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失敗知らずの「ぶり大根」は、焼き大根に味がしみしみ!【大根1本使い切り・前編】

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人気の料理研究家 小林まさみさんと、シニア料理研究家としても活躍する義父でアシスタントの小林まさるさんが、日々の料理の悩みをズバッと解決!

【小林まさみ&まさるのお助け食堂】第4回目は、冬が旬の「大根」がテーマ。この時期の大根は太くて立派! 値段も安いので丸ごと1本買ってしまいますが、使い切るのが大変……そんな人も多いのではないでしょうか? そこで今回は大根1本を丸ごとおいしく使い切る方法を教えてもらいました。

大根は各部位の特徴を活かして、おいしく食べ切ろう!

ご存じかもしれませんが、まず大根は部位によって味がかなり違います。そのため、「各部位の味や食感を活かした料理に使えば、最後までおいしく食べ切ることができますよ」とまさみさん。

まずは、それぞれの部位の特徴と、それに合った料理をチェックしておきましょう。

【上部分】は甘い→大根おろしがおすすめ

大根の中でも上部分は特に甘いので、生で食べてもおいしいところ。

「私は大根おろしで食べたい!」(まさみさん) 「俺もそうだよ!」(まさるさん)と、二人とも同意見。辛味が少ない上部分は、大根おろし、サラダ、和え物などにぴったりです。

【真ん中】は太い→煮物やおでんに最適!

真ん中はいわば大根の「一番イイところ」。太さが均一で使いやすく、味のバランスもよし。

「真ん中はやっぱり煮物。味をじっくり染み込ませた大根がメインとなる料理に最適です」(まさみさん)。煮物やおでん、ふろふき大根など、冬のレシピとも相性抜群です。

【下部分】は辛い→食感を活かして漬け物に

下部分は辛味が強いのが特徴。さらに筋張っているので、その食感を活かして、漬け物や汁物の具材におすすめ。

あえて辛味の効いた大根おろしが好みの人は、下部分を使っても。

【葉】は彩りに→漬け物やみそ汁、炒め物に

大根の葉は栄養価も高く、捨ててしまうのはもったいない!

味にクセがないので、刻んで漬け物やみそ汁、炒め物に入れて、緑の彩りを添えるのに一役。シャキシャキした食感もいいアクセントになります。

「大根を焼く」からおいしさもスピードもグンとアップ!

各部位の特徴が分かったところで、今回は、「真ん中」の大根を使って「ぶり大根」のおいしい作り方を教えてもらいました。

「大根」と「ぶり」という冬を代表する味覚の共演は、この時期やっぱり欠かせません。どちらも冬が旬の食材なので、おいしい季節にぜひ作ってみてください!

【材料】(4人分)

ぶり・・・4切れ(350〜400g)

大根(真ん中の部分)・・・700g(正味約600g)

しょうが・・・1片(10g)

サラダ油・・・大さじ1

柚子の皮・・・適量

 

[煮汁]

水・・・1と1/2カップ

しょうゆ・・・大さじ3

砂糖・・・大さじ2

酒・・・1/4カップ

【作り方】

(1)大根は半月切りにする

大根は早く煮えるよう、1cm幅に切ります。切ってから皮を厚めにむいて、半月切りにします。

「皮を厚くむくと大根に早く火が通り、味も染みやすくなっておいしく仕上がるので、ためらわずに思い切って厚くむいてください。むいた皮はみそ汁に入れたり、きんぴらにしたり、干してハリハリ漬けにしたり、大根は捨てるところがありません」(まさみさん)

(2)ぶりはそぎ切りにして、霜降りにする

ぶりはアラだと下処理が面倒なので、今回は手軽な切り身で作ります。背と腹(えぐれている方)、どちらでも好みの部位でOKです。半分にそぎ切りにして、大きめに切ります。大きめに切ると、じっくり煮てもパサつきません。

「ぶりは臭みが強いので、熱湯でさっとゆでて霜降りにするのがポイント。この時、熱湯に一気に入れると湯の温度が下がってしまうので、ぶりは1〜2切れずつ入れてください。熱湯の温度が下がると、逆に臭みが出てしまいます」

