バターとオリーブオイルのW使いなら焦げにくい!
null料理の基本でもある「ムニエル」は、粉をはたいて焼くだけと、とってもシンプルですが、それゆえバターで粉が焦げてしまったり、失敗しがちな料理でもあります。そこで、焦がさず上手に火を通す方法を小野さんに聞きました。
「バターだけだと焦げやすいので、オリーブオイルを半分混ぜるといいですよ。オリーブオイルを加えると、焦げづらくなるうえ、オリーブオイルの風味も加わって、より豊かな味わいになります。泡立ったバターをかけながら焼くと、皮もパリッと香ばしく仕上がるんです。
さらに、強火で焼くと焦げやすいので弱火でじっくり焼き、ふたをして中まで火を入れます。ふたをして蒸し焼きにするので、中はふっくら仕上がりますよ」(以下「」内、小野さん)
バターとオリーブオイルのいいとこどりで、これなら上手に焼けそうですね! 早速、作り方を見てみましょう。
【材料】(2人分)
サーモン・・・2切れ(150g×2)
塩・・・適量
こしょう・・・適量
薄力粉・・・適量
バター・・・30g
オリーブオイル・・・大さじ2
玉ねぎ・・・1/4個
トマト・・・1個
にんにく(すりおろし)・・・小さじ1
白ワインビネガー・・・大さじ2
パセリ・・・適量
【作り方】
(1)サーモンに薄力粉をまぶす
サーモンの両面に強めに塩、こしょうを振り、薄力粉を全面に薄くまぶします。
(2)バターを溶かして、サーモンを入れる
温めたフライパンにバターとオリーブオイルを半量ずつ入れ、バターが溶けてきたら、サーモンの余分な薄力粉をはたいて、皮目から入れます。
「オリーブオイルを入れると、焦げにくくなり風味も豊かになります。分量は1:1がおすすめ。粉が多すぎると焦げやすいので、よくはたいて余分な粉を落としてください」
(3)弱火で3分ほど焼く
焼くときの火加減もポイント。「強火だとバターが焦げるので、弱火でじっくり焼いて」と小野さん。
ベストな火加減は、バターがふつふつと泡立つくらい。バターの泡をサーモンに回しかけながら焼きつけます。最初はいじらず、皮の下に油を回しながら、弱火で3分ほど焼きましょう。
サーモンの下部分1/3くらいまで火が通ったら、ひっくり返します。
(4)ふたをして弱火で6分ほど焼く
ひっくり返したら、弱火のままふたをして、6分ほどじっくり焼きます。
「ふたをすると早く火が通り、中がふっくら仕上がりますよ」
(5)玉ねぎ、トマトを切る
焼いている間にソースの材料を切りましょう。玉ねぎはみじん切りに、トマトは1cmの角切りにします。
(6)バターをかけながら焼く
仕上げにスプーンでバターをかけながら、バターの風味をサーモンにたっぷりまとわせます。
「火が強いと泡が消えてなくなってしまいます。泡が消えないくらいの弱火で焼くと、風味も飛ばず上手に仕上がります」
ふたをして蒸し焼きにしたので、皮が水分を含んでいるため、仕上げに皮を焼いてパリッと仕上げます。
サーモンの横を触って弾力がしっかりあり、皮を触ってパリッとしていればOKです。油を切って、皿に取り出してください。
(7)ソースを作る
サーモンが焼き上がったら同じフライパンでソースを作りましょう。
サーモンを焼いたフライパンに、すりおろしたにんにく、トマト、玉ねぎを入れます。塩、こしょう各少量(分量外)を振り、さっと軽く火を通します。
白ワインビネガー(酢やレモン汁でも◎)、刻んだパセリを入れたら、パセリの風味が飛ばないよう、すぐに火を止めてください。味見をして、必要なら塩、こしょうで味を調えたらOKです。
(8)できあがり!
皿にサーモンを盛りつけ、葉野菜やレモン(分量外)を添え、ソースをたっぷりかけたら完成です。
食べてみると、皮はパリパリなのに、中はしっとりふっくら! バターをかけながらじっくり焼いているので、バターがサーモンに濃厚に絡んで、たまらないおいしさです。パリッとした皮とふわふわの身、食感のコントラストも絶妙で、さらにさっぱりと酸味の効いたソースが相性抜群。レモンをぎゅっと搾って食べてもいいですね。
秋鮭が旬の季節なら、生鮭で作るのもおすすめ。ソースを作るのが面倒な場合は、しょうゆを少しかけてバターじょうゆ風味にしてもおいしそう。この機会に焼き方のコツを、ぜひマスターしてみてくださいね。
次回は、濃厚激ウマな「きのこクリームパスタ」を紹介します。
【取材協力】
小野宗隆
軽井沢高原野菜、提携農家の産直有機野菜、無農薬野菜などを中心に使用する洋食店『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ。イタリア料理、フランス料理を中心に料理長としてのキャリアを積み上げ、店舗立ち上げやメニュー開発などを多数経験。ソムリエの資格も持つ。kufuraの動画『プロが教える本格パスタレシピ』も人気。
取材・文/岸綾香