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手作り「かぼちゃプリン」は濃厚&お店クオリティのなめらかさ!ほろ苦カラメルと一緒に【沼津りえの季節の手仕事#24】

季節の移ろいを感じながら、作る過程を楽しみたい「季節の手仕事」。旬の恵みを存分に味わう逸品を料理研究家・沼津りえさんが丁寧に解説します。

今回はかぼちゃを使ったプリンを紹介します。かぼちゃと卵と牛乳でシンプルに作るので、かぼちゃのおいしさが際立つスイーツです。なめらかな食感に仕上がるよう、丁寧な手仕事も楽しんでみてください。

しっとりなめらかな食感がうれしいご褒美プリン

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お菓子作りも得意な沼津さんに、今回は秋に作りたい「かぼちゃプリン」をリクエスト! カラメル作りから、フライパンで蒸し上げる方法まで、懇切に教えてもらいました。

「プリン作りは少し手間はかかりますが、使う材料は至ってシンプル。卵と牛乳と砂糖があればOKです。今回はここにかぼちゃを加えます。かぼちゃが温かいうちによく潰して、丁寧に漉せば、お店のようななめらかな食感に仕上がりますよ」(以下「」内、沼津さん)

動画にはおいしく作るポイントが満載! 早速、チェックしてみましょう。

【材料】(プリンカップ110ml 5〜6個分)

かぼちゃ・・・150g(正味)

(常温に戻したもの)・・・3個

砂糖・・・40g

牛乳・・・300ml

バニラエッセンス・・・2〜3滴(あれば)

 

[カラメル]

グラニュー糖・・・大さじ4

水・・・大さじ1

湯・・・大さじ1

【作り方】

(1)カラメルを作る

フライパン(直径20cmくらいがおすすめ)にグラニュー糖と水を入れ、中火にかけ、このまま沸騰するまで混ぜずに待ちます。

「ここで混ぜるとグラニュー糖が結晶化して、ザラザラした食感のカラメルになってしまいます。なので、沸騰するまでじっと我慢!」

泡の音が小さくなり、沸騰して周りが茶色くなってきたら、フライパンをゆすります。煙が上がって泡が細かくなってきたら火を止め、湯を加えて温度の上昇を止めてください。

「カラメルは火が通りすぎてしまうと焦げて苦くなってしまうので、湯を入れて、これ以上火が通ることを防ぎましょう。湯を入れる時にハネやすいので、火を止めてから入れてください。今回のようにほろ苦い大人味に仕上げたい時は、加熱時間を長くするとビターなカラメルになりますよ」

カラメルは冷めると固まるので、熱いうちにプリンカップに注いでおきましょう。

(2)かぼちゃを加熱して潰す

かぼちゃは種を取り、耐熱容器に入れ、ラップをして600Wの電子レンジで4分加熱します。竹串を刺してスーッと通ればOKです。かぼちゃの大きさによって、加熱時間は調整してください。

粗熱が取れたら、まだ熱いうちに5cm幅くらいに切って皮を削ぎ落とします。ボウルにかぼちゃの黄色い部分だけを入れ、ヘラで押さえつけるようにして、できるだけ細かく潰してください。

「かぼちゃは冷えると潰すのが大変。熱さが残っているうちに潰した方がなめらかに仕上がります。皮は捨てずに、プリンのトッピングやかりんとうにするといいですよ!」

(3)卵液を作る

卵を割りほぐし、砂糖を半量(20g)入れ、泡立てずにすり混ぜるようにして、砂糖と卵をゆっくりなじませます。残りの砂糖は牛乳に入れるので、そのまま置いておきます。

(4)かぼちゃに卵液を混ぜる

かぼちゃの入ったボウルに少しずつ卵液を入れて混ぜ合わせます。

「卵液を一度に入れるとなめらかになりにくいので、少量ずつ分けて入れ、これを何回か繰り返し行ってください」

(5)牛乳を温める

鍋に牛乳と残りの砂糖(20g)を入れて混ぜ合わせ、砂糖がなじんだら中火にかけます。沸騰直前まで温め、ふつふつしてきたら火を止めてください。

「牛乳は加熱すると膜が張りやすいですが、砂糖を加えることで膜が張りにくくなります。砂糖を加えるとゆっくり沸騰させる効果もあるので、吹きこぼれにくくなります」

(6)かぼちゃ入りの卵液に牛乳を混ぜる

かぼちゃ入りの卵液に温めた牛乳をゆっくり注ぎ、少量ずつなじませます。泡立てずに、優しく混ぜるイメージです。

「卵は65℃以上で固まってしまうので、一度にドバッと入れると卵が固まり、なめらかな食感になりません。牛乳はゆっくり注いでくださいね」

(7)ザルで漉す

舌触りをよくするためにザルで漉します。卵黄と卵白が分離しないよう、ゆっくり混ぜながら漉しましょう。できたら2回漉すのがおすすめです。

「かぼちゃは熱いうちにしっかり潰しておけば、ここで漉す作業がスムーズに。丁寧に漉すと、お店のような極上プリンに仕上がりますよ!