ぶりの表面が白くなったらすぐに取り出して、煮過ぎてぶりの旨味を逃さないようにしてくださいね。このひと手間で臭みが取れて、グンと食べやすくなりますよ。

(3)大根をこんがり焼く

「大根を焼く!?」と、不思議そうなまさるさん。そう、今回のぶり大根は、「大根を焼く」のがおいしさの秘訣なんです。

「大根は焼くと火の通りが早くなり、煮る時間を短縮できます。今の時期はもう旬なので大丈夫ですが、出始めの大根は辛味が強いので、焼いた方がおいしく食べられます。焼くと甘味が増して、グッと濃厚になりますよ」(まさみさん)

フライパンにサラダ油を入れて強めの中火で熱し、大根を広げて並べ、大根が透き通ってきたら、ひっくり返して焼き色をチェック。両面合わせて6分ほど焼きます。

「炒めるのではなく、こんがりと焼き色が付くまでしっかり焼くのがポイント。なので、あまりいじらないで。多少焦げても、煮ると煮汁に焦げが流れ出るので、こんがり焼いてOKです」(まさみさん)

しっかり両面に焼き色が付いたら、最後はフライパンを振って軽く炒めましょう。

(4)調味料を入れ、煮立ったらぶりとしょうがを入れる

大根が焼けたら、水、しょうゆ、砂糖、酒を入れます。順番はどれからでもOK。

煮立ってきたらぶりを入れ、薄切りにしたしょうがを入れます。しょうがはそのまま食べられるよう皮をむいて入れましょう。

再び煮立ったら落としぶたをして、中火で15分ほど煮ます。

(5)照りが出るまで、しっかり煮詰める

15分後、落としぶたを取ると大根がきれいに色付いています。竹串を刺してスッと通ったら、フライパンを傾け、ぶりと大根が崩れないよう煮汁をかけながら煮詰めていきます。強火にして水分を飛ばし、しっかり煮詰めるのがおいしく仕上げるポイントです。

「同じ調味料で作ってもなんだか味が物足りない……という人は、煮詰め方が足りていない場合が多いんです。同じ味付けで作っても、しっかり煮詰めないと味がぼんやりしてしまう。照りが出てくるまで煮詰めると、味がギュッと詰まって濃厚になり、おいしいぶり大根になります」(まさみさん)

(6)柚子の皮を散らして、できあがり!

器に盛り付け、あれば柚子の皮をせん切りにして散らしましょう。季節の香りを添えることで、より華やかになりますよ。なければ、あさつきの小口切りを散らしても彩りよく仕上がります。

照りっ照りで見るからにおいしそうなぶり大根。いざ試食してみると、味がシミシミの大根とふっくらしたぶりに感動! 大根は焼いているので、噛んだ瞬間にギュッとした弾力があり、それからじゅわっと旨味が口いっぱいに広がります。もうこれだけで幸せなのに、大きなぶりがふわっふわでビックリ! 臭みもまったくなく、全然パサパサしていません。

そしてさらに、まさみさんのレシピのスゴイところは、再現率が高いところ。撮影に立ち会った副編集長と私は、このぶり大根の味が忘れられず、それぞれ自宅で作ってみたところ、失敗なくとってもおいしく作れて大満足! 副編集長の家では、ふだんはあまりぶり大根に手が伸びない子どもたちが、おかわりをして食べたそう。

おいしく作れるコツが満載で、本当に誰でも作りやすいレシピなので、ぜひぜひ試して欲しい。ごはんが進む味で、家族が喜ぶこと間違いなしです!

次回は、大根丸ごと1本使い切りの後編、大根の「上部分」と「下部分」を使ったレシピを紹介します。

【取材協力】

小林まさみ

料理研究家。結婚後、会社勤めをしながら調理師学校に通い、料理研究家を目指し、料理愛好家 平野レミさんのアシスタントなどを経て、独立。誰でも作りやすく、家庭的なアイディアあふれるレシピにファンが多く、テレビや雑誌、書籍、企業のレシピ開発、料理教室など、幅広く活躍。自身のオンラインショップ『台所用品と食「暮らしの仲間」』では、おすすめの台所用品や各地から厳選した食材、小林まさるの瓶詰め『まさる漬け』などを販売。料理本は『切りおき』(小学館)など著書多数。Instagram@kobayashimasami.masaru

小林まさる

昭和8年生まれ。小林まさみの義父。定年後70才から小林まさみの調理アシスタントを務める。78才でシニア料理研究家として活躍。長年料理をしてきた経験から、冷蔵庫の中にある食材でパパッと作るアイディア満点の家庭料理やおつまみが得意。著書に『人生は棚からぼたもち!』(東洋経済新報社)など。

 

取材・文/岸綾香

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