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【牛すじ煮込み】肉はトロトロ!醤油でこっくり&後味すっきりの黄金レシピ…沼津りえの季節の手仕事#16

季節の移ろいを感じながら、作る過程を楽しみたい「季節の手仕事」。この時季にぴったりな逸品を、料理研究家・沼津りえさんが丁寧に解説してくれます。

今回は、寒い時季にこそぜひ作ってほしい「牛すじ煮込み」をご紹介!

調味料を入れる順番が最大のポイント!

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あったか~い煮込み料理は、寒い日にうれしいメニュー。なかでも「牛すじ煮込み」は、トロッと柔らかな食感がたまらない一品です。

とはいえ、牛すじは下処理が必須。沼津流の完璧な下処理方法は、別の動画で詳しく教えてもらっていますので、ぜひご参考ください。

今回は、この下処理済の牛すじをしょうゆベースの味付けでコトコト煮込んでいきます。これがもう、頬が落ちるほどのおいしさ!

短時間でしっかり味を染み込ませつつおいしく仕上げるには、下処理とともに調味料を入れる順番がポイント。最低限の調味料でも充分に味わい深く、体にとってもヘルシー! とびっきりおいしくなる最後のひと手間もお見逃しなく」(以下「」内、沼津さん)

何度だって作りたくなる沼津流の牛すじ煮込み。早速その作り方を見ていきましょう。

 

「トロトロ牛すじ煮込み」

【材料】(作りやすい分量)

400gの牛すじを下処理したもの
(下茹で後、しょうが20gと酒100mlで酒煎りする)

こんにゃく・・・1枚(約300g)

水・・・800ml

本みりん・・・大さじ2

砂糖・・・大さじ2~3

しょうゆ・・・大さじ3

青ねぎ(小口切り)・・・適量

【作り方】

(1)こんにゃくを下準備する

まず、スプーンでこんにゃくをちぎり、熱湯で3~4分ほど茹でます。ザルにあけたら、水などで洗わずにそのまま置いておきます。

「もちろん包丁で切っても構いませんが、スプーンでちぎることでこんにゃくの表面がでこぼこして、牛すじの旨味がより染み込みやすくなります。また、茹でてザルにあけた後そのまま冷ましておくと、余分な水分が取れて、プリッとした食感になりますよ。

こんにゃくは食物繊維たっぷりで体にもよく、私の好物でもあります(笑)。今回はたっぷり入れていきますよ」

(2)牛すじを水で煮る

下処理した牛すじ(下茹でしてアク抜きし、お酒としょうがで煎ったもの)を、しょうがごと鍋に入れます。水を加えてから火をつけて沸騰させ、少しずらしてフタをし、15分煮ます。

「アクは下処理段階でしっかり取れているので、このときはほとんど出ないはず! もしアクが出てきたら、ここで取っておきましょう。なお、鍋ではなく深めのフライパンを使ってもOKです」

(3)本みりんと砂糖を入れる

塩分が入っていない本みりんと砂糖を加え、全体をなじませます。

「今回はきび砂糖を使いましたが、お好みのものでOKです。甘さ控えめなら大さじ2、こってり甘い味付けがお好みなら大さじ3入れましょう。ここでは甘味をしっかり入れることが大切。塩分が入っていなくて甘味が濃い本みりんを使うのもそのためです」

(4)具を入れて再沸騰させ、さらに煮る

次に、茹でこぼしておいたこんにゃくを入れて全体を混ぜます。鍋全体がフツフツと再沸騰したのを確認したら、少しずらしてフタをし、さらに15分煮ます。

「今回はシンプルにこんにゃくのみですが、大根、人参、ごぼうなどを加えるのもおいしいですよね。他にも具材をプラスしたい場合は、このタイミングで入れてください。

なお、煮ている間に水分が減っていきます。水がなくなりかけていたら途中で足してあげましょう」

(5)しょうゆを加え、煮る

ここで、ようやくしょうゆを加えます。

「しょうゆの分量は大さじ3だけ! 下処理でしっかり酒煎りし、甘味を食材に入れてから最後に塩味を加えるのが、少量の調味料でもコクうまな味わいとなる秘訣。短時間でおいしく仕上げるためにも、調味料を入れる順番は必ず守ってくださいね。

ちなみに、しょうゆの代わりに大さじ3ほどの味噌を入れると味噌煮込みになりますよ。お好きな方でどうぞ」

全体をなじませたら、フタをせずに10分ほど煮ていきます。

「ここでもう1つポイントなのが、水分を完全になくさないこと。鍋底にうっすら残るくらい(写真参照)は残しておいてくださいね」

(6)いったん冷まし、温め直したらできあがり!

いったん冷ましてから、鍋で温め直します。お好みで小口切りした青ねぎをたっぷりのせたら、できあがり! 冷蔵で4~5日以内を目安に食べ切りましょう。

「(5)の時点でひとまず完成なのですが、一度火を止めて、完全に冷ましてから温め直したものが最高においしんです! 先ほど少し水分を残したのはこの再加熱のため。ひと手間ではありますが、極上の味わいとなるのでぜひやってみてくださいね」

 

プルプルな牛すじをひと噛みすると、たっぷり染み込んだ煮汁がジュワ~っと口に溢れました。しょうゆのこっくりとした味わいがしっかり染みているのに決して濃すぎず、甘さもしつこくないという絶妙な味付け! もちろん、臭みなどは一切ありません。こんにゃくもプリプリ!

これはごはんが進みます。スタッフ一同、「お、おいしい~!!」と感動しながらいただきました。

「ご紹介したのは、我が家定番の味付けです。調味料を入れる順番さえ守れば、少量の調味料でも雑味のないおいしい牛すじ煮込みが作れますよ。コトコト煮込んでいるときの香りもごちそうですから、ぜひおうちで作ってみてくださいね」

家族に愛される牛すじ煮込み。心も体も温まりたいこの冬に、ぜひ試してみてくださいね。


 

【取材協力】

沼津りえ

料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『55分焼きたてパン 粉100gの食べきりレシピ。手も道具も汚さずパパッとかんたん』(主婦の友社)、『米粉があれば!パンもおかずもおやつも極上』(主婦の友社)、『母から娘に伝えるはじめてのLINEレシピ』(ART NEXT)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu  YouTube  管理栄養士  沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」

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