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「えびと三つ葉のかき揚げ」のこしていきたい母の味【93歳・登紀子ばぁばの愛情たっぷりごはん】#3

今回は、おそうめんとよく合う「えびと三つ葉のかき揚げ」をご紹介します。

「お料理は結局、家族を思う心が何よりの隠し味。子育てと一緒ね」。“ばぁば”の愛称で親しまれる、現役最高齢の日本料理研究家・鈴木登紀子さん(93)。今も月に1度、10日間連続で料理教室を主宰、約3時間にわたって、軽妙洒脱なおしゃべりとともに季節の家庭料理を指導しています。

ばぁばのお稽古は、旬の月替わり献立を支度するばぁばを生徒さんが囲んで、軽妙な語りとともに目の前で“観賞”。その後、出来たてのお料理を順にいただくというもの。そんなばぁばの手仕事をノーカットでお届けします。ぜひ、気分は“ばぁばのお稽古!”で、一緒においしいお料理を作ってみてください。

サクッと腹持ちも抜群「えびと三つ葉のかき揚げ」

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「おそうめんだけではもの足りない……という時には、精進揚げ(野菜の天ぷら)やかき揚げがおすすめです。腹持ちよく、栄養も補えます。

よく、揚げものは『カラッと揚がらないから苦手』『台所が汚れるから作りたくない』という声を聞きますが、これはね、ばぁばが単純明快な解決法をお教えしましょう。

カラッと揚がらないのは、まずお粉のつけすぎが考えられます。“過ぎたるは及ばざるが如し”で、お化粧も“厚化粧”と言いますでしょう?どちらもいただけないわね(笑)。

天ぷらやかき揚げの場合は、まず小麦粉をまぶして下地をつけ、その後に衣を絡ませるわけですが、この時も、薄化粧を心がけるんですよ。衣はあくまで“纏う”あるいは“羽織る”もの。着込むものではありませんからね。唐揚げなども然りで、必ずポンポンと手で余分なお粉をはたいてから揚げ油に落とすのですよ。

次に、台所を汚さないためには、油のハネを想定してあらかじめ床に新聞紙を敷いて、お座敷を作っておけばよろしいの。レンジ周りの油は、調理後、油が温かいうちにティッシュ(街頭で配っているものをストックしておくの)やキッチンペーパーなどで拭きとり、その後さっと水拭きすれば、汚れは残りません。

家庭で“揚げたて”をいただけるのは嬉しいこと。いつものおそうめんに、サクッとおいしいかき揚げを添えて、ご家族を幸せにしてあげてくださいな」

RECEIPE

かきあげ

【材料】(4人分)

さいまきえび(小ぶりの車えび) 12尾

三つ葉 100g

小麦粉 小さじ4

揚げ油 適量

<衣>

卵 1個

冷水 1カップ

小麦粉 1カップ

氷 少量

 

【作り方】

(1)さいまきえびは背わたを除き、殻をむく。三つ葉は2cm長さに切る。

(2)衣を作る。軽量カップに卵を割り入れて冷水を加え、合わせて1カップにする。大きめのボウルに移して太めの菜箸で白身をつまみ上げてよく切り、溶きほぐす。ふるった小麦粉と氷を加え、ざっくりと混ぜる。

(3)飯茶碗程度の小さいボウルか小鉢にえびと三つ葉を4等分して入れ、それぞれに小麦粉を軽くふって小さいお玉などで混ぜ合わせ、(2)を大さじ3〜4ずつ加える。手早く混ぜて、中温(170〜180℃)に熱した揚げ油に静かに落とす。

(4)三つ葉が散らないように菜箸で寄せてしばらく押さえ、一度返してすぐに油を切る。

 

これで出来上がりです。

おいしいめんつゆと、おそうめんのゆで方については、前回の記事と下の動画を参考にしてください。

次回は、ばぁばの母・おちよさんの十八番「ピーマンとなすの鍋しぎ」をご紹介します。

PROFILE

鈴木登紀子(すずきときこ)

日本料理研究家。1923年11月に青森県八戸市に生まれる。46才で料理研究家としてデビュー。東京・武蔵野市の自宅で料理教室を主宰するかたわら、テレビ、雑誌等で広く活躍。『きょうの料理』(NHK・Eテレ)への出演は、50年近くになる。『ばぁば92年目の隠し味』(小学館)はじめ著書多数。

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