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口いっぱいに広がる甘味と旨味!極上「新玉ねぎの丸ごとスープ」【プロが教えるおうちイタリアン#19】

東京都千駄ヶ谷にある隠れ家的イタリア料理店『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ・小野宗隆さんに、おうちで楽しむイタリア料理を教えてもらう連載企画。

今回は、旬の「新玉ねぎ」を使った滋味深いスープを紹介します。新玉ねぎはゴロッと丸ごと使うので、ビジュアルもインパクト大! 難しそうに見えますが、実はお鍋にお任せでとっても簡単。甘味と旨味をじっくり抽出した極上スープに仕上がります。

弱火でじっくり加熱して、甘味と旨味を引き出す

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春のごほうび、新たまねぎ。白くてつややかな新玉ねぎは、辛味が少なく、やわらかなシャキッとした食感が魅力的。オニオンスライスなど生で食べるのもいいですが、今回は簡単でおいしいスープの作り方を教えてもらいました。

「玉ねぎはそのまま食べると辛味が強い野菜ですが、加熱することで奥深い甘味と旨味が出るのが特徴。洋食ではベースに玉ねぎを使うことが多いですね。

しかしながら、ただ加熱したのではダメ。たとえば電子レンジを使えば、早く火が通り時短になりますが、それでは玉ねぎの甘味や旨味は充分に引き出せません。今回は弱火でじっくり煮込むのがポイント。時間はかかりますが、材料を鍋に入れたらあとはほったらかしでOK! 鍋にお任せで、お店で食べるような至福のスープができあがりますよ」(以下「」内、小野さん)。

【材料】(4人分)

新玉ねぎ・・・4個(1kg)

ベーコン(ブロック)・・・100g

にんにく・・・1片

オリーブオイル・・・大さじ1

水・・・1L

コンソメ(顆粒)・・・大さじ1

ローリエ・・・1枚

パセリ・・・適量

【作り方】

(1)新玉ねぎを切る

新玉ねぎは皮を薄くむき、芯は取らず、先端だけ切り落とします。こうすると煮込んでもバラバラにならないそう。

中まで味を染み込ませるために、上下に十字に切り込みを入れます。あまり深く切り込みを入れると崩れやすいので最小限に。

(2)ベーコンを切り、にんにくを潰す

ベーコンは5mm幅に切り、にんにくは手で潰します。

(3)ベーコンを炒める

鍋にベーコン、にんにく、オリーブオイルを入れ、ベーコンに香ばしい焼き色が付くまで強めの中火で炒めます。

(4)極弱火で40分ほど煮る

ベーコンが色付いたら、玉ねぎ、水、コンソメ、ローリエを入れ、沸騰するまで強火で加熱します。沸騰したら落としぶたをして、極弱火で40分ほど煮込みます。

「アルミ箔で落としぶたを作ります。沸騰後は、少し沸いているくらいの弱火にするのがポイント。レンジで調理すると時間は早いですが、甘味を引き出せないので、根気よくじっくり煮込んでいきましょう」

(5)できあがり!

40分経ったら、器に盛り、刻んだパセリを振ったら完成です。

皿の中にドンと丸ごと鎮座する新玉ねぎが、キラキラ透き通って美しく、豪華な見た目にテンションも上がります。スプーンを差してみると、スッと軽い力で崩れ、驚くほどやわらかくてビックリ!

スープを口に運ぶと、奥深い甘味と旨味がふわ〜っと口いっぱいに広がります。玉ねぎってこんなに甘かったんだ……としみじみ。もう一杯、もう一杯とスプーンが止まらないおいしさです。

「新玉ねぎがないときは、普通の玉ねぎでも問題なく作れます。丸ごと煮込むので時間はかかるのですが、作り方は簡単なので、リモートワークの合間などに仕込んでおくと便利ですよ」

早速作ってみたところ、本当に簡単! 材料がシンプルなので、切る食材も少なく、調味も手軽。なんとこのレシピ、塩も使っていないんです。鍋に入れておくだけでおうちで手軽に極上スープができました。丸ごといただく特別感があり、お店に来たようなリッチな気分を味わえて、う〜ん、幸せ!

ぜひ新たまねぎがおいしい季節に試してみてくださいね。

次回は、春が旬の「あさり」を使ったパスタを紹介します。

 

取材・文/岸綾香

【取材協力】

小野宗隆

軽井沢高原野菜、提携農家の産直有機野菜、無農薬野菜などを中心に使用する洋食店『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ。イタリア料理、フランス料理を中心に料理長としてのキャリアを積み上げ、店舗立ち上げやメニュー開発などを多数経験。ソムリエの資格も持つ。kufuraの動画『プロが教える本格パスタレシピ』も人気。

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