ますといいですね」

(8)油揚げを取り出す

計13分ほど経ったら、鍋の中をチェック。傾けると少し煮汁が残っているくらいまで煮込んだら、火を止めてください。粗熱が取れたら、おいなりさんの油揚げの完成です!

「煮詰めすぎると焦げてしまうので注意してくださいね。冷める時に油揚げが煮汁を吸ってジューシーに仕上がるので、鍋の中に入れたまま粗熱を取りましょう」

(9)ラップで酢飯を巻く

ラップを敷いて、その上に油揚げを優しく開いて広げ、手に水をつけ、油揚げの端まで酢飯を平らに広げていきます。均一に広げたら、手前を軽く巻いて芯を作り、奥に向かってギュッギュッと巻いていきます。

最後はラップを引きながら形を整え、ラップに包んだまま少し休ませてください。

「袋状の油揚げに酢飯を詰めるのは、油揚げが破れないように気を遣うので、実は意外と大変なんですよね。これなら巻くだけだから、とっても簡単ですよ!」

(10)具材を入れて巻く

酢飯だけでも美味しいのですが、今度は具材も一緒に巻いてみましょう。同様に油揚げの上に酢飯を均一に広げたら、手前に具材を並べます。今回は、一緒に煮込んだ油揚げの切れ端、細く裂いたかに風味かまぼこ、細く切った卵焼きときゅうりをのせます。

具材を押さえながらキュッと巻いて芯を作り、奥に向かって転がしながらきつく巻いていきます。ラップを引きながら形を整え、そのまま休ませてください。

「今回は彩りのよい具材を揃えましたが、家にあるお好みの具材でOKですよ」

(11)食べやすい大きさに切る

少し休ませて形と味がなじんだら、ラップを外して、食べやすい大きさに切りましょう。きつく巻いた方が、きれいに切ることができます。

「すぐに食べない場合は、このまま冷蔵室で保存して、食べる時にカットしてください」

(12)できあがり!

お皿に並べたら完成です。ズラッと並んだ断面が何とも愛らしいですね!

まずは酢飯だけのロールからパクッと食べると、ひと口で食べられるちょうどいいサイズ感。うん、これはとっても食べやすい! 特に女性や子どもにぴったりです。油揚げはふっくらジューシーで、甘過ぎずさっぱり。酢飯とのバランスも絶妙で、ついもう1個と手が伸びてしまいます。具材入りは目にも華やかで、おもてなしやお弁当にもぴったりですね。

「酢飯や具材を巻かず、ごはんに鮭フレークや赤しそふりかけ、ちぎった梅干し、プロセスチーズ、ごま油と塩、しらすや大葉などを混ぜた好みのごはんを巻くのも手軽で楽しいですよ。また、油揚げの切れ端は、細かく刻んでごはんに混ぜても美味!」

筆者は若い頃においなりさんを油揚げから作ったことがあるのですが、お揚げを上手に煮ることができず(なんか薄味でパッとしなかった……)、過去の苦い経験を胸に、沼津さんの方法でトライしてみたところ、失敗せずにジュワッと美味しく煮ることができました! 私は酢飯だけが好みだったので、具材を入れずに作ってみましたが、確かに油揚げを1袋ずつ開いて詰める手間がないのは画期的! そして何といっても、このひと口サイズが食べやすくて最高。家族もパクパク食べてくれて、来客時のおもてなしにも大好評でした。

このいなり寿司ロールを知ってしまうと、もう普通のおいなりさんには戻れなくなってしまうかもしれません(笑)。ぜひ、試してみてください!

 

取材・文/岸綾香


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沼津りえ
沼津りえ

料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『ごま油さえあれば さっぱりもコク旨も、いつもの家ごはん98』(小学館)、『マンガでわかった! ラクしておいしい作りおき』(主婦の友社)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu  YouTube  管理栄養士  沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」

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