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鶏むね肉で節約!しっとりジューシーな「ゆで鶏の香味だれ」。ゆで汁で絶品スープも【沼津りえのとっておきレシピ】

kufuraの大人気連載「ちょこっと漬け」などでもおなじみの料理研究家の沼津りえさんが、「とっておきレシピ」を動画で楽しくお届け!

今回は、家計に優しい節約食材「鶏むね肉」のレシピを紹介。パサつきがちな鶏むね肉が、想像を超えるほど、しっとりした極上のお肉に大変身! 作り方はゆでるだけ。ゆで汁まで余すところなく、美味しいスープも作ります。一度におかずが2品完成する嬉しいお助けレシピです。

極上のしっとり感!ゆで汁の中で冷ますのがポイント

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安くて食べ応えのある鶏むね肉は、家計に優しいお助け食材。ただ1点、問題は何と言ってもパサつきやすいこと。そこで、しっとり仕上げるコツを沼津さんに教えてもらいました。

「ゆで鶏は我が家の大定番で、本当によく作っています。鶏肉がしっかりかぶるくらいの水でゆでたら、そのままゆで汁の中で粗熱を取るだけ。これで驚くほどしっとりジューシーに仕上がるんですよ。ゆでたスープは鶏の旨味たっぷりのいいおだしが出ているので、こちらはスープにしていただきます。鍋に入れて放ったらかしでOKなうえ、一度に2品作れるので、忙しい時に大助かりなんです」(以下「」内、沼津さん)

これは最強の節約レシピの予感! 早速作り方をチェックしてみましょう。

このジューシーさは衝撃!「ゆで鶏の香味だれ」が絶品

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【材料】(2人分)

鶏むね肉・・・1枚(250〜300g)

塩・・・小さじ1/2

水・・・600ml〜(鶏肉が完全にかぶるくらい)

酒・・・大さじ1

 

[香味だれ]

長ねぎ(みじん切り)・・・1/4本分(30g)

ごま油・・・大さじ2

酢・・・大さじ1

しょうゆ・・・大さじ1

きび砂糖・・・大さじ1/2

しょうが(みじん切り)・・・小さじ1

にんにく(みじん切り)・・・小さじ1

【作り方】

(1)鶏むね肉の水気を拭く

最初に、鶏むね肉の水気をしっかり拭くことで、臭みがなくなります。鶏肉を洗うと、食中毒の原因となる細菌が飛び散り、キッチンや周りの食材を汚染する可能性があるので、ペーパーなどで表面の水分をよく拭くだけでOKです。

(2)塩をすりこむ

鶏むね肉の両面に塩をすりこみ、常温に3〜4分置きます。

(3)鍋に鶏むね肉、水、酒を入れる

鍋に鶏むね肉を入れ、鶏むね肉が完全にかぶるまで水を入れたら、酒を入れます。

「水は600mlが目安ですが、鍋の大きさによって変わるので、鶏むね肉が完全にかぶるまで水は調整して入れてください。水の量が少なくて、鶏むね肉が水から出てしまうと、火が通らない部分ができてしまうので注意しましょう。今回は臭み消しのために、酒を入れました。他にも、長ねぎの青い部分、しょうが、にんにくなどを入れてもいいですよ」

(4)グラグラした状態で7〜8分ゆでる

鍋を強火にかけ、沸騰したらすばやく中弱火にし、グラグラした状態をキープしながら7〜8分ゆでます。アクは取らずに、そのままゆでればOKです。

「鶏むね肉の大きさによって、ゆで時間は調整してください。鶏むね肉が厚めの場合は8分、薄めの場合は7分が目安です」

(5)火を止め、そのまま粗熱を取る

7〜8分経ったら火を止め、ゆで汁に浸けたまま粗熱を取ります。スープが冷めるまで約15分ほど浸けておきましょう。

「中まで加熱はされているのですが、湯に浸けたまま粗熱をゆっくり取ることで、しっとりジューシーに仕上がります。これが美味しく仕上げるポイントですよ!」

(6)香味だれを作る

ボウルに長ねぎのみじん切り、ごま油、酢、しょうゆ、きび砂糖、しょうがのみじん切り、にんにくのみじん切りを入れ、よく混ぜてなじませます。15分ほど置くと、味がなじんで水分が出て、とろみのあるまろやかなたれになります。

(7)鶏むね肉を切る

粗熱が取れたら、鶏むね肉を鍋から取り出して水分を拭きます。皮を取り、斜め薄切りにしてください。

「皮はそのまま食べてもよいですが、私は皮をはがして細かく切り、フライパンでカリカリに焼いて食べるのが好き。香ばしくてちょっとしたおつまみになりますよ!」

(8)できあがり!

