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のこしていきたい母の味「なすとピーマンの鍋しぎ」【93歳・登紀子ばぁばの愛情たっぷりごはん】#4

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今回は、“ばぁば”こと、日本料理研究家・鈴木登紀子さんが結婚以来70年以上作り続けている「なすとピーマンの鍋しぎ」を紹介します。

「お料理は結局、家族を思う心が何よりの隠し味。子育てと一緒ね」。“ばぁば”の愛称で親しまれる、現役最高齢の日本料理研究家・鈴木登紀子さん(93)。今も月に1度、10日間連続で料理教室を主宰、約3時間にわたって、軽妙洒脱なおしゃべりとともに季節の家庭料理を指導しています。

ばぁばのお稽古は、旬の月替わり献立を支度するばぁばを生徒さんが囲んで、軽妙な語りとともに目の前で“観賞”。その後、出来たてのお料理を順にいただくというもの。そんなばぁばの手仕事をノーカットでお届けします。ぜひ、気分は“ばぁばのお稽古!”で、ばぁばが母・お千代さん直伝の料理をアレンジした滋味深いおふくろの味にトライしてみてください。

こっくりと懐かしい「なすとピーマンの鍋しぎ」

「深みのある艶やかな紺色のことを“なす紺”と呼びます。あれはまさしくなすの美しい色を描写したもの。季節ごとに大地と太陽が作り出だす色彩にはほとほと感心するのですが、とくになすにはしっとりとした高貴な輝きを感じます。

『なすとピーマンの鍋しぎ』は、私がお料理を学んだ母・お千代さんが、なすが出回る時期になると好んで作っていた『なすの鍋しぎ』をもとに、ピーマンを加えて私がアレンジしたものです。

“しぎ”とは、おみそをつけて焼くお料理のこと。七輪があった昔、母は串になすを刺しておみそをつけ、あぶり焼きにしておりました。

なすはアク抜きしなくてよいですよ。水気があると油で炒める時にものすごくはねますから、基本的に油で調理する際は、なすを水に放す必要はありません。かたく絞った布巾で表面の汚れをさっと拭けば十分です。ピーマンもついでに拭いておきましょうね。

そうそう、今年は台風の影響でお野菜が高騰し、なすもたいそう高くなっておりますが、色が悪かったり、傷があったり、あるいは曲がっていたりする、いわゆる“規格外”のなすを、ちょっと手入れをして使ってもよろしいのよ。お味は一緒なんですもの。油とおみそがちゃんと隠したいところを隠してくれますから大丈夫(笑い)。

それから、ピーマンの種とわたを取る時ですが、白いところが残らないように、わたは丁寧に取り除いてくださいね。あそこが残っていると雑味も残り、風味がとても悪くなります。また、“乱切り”とはめちゃくちゃに切るという意味ではありませんよ。目裁量でよいですから、それなりになすとピーマンの大きさを揃えて切ってくださいね」

RECEIPE

なすとピーマンの鍋しぎ

【材料】(約4人分)

なす 4本

ピーマン 3個

ごま油 大さじ4

だし 大さじ5(炒め煮用に大さじ3、八丁みそを溶く用に大さじ2)

酒・砂糖 各大さじ3

みりん 大さじ2

しょうゆ 大さじ1

八丁みそ 大さじ3

七味唐辛子 適量

 

【作り方】

(1)なすとピーマンはへたを落として縦2つに切り、ピーマンは種とわたを除いて、食べよい大きさの乱切りにする。

(2)フライパンにごま油を熱してなすを入れ、中火でよく炒める。油がなじんだら、だし大さじ3、酒、砂糖、みりん、しょうゆを加えて弱めの中火で炒め煮にする。

(3)なすがやわらかくなったらピーマンを加えてさっと混ぜ、だし大さじ2で溶いた八丁みそを入れ、強火にしてなすとピーマンに絡ませる。

(4)できあがったら器に盛り、七味唐辛子をふる。

 

PROFILE

鈴木登紀子(すずきときこ)

日本料理研究家。1923年11月に青森県八戸市に生まれる。46才で料理研究家としてデビュー。東京・武蔵野市の自宅で料理教室を主宰するかたわら、テレビ、雑誌等で広く活躍。『きょうの料理』(NHK・Eテレ)への出演は、50年近くになる。『ばぁば92年目の隠し味』(小学館)はじめ著書多数。

 

【ばぁばのレシピはこちらからも】

ばぁば 92年目の隠し味 幸せを呼ぶ人生レシピ [ 鈴木 登紀子 ]

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