また、温度もなめらかに仕上げる大事なポイント。ボウルを触った時にお風呂より温かいくらいがベストなので、温かいうちに手早く行うよう心掛けてください。卵は常温に戻しておき、沸騰直前の牛乳と混ぜると大体50℃くらいになります。冷たくなりすぎたら湯煎などで温めて、この温度をキープしながら作業してくださいね」

(8)プリンカップに注ぐ

なめらかになったプリン液にバニラエッセンスを2〜3滴加えたら、注ぎ口のある容器に移し、プリンカップに注ぎます。一気に注ぐと、熱でカラメルが凹んでしまう場合もあるので、スプーンに当てながら優しく注ぎ入れてください。

(9)フライパンで蒸し上げる

フライパンに水適量(分量外)を高さ1.5〜2cmほどまで入れ、ふつふつと沸騰が始まったら底にペーパーを入れます。この上にプリンカップをのせると、プリンカップが動きにくくなります。

プリン液の表面に細かい気泡がある場合は、泡を潰して表面をなめらかに整えてから、ペーパーの上にプリンカップを並べます。さらにもう1枚、並べたプリンカップの上にペーパーをかけてからふたをします。

この状態で弱火にかけ、10分ほど加熱します。途中で一度カップの中身をチェックして、ゆるかったら加熱を続けてください。ゆすっても動かず、しっかり火が通ったら完成です!

「今回は12分頃にチェックをしましたが、まだ少しゆるかったので、さらに3分加熱(計15分)したところ、いい感じに固まりました! ガス台の火力やフライパンの大きさにもよるので、加熱時間はその都度調整してください。

この時に、ホイルなどでふたをすると外すのが面倒ですが、ペーパーだとラクに中身をチェックできます。ペーパーは燃えないよう、しっかりフライパンのふたの中に入れてくださいね」

(10)ふたをして10分蒸らす

プリンが固まったら、そのままペーパーをかけてふたをし、10分ほど蒸らします。

(11)水を張ったバットに入れて、粗熱を取る

熱いので火傷に注意しながら、プリンカップを取り出し、水を張ったバットに入れ、粗熱を取ります。保冷剤などを入れて、急速に冷やしてください。

「プリンがまだ熱いので水に入れるだけだと、すぐに温かくなってしまうため、保冷剤を使うのがおすすめ。これ以上、熱が入るのを防ぐことで、なめらかな食感をキープできます」

(12)冷蔵庫で冷やす

粗熱が取れたら、冷蔵庫で半日ほど置いて、味をなじませます。

(13)できあがり!

できあがったら、好みでかぼちゃの皮をトッピングすると、まるでお店のような仕上がりに! 冷蔵で2日を目安に食べ切ってください。

ひと口食べてみると、お店のようになめらかな食感! ホクホクしたかぼちゃの甘さが活きていて、ほっこりした味わいです。下からカラメルソースが顔を覗かせると、ほろ苦さが加わって、ちょっと大人なビターな味に。市販のプリンとはひと味違った手作りならではのホッとする優しい味わいです。

「かぼちゃを入れなければ、普通のプリンになるので、ぜひこの作り方を覚えておいてください。やはりお菓子作りは、いつもの料理に比べてちょっと手間はかかりますが、手作りでしか味わえないおいしさがありますよね。ぜひこの過程も楽しんでくださいね」

丁寧に作るからこそ生まれるおいしさが、かぼちゃプリンのなめらかな口当たりから伝わってきました。もうすぐハロウィン、ぜひ家族みんなで楽しんでみてください。

取材・文/岸綾香

沼津りえ
沼津りえ

料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『マンガでわかった! ラクしておいしい作りおき』(主婦の友社)、『からだとこころがととのう滋養菓子』(日東書院本社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu  YouTube  管理栄養士  沼津りえの「阿佐ヶ谷夫婦チャンネル」

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