鶏むね肉を器に盛り付け、香味だれをたっぷりかけたら完成です。

「手で裂いてごまドレッシングをかけて棒棒鶏にしたり、コロコロの角切りにしてコブサラダにしても。ごま油、塩、パクチー、きゅうりと和えても最高ですよ!」

早速食べてみると、本当に沼津さんの言う通り。普通の鶏むね肉がやわらかい極上のお肉になって、このしっとり感は衝撃的! そして淡白なゆで鶏にぴったりすぎるのが、このパンチの利いた香味だれ。ねぎやしょうがなど薬味たっぷりの中華風の味わいで、ついつい「もう1枚」と箸が進んでしまいます。

鶏だしが利いたチーズ風味の優しい「ふんわり卵スープ」

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さらに、鶏むね肉をゆでた汁には美味しいだしがたっぷり出ているので、捨ててしまうのはもったいない! パパッとスープにすれば、もう1品手軽にできあがります。

【材料】(2〜3人分)

鶏のゆで汁・・・全量

卵・・・1個

粉チーズ・・・大さじ1〜2

塩・・・少々

こしょう・・・少々

細ねぎ(小口切り)・・・適宜

【作り方】

(1)ゆで汁を温める

鶏むね肉をゆでたスープを再度温めます。この時、アクが出てきたら取り除いてください。

(2)溶き卵に粉チーズを加える

ボウルに卵を割り、粉チーズを入れ、よく溶き合わせます。

「粉チーズで少し塩味をつけることで、マイルドな味わいのふわふわ卵になりますよ」

(3)溶き卵を回し入れる

グラグラ沸騰しているところに、溶き卵を回し入れます。味見をして足りなければ、塩、こしょうで味を調えてください。

「刻んだ野菜をたっぷり入れたり、先ほどのゆで鶏の皮をみじん切りにして入れたり。薄味なのでアレンジも自由自在です」

(4)できあがり!

器に盛り付けたら完成です。好みで小口切りにした細ねぎを散らしてもいいですよ。

ひと口飲むと、「ほうっ」とため息が出るほど。優しい味わいのスープがスルスルッと体に染み込んでいきます。鶏のだしがたっぷり出ていて、卵もふわふわで癒される……。ゆでる時にしょうがやにんにくを入れていないので、本当にシンプルなだしの旨味を存分に味わえます。

「しょうゆやみそを少し入れて、味を引き締めても◎。そうめんやうどんを入れてもよく合いますよ」

早速、ゆで鶏とスープを家で作ってみたところ、家族に大好評! 「これって本当に鶏むね肉?」と疑うほど、しっとりした食感に夫はびっくり。香味だれも美味しいので、レタスなどの葉野菜をたっぷり敷いて、トマトを添えて、サラダ感覚で野菜もたくさん食べられました。2歳の娘はふわふわ卵のスープがお気に入り。ゴクゴク飲んで、「もっとちょーだい!」とおかわりまで。

そして気兼ねない友人にではありますが、嬉しいのが来客時のおもてなしにも使えること。今までは鶏むね肉といえば、鶏ハムを頑張って作っていたのですが、時間も手間もかかりますよね……。そこで、こちらのゆで鶏を作って野菜もたっぷり盛り付けて華やかに出したところ、「すごくしっとりしてる〜!」と盛り上がり、お酒も進む味付けで、あっという間になくなりました!(万歳!)

作るのも簡単なうえ、価格もお手頃。もうこれは最強の節約レシピかもしれません。我が家でも、定番メニューになりました。2人の娘さんを育てている沼津さんのとっておきレシピは、沼津さんが実際に何度も作って、家族からも大好評だった実用的なものばかり。ぜひ、みなさんも試してみてください!

 

取材・文/岸綾香


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沼津りえ
沼津りえ

料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『ごま油さえあれば さっぱりもコク旨も、いつもの家ごはん98』(小学館)、『マンガでわかった! ラクしておいしい作りおき』(主婦の友社)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu  YouTube  管理栄養士  沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」

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