「下ゆで」と「塩麹」で臭みゼロのやわらかいモツ煮込みに!
nullだんだんと寒さが増してきて、煮込み料理の美味しい季節になりました。kufuraの動画でレバーや砂肝など内臓系の料理が大人気の沼津さん。そこで、今回は「モツ煮込み」の作り方を教えてもらいました!
「私のモツ煮込みは、調味料は塩麹とみそだけ! しかも、みそは大さじ1しか入れません。通常だとモツの臭みを濃い味付けで和らげることも多いので、調味料が少ないと思うかもしれませんが、実はこれで十分。だまされたと思って、作ってみてください。野菜の旨味たっぷりで、モツの臭みも全然なくて、びっくりしますよ!」(以下「」内、沼津さん)
モツ煮込みは通常1時間以上は煮込むイメージがありますが、なんと煮込み時間は40分程度。本当にやわらかくなるの?と思った人こそ、作り方を一緒にチェックしてみましょう!
【材料】(2人分)
ゆで豚モツ・・・200g
にんじん・・・2cm(30g)
大根・・・3cm(100g)
にんにく・・・1片
厚揚げ・・・1/2枚(80〜100g)
こんにゃく・・・1/2枚(100g)
水・・・600ml
塩麹・・・大さじ1
みそ・・・大さじ1
長ねぎ(小口切り)・・・適宜
七味唐辛子・・・適宜
【作り方】
(1)モツをゆでる
市販のゆでモツはそのまま調理できますが、ゆでて下処理をしたほうが臭みが取れて、やわらかく仕上がるそう。
沸騰した湯にパックのゆでモツをそのままドボンと入れ、中火で3〜4分ゆでて臭みを取ります。ゆでているとアクが出て、湯が白濁してきました! 思った以上に余分な脂があるんですね。
(2)モツを洗う
ボウルに水を張り、ゆでたモツを入れてよく洗います。ゆでたてのモツを入れたらすぐに水を替えてください。2回目はモツが冷えて水がすぐに温かくならないため、モツの脂が固まってきます。
軽くすすぐようにして、水が透明になるまでよく洗い、ザルにあげて水気を切ります。これで余分な脂とアクがスッキリ取れました!
(3)野菜を切る
にんじんは5mm幅のいちょう切りに、大根は皮を薄くむき、にんじんよりやや厚めの7〜8mm幅のいちょう切りにします。にんにくは半分に切って、芯を取ります。厚揚げは半分に切って、7〜8mm幅に切ります。こんにゃくは断面がギザギザになるようスプーンでちぎって、味を染み込ませやすくしておきます。
(4)塩麹を加えて煮て、アクを取る
先程、モツをゆでたフライパンで再度調理する場合は、フライパンに臭みが残っているので、しっかり洗ってから調理を始めてください。
フライパンに水、にんにく、塩麹、水気をしっかり切ったモツを入れ、中火にかけます。沸騰したらアクを取りましょう。丁寧にアクを取ると、美味しく仕上がるそうです。
「酒や青ねぎなど、いわゆる臭み取りに使われる食材を今回は使わず、にんにくと塩麹の力のみで仕上げます。初めにしっかり下ゆでしたので、モツの臭みも全然ありません。香ばしくて甘い香りがしていますよ」
(5)中火で5分煮る
少しずらしてふたをして、中火で5分ゆでます。もうアクが出なくなってきました。
(6)具材を入れて、20分煮込む
5分ほど煮たら、具材を全部入れます。再度沸騰したら、少しずらしてふたをして20分ほど煮込みます。
(7)みそで味付けする
野菜がやわらかくなり、煮汁が半分くらいになってきました。目安としては、大根がやわらかくなっていればOKです。ここまでしっかり煮込んでから、みそを加えて味付けします。
「使うみそは大さじ1だけ! 先にみそを溶いてから煮込んでいく作り方もありますが、塩味を先に入れると野菜が硬くなり、煮込み時間が長くかかってしまいます。やわらかく煮込んでから味付けすれば味の染み込みが早く、煮る時間も短くて済むうえ、少ないみそでしっかり味付けできるんです。
今回はみそしか使いませんが、甘めの味がお好みの場合は、みそを入れる前に砂糖かみりんを大さじ1〜2加えて調整してみてください」
(8)仕上げに4分ほど煮込む
みそが全体に絡んだら、少しずらしてふたをして、仕上げに水分が半分くらいになるまで煮込みます。今回はさらに中火で4分ほど煮込みました。
「煮汁がトロッとしてきたらOKですよ」
(9)できあがり!
器に盛り、好みで小口切りにした長ねぎをのせ、七味唐辛子を振ったら完成です!
早速食べてみると……モツ臭さが全然なくて、感動! 雑味がなく上品な味わいで、そして塩麹効果でしょうか、モツがとってもやわらかい! さらにあんなに少ないみそだったのに、野菜の甘味がしっかり溶け出ているからか、旨味もたっぷり。塩麹のほのかな甘味も感じます。味が濃すぎず、優しい味わいなので、いくらでも食べられてしまいます。
「下ゆでして臭みを取るひと手間をしておくと、仕上がりにグンと差が出ます。塩麹の効果でモツがやわらかくなり、塩味を入れずにコトコト煮込むことで、少ないみそでも味がしっかり決まるんです。煮込んでから味付けする。これは他の料理にも応用できることなので、ぜひ覚えておくといいですよ!」
夫がモツ煮込みが大好きなので、早速作ってみたところ、「優しい味で美味しい!」と大好評。居酒屋のモツ煮込みはお酒に合うように濃いめの味付けですが、こちらは味が濃すぎないので食べ疲れないため、日本酒のあてにした後、さらに「まだある?」と言って、ごはんのおかずにもしていました。私もごはんにかけて食べたら最高でした!(笑)
今まで、モツ煮込みは居酒屋メニューにお任せで、時間も手間もかかりそうだし……と、家では作っていなかったのですが(夫、ゴメン!)、この手軽さ&スピードだったら、今年の冬はリピート必至になりそうです。
だんだん本格的に寒くなり始めたので、ぜひモツ煮込みで一杯(もちろんごはんも!)いかがでしょうか?
取材・文/岸綾香
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『マンガでわかった! ラクしておいしい作りおき』(主婦の友社)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu YouTube 管理栄養士 沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」