甘酒を使った即席レシピで漬け込みも簡単!
null塩漬けした大根を、米こうじと砂糖などで漬け込む「べったら漬け」は、ほんのり甘いのが特徴。なんとなく味の濃いものを食べがちな寒い時季にぴったりな箸休めです。
「とはいえ、米こうじそのものを扱うのはちょっとハードルが高い……ということで、甘酒を使ってのお手軽レシピをご紹介します。
甘酒は“飲む点滴”と呼ばれるほど栄養豊富でとっても体にいい発酵食品です。大根と甘酒の“自然な甘さ”をぜひ味わってみてください」(以下「」内、沼津さん)
なお今回使ったのは、お米と米こうじで作られるアルコールを含まない甘酒。そのまま飲めるストレートタイプと、希釈させる濃縮タイプとありますが、今回は2倍に薄める濃縮タイプを使っています。
【材料】(作りやすい分量)
大根(甘みがある葉の方を使用)・・・1/3本(約400g)
塩・・・小さじ2
甘酒(濃縮タイプ)・・・大さじ3
【用意するもの】
ポリ袋・・・1枚
ちなみに、沼津さんのおすすめのポリ袋は、業務用スーパーで購入できる『ポリエチレン袋12号』(0.025×230×340mm)。「適度な厚みがあって、使いやすい大きさ」と、沼津さんのイチオシです。
【作り方】
(1)大根を切る
大根の葉がついた方の上から1/3ほどを包丁で切ります。葉を落とし、皮をむいてから、いちょう切りにしましょう。まず縦4等分にし、切り口を下にしてから、7~8mm幅に切ります。
「大根は、辛みが少なく甘みが強い上部を使っていきますよ。今回はいちょう切りにしましたが、拍子切りなどお好みの切り方でOKです」
(2)ポリ袋に大根を入れて塩揉みする
切った大根をポリ袋に入れ、塩を振って全体がなじむように揉み込みます。
「“食材200g:塩小さじ1”という比率を覚えておくと便利ですよ。なお、ポリ袋を使うと、ギュッと圧をかけながら揉み込むことができ、塩が早くなじむので時短に!」
全体がよくなじんだら、空気を抜きつつ袋の口を簡単に閉じ、10分ほど休ませます。
(3)水分をよく絞る
10分ほどして水分が出てきたのを確認したら、袋の口を開けて、ポリ袋越しに大根をギュッと絞りながら水分を捨てます。
「せっかくの塩分が洗い流されてしまうため、水洗いは不要です。ここでしっかりと余分な水分を出し切って、大根の甘さを引き出しましょう」
(4)甘酒で1時間以上漬ける
水気を切った大根を保存容器に入れ、甘酒を回しかけたら全体を混ぜてなじませます。
ラップを落し蓋のようにかぶせ、冷蔵庫で1時間以上漬け込みます。
「重しは必要ありません。落し蓋のようにラップをすることで漬け汁がしっかりあがってきて、味が染み込みやすくなりますよ」
(5)できあがり!
全体に味がなじんだら完成です! 冷蔵で2~3日を目安に食べ切ってください。
食べてみると、漬け物なのにまったく塩辛くなく、ホッとするような優しい甘さに頬が落ちました! 料理でお砂糖代わりにも使えるという甘酒は、自然由来の甘さでくどくなく、ほのかな塩分とお互いに引き立て合っています。
また、旬の大根は甘みがあってみずみずしく、それでいてパリパリとした食感も楽しめました。“滋味深い味わい”ってこういうことなんだなぁ、としみじみ堪能できる一品です。
「刻み柚子を入れて香りを加えるのもいいですね」と沼津さん。上品な味わいになること間違いなしです。
そのお手軽さと味わいがすっかり気に入った筆者は、鷹の爪を入れてみたり、あえて辛みのある大根の下部で作ってみたりして、ピリリと辛みの利いた大人味でも楽しんでいます。
漬け物が好きなのでつい食べ過ぎてしまうこともあるのですが、これなら罪悪感が少ないというのもリピートしている理由かも(笑)。
箸休めのはずが箸が休まらない……!となるおいしさを、ぜひ味わってみてください。
【取材協力】
沼津りえ
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『55分焼きたてパン 粉100gの食べきりレシピ。手も道具も汚さずパパッとかんたん』(主婦の友社)、『米粉があれば!パンもおかずもおやつも極上』(主婦の友社)、『母から娘に伝えるはじめてのLINEレシピ』(ART NEXT)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu YouTube 管理栄養士 沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」