かつおと昆布のだしがトマトにじんわり染みる
null今回はトマトを丸ごと漬けるのがポイント。トマトを使ったおでんがありますが、そのイメージで旨味の効いただしにじっくり漬け込んでいきます。
「味をしっかり染み込ませるため、トマトは湯むきをするのですが、その際にむいた皮も捨てずにムダなく使います。トマトの皮からも旨味が染み出て、おいしいだしになりますよ」(以下「」内、沼津さん)
【材料】(作りやすい分量)
トマト・・・中4個(約350g)
だし昆布・・・3×5cm程度
かつお節・・・1g
水・・・300ml
みりん・・・大さじ1
しょうゆ・・・大さじ1
塩・・・小さじ1/4
【作り方】
(1)トマトに切り込みを入れる
トマトは湯むきをするので、トマトの底に包丁で切り込みを入れておきます。
「トマトは中くらいのサイズがおすすめ。大きいサイズやミニトマトでも同様に作れます」
(2)トマトを湯むきする
沸騰した湯にトマトを入れ、切り込みを入れた部分の皮がプチッと弾けたら、すぐに水に取り出します。皮が弾けた所から皮をむき、ヘタは取り除いてください。
「ゆで過ぎるとやわらかくなるので、すぐに取り出すのがポイント。事前に切り込みを入れておくと、皮がつるんと気持ちよくむけます。湯むきした皮も一緒に漬けるので、捨てないで取っておいてくださいね」
(3)漬け汁を作る
保存容器にだし昆布を細く切って入れ、かつお節を加えます。鍋に水を入れて火にかけ、みりん、しょうゆ、塩を入れ、塩が溶けてひと煮立ちしたら、保存容器に注ぎます。
「熱々を注ぐと、昆布とかつお節のだしがよく出て、おいしい漬け汁になりますよ」
(4)トマトと皮を漬ける
「トマトの皮からもいいだしが出ますよ」と沼津さん。漬け汁にトマトの皮を入れて浸し、さらにトマトを丸ごと入れましょう。
粗熱が取れたら、冷蔵室で1時間以上冷やします。途中で上下を返すと、さらに味がよく染み込みます。
(5)できあがり!
冷蔵室で1時間以上置いたら完成です。保存は冷蔵で2〜3日が目安で、漬けるほど味が染みていきます。
まんまるな真っ赤なトマトが愛らしく、ビジュアルも華やか。そのままかぶりつくと、トマトの旨味とだしがジュワッと口いっぱいに広がって幸せ〜! さらに驚いたのはこの漬け汁。昆布とかつおにトマトの旨味も溶け込んで、さわやかなトマトの冷製スープになっています。
「このスープは旨味たっぷりなので、そうめんやパスタと和えてもおいしいです。ごはんにかけて、粉チーズを振って冷やしリゾットにしてもさっぱり。スープも余すところなく楽しんでくださいね」
トマトを丸ごと漬けると、いつもとはちょっと違ったおしゃれな前菜に。見た目もかわいいので、子どもも喜びそうですね!
次回は、「ピーマン」を使ったちょこっと漬けを紹介します。
取材・文/岸綾香
【取材協力】
沼津りえ
料理研究家、管理栄養士、調理師。料理教室『cook会』主宰。バラエティー豊かなレッスン内容が好評で、東京・阿佐ヶ谷を中心に数多くの料理教室を開催。毎年、梅漬けの教室はリピーターが多く大人気に。手軽でシンプルなアイディア溢れるレシピに定評があり、雑誌などのメディアでも活躍。著書に『いろんな味で少しだけつくる ちょこっとだけ漬けもの』(学研プラス刊)、『低糖質だからおいしい!「おやつ&スイーツ」』(K&M企画室)、『野菜丸ごと冷凍レシピ』(主婦の友社)など多数。HPはこちら。Instagram@rienumadu