もっちりした米はNG!さっぱりした味わいの米が◎
null自宅でお店のような、ほどよく芯の残った絶妙な食感のおいしいリゾットを作れたら嬉しいですよね。小野さんに聞いてみたところ、使うお米を気をつければ、おうちでもお店のような味に仕上がるとのこと。
「イタリアでは、米は基本サラダなどに使うもの。そのため、日本のように“もっちり”した米はそもそもあまりありません。なので、リゾットを作る時もサラダに使うようなパサついた乾いた米を使います。その方がリゾットには好相性なんですね。
おうちで作るならコシヒカリやミルキークイーンなど、もちもちした米は使わないのがポイント。あきたこまちやササニシキなど、さっぱりした味の米の方がリゾットには向いています。無洗米もOKです。
あと大切なのは、水を吸わせすぎないこと。米は基本、水を吸うだけ吸ってしまうので、煮すぎるとドロドロのおかゆのようになってしまいます。水をあまり吸わないように、最初に米を玉ねぎと一緒に炒めて油でコーティングするのが大事。ふたをせず開けたままゆでることで、蒸す工程がないため、ほどよい芯が残って絶妙な食感に仕上がりますよ」(以下「」内、小野さん)
そもそも日本とイタリアでは米の食べ方が違うので、日本で作るならリゾットに合った米の品種を選ぶことが大切なんですね。早速、作り方を見てみましょう!
【材料】(2人分)
水・・・270ml
チキンコンソメ(粉末)・・・小さじ1
ローリエ・・・1枚
玉ねぎ(みじん切り)・・・大さじ1
オリーブオイル・・・大さじ1
米・・・1/2合(90ml)
粉チーズ・・・20g(味付け用10g、パリパリチーズ用10g)
塩・・・小さじ1/2
バター・・・大さじ1
粗挽き黒こしょう・・・少量
【作り方】
(1)米を煮るスープを作る
小さめの鍋に水を入れ、強火にかけ、チキンコンソメとローリエを入れます。
「水は使う米の3倍の量が目安です。今回は1/2合の米を使うので、90ml×3倍で270mlの水を使います」
(2)玉ねぎと米を炒める
別の小さめの鍋に玉ねぎのみじん切りを入れ、中火にかけ、オリーブオイルを入れます。米は洗わずにそのまま投入! シューッと音がしてきたら、玉ねぎが焦げないよう弱火にして炒めましょう。2〜3分炒めて、米が透き通ってきたら火を止めます。
「今回、米はあきたこまちなど数種類の米をブレンドしています。米を炒めて表面を油でコーティングすることで、米が水を吸いすぎるのを防げます」
(3)米にスープを加えて煮る
スープが沸騰したらローリエを取り出し、米を炒めている鍋にスープを加え、弱火にして15分煮ます。
(4)パリパリチーズを作る
米を煮ている間に、トッピング用のパリパリチーズを作りましょう。フライパンを強火で熱し、粉チーズを全面に薄く広げ、ふつふつしてきたら弱火にします。うっすら色づいてきたら火を止め、そのまま置いて冷ましてください。
「これはイタリアの伝統料理の牛肉のカルパッチョなどによく添えます。その場合はパルミジャーノ・レッジャーノで作るのですが、今回は手頃な粉チーズを使いました。ピザ用のミックスチーズではパリパリにならないので、粉チーズで作ってくださいね。
チーズは焦げると苦くなるので注意して。冷めると固まるので、それをパリパリ折ってリゾットに刺すと、見た目がグンとお店っぽくなります。これだけでおつまみにしても最高ですよ」
(5)味付けをする
リゾットに水大さじ1(分量外)を加えて硬さを調整したら、塩、粉チーズ、バターを入れ、全体を混ぜます。味見をして、必要なら塩・こしょう各少量(分量外)で味を調えてください。
「加熱しすぎると米がドロドロになるので、ここからは素早く仕上げてください。今回は粉チーズとバターでシンプルに味付けしましたが、この段階できのこなどを追加したり、トマト味にしたり、好みの味に調整できます。
チーズは今回は粉チーズを使いましたが、ゴルゴンゾーラを入れたり、プロセスチーズを刻んで入れたりしてもおいしいですよ」
(6)盛りつける
皿にリゾットを盛り付けたら、皿の底をトントン叩き、リゾットを平らに整えましょう。パリパリチーズを割って、リゾットに刺してトッピングし、粗挽き黒こしょうを振ったら完成です!
(7)できあがり!
まず、ビジュアルが華やかでスタッフ一同うっとり……思わずテンションが上がります! おうちでこれが出てきたら嬉しいですね。ひと口食べてみると、お米にほどよく芯が残っていて、アルデンテのような食感。コンソメスープが利いたリゾットにチーズが優しく香り、こってりしすぎてなくて思ったよりも軽やか。サラサラ食べられてしまいます。さらに、パリパリのチーズがいいアクセントに。
自宅でこのリゾットを作れたら、家族から一目置かれそう。ワインに合わせてもぴったりなので、ぜひおうちで試してみてくださいね!
次回は、ぜひ知っておきたい「シーザーサラダ」の作り方を紹介します。
【取材協力】
小野宗隆
軽井沢高原野菜、提携農家の産直有機野菜、無農薬野菜などを中心に使用する洋食店『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ。イタリア料理、フランス料理を中心に料理長としてのキャリアを積み上げ、店舗立ち上げやメニュー開発などを多数経験。ソムリエの資格も持つ。kufuraの動画『プロが教える本格パスタレシピ』も人気。
取材・文/岸綾香