お菓子作りは立派な科学!
nullレシピ本『不思議なお菓子レシピ サイエンススイーツ』(マイルスタッフ)の著者であり、『kufura』でもおなじみのケーキデザイナー・太田さちかさん。コロナ禍になる前は不定期で「サイエンスカフェ」という子ども向けのワークショップを開催していました。
「科学のフィルターを通すと、なぜこの材料を使うのか、どうしてこういう順で作るのかが大人も子どももしっかりと理解できるからおもしろいんです」と太田さんは言います。
今回ご紹介する“溶けないほうじ茶ミルクティーアイス”にも科学の秘密が隠されていますよ。
アイスを作りながら寒天の“融点(ゆうてん)”を学ぶ!
nullもはや日本の“獄暑”とも言われる夏。アイスキャンディーなんて冷凍庫から出した瞬間に溶け始めていますよね。でもこの寒天で作るアイスは溶けません(もちろん水分が入っているので長時間放置しておけば水分だけ溶け出します)!
なぜなら寒天の融点(素材が溶ける温度)は70度。40度近くなる日本の夏でも溶けないのです(メーカーによっては融点80度前後のものもあります)。
「じゃ、ゼラチンでも大丈夫ね!」と思ってしまうかもしれませんが、ゼラチンの融点はおよそ25度。こちらはあっという間に溶けてしまいます。そのため寒天を使うのです。だから寒天で作れば、真夏でも慌てることなく、手や服を汚すことなくアイスを楽しめます。しかも寒天は食物繊維たっぷり! ママたちが欲する食物繊維をおいしくとることもできちゃいますよ。
では作ってみましょう。
溶けない!ほうじ茶ミルクティーアイスの作り方
null材料(アイスキャンディー型6本分)
牛乳400ml
粉寒天4g
グラニュー糖30g
ほうじ茶(ティーバッグ)1包
甘納豆20g
あんず(缶詰)130g
(下準備)
・型は水にくぐらせて水の膜を張る。このひと手間で型から外しやすくなる。
・あんずは一口大に切る。
(1)アイスキャンディーの型に甘納豆とあんずを交互に入れる。
(2)片手鍋などに牛乳、粉寒天、グラニュー糖、ほうじ茶を入れて中火にかけ、約1分経ったらティーバッグを取り出す。そのまま加熱し沸騰したら弱火にし、約1分加熱。火から下ろす。
(3)2を1に流し入れ、軽く混ぜて具を散らし、アイス棒をさす。冷凍庫で4時間冷やし固める。
今回は今、流行のほうじ茶をミルクティーにして作った、ちょっと大人味の寒天アイスですが、フルーツ入りやカルピス味、はちみつレモン味など子どもも食べやすい味で作りたい人はこちらの記事もぜひチェックしてみてください。
次回は、まるで宝石のようにカットされた「琥珀糖」の作り方をご紹介します。