「『焼きなすは、お尻のほうから皮をむくときれいにむけます』って、アヤちゃんに教えてもらったの。本当にきれいにむけますよ。みなさまもお試しあれ!」
null“アヤちゃん”とは、ばぁばが同居する二女の料理研究家・安藤久美子さんのご長男の奥様、文子さん(31才)のこと。長女のほのかちゃん(2才)がひとり歩きできるようになった頃から、ばぁばの助手さんを務めています。「お料理もお作法も、すべて今のうちに教えておかなくちゃ……と張り切っていたのに、逆に教えられちゃったわ(笑い)。ばぁば自慢のお嫁ちゃんです」(ばぁば)
「ひとつ覚えておいていただきたいのですが、焼きびたしというのは、焼いたあと、“おだし”にひたすから“焼きびたし”なのです。ほうれん草のおひたしもそうですよ。ほうれん草をゆでておしょうゆをかけただけでは“ゆでほうれん草のおしょうゆがけ”ですからね。お間違いにならないように」(ばぁば)
なすの焼きびたしの作り方
null材料(4人分)
なす 4本
おろししょうが 適量
糸がき(かつお節を糸状に細く削ったもの) 適量
(つけ汁)
だし 1カップ
薄口しょうゆ 大さじ1
塩 少量
作り方
(1)つけ汁の材料をボウルなどに合わせ、軽く混ぜておく。
(2)なすはガクに包丁の刃先でぐるりと切り目を入れて取り除き、竹串で3〜4カ所刺しておく。
(3)ガスコンロと網、あるいは魚焼きグリルやトースターを使ってなすを焼く。菜箸で軽く挟んでみて、ふんわりとした感触があったら取り出し、ボウルに張った氷水にさっとくぐらせる。ヘタを持って皮をお尻のほうからガクにむかってむくと、実がつかずにきれいに皮だけむける。
(4)まな板になすを並べ、縦に包丁を5〜6本入れ、長さを3等分する。ヘタは落とす。深さのある密閉容器に並べ、つけ汁をかけて蓋をし、冷蔵庫で冷やす。器も冷蔵庫で冷やしておく。器になすを盛り、おろししょうがと糸がきをそれぞれ適量のせて、最後につけ汁を静かに注ぐ。
PROFILE
鈴木登紀子(すずきときこ)
日本料理研究家。1923年11月に青森県八戸市に生まれる。46才で料理研究家としてデビュー。東京・武蔵野市の自宅で料理教室を主宰するかたわら、テレビ、雑誌等で広く活躍。『きょうの料理』(NHK・Eテレ)への出演は、50年近くになる。『ばぁば92年目の隠し味』(小学館)はじめ著書多数。