スポーツウェアやテーマパークの雨対策、キャンプグッズなどに使っても!
nullまず、皆さんは防水スプレーどんなものに使用していますか? 用途として思いつくのは傘やレインウエア、外出用のアウター、バッグ、靴など。ほかにオススメの使い方はあるのでしょうか?
「例えばお子さんを自転車の後ろに載せる、チャイルドシート用のカバーに使うのはオススメです。ただしビニール素材には使えませんので、その部分は使用を控えてください。あとは日よけの手袋に使ってもいいですし、あとはキャンプグッズですね。テントやタープ、シュラフ、コットなど、何でも活用してほしいです。
また近年は防水だけではなく、紫外線もブロックする防水スプレーもございます。これからの季節はそういった性能のものを活用するのもおすすめですよ」(スリーエム ジャパングループ コンシューマービジネスグループ プロダクトマーケティング部 宇津木珠美さん)
ちなみに筆者の子どもはスポ少でサッカーをやっていますが、サッカーは雨天でも決行されることが多いスポーツです。雷がない限りは試合の途中で雨が降っても続行するので、終わった際は雨で悲惨なことに……。それを少しでも和らげるべく、ユニフォームなどに使用するのもアリなのでしょうか?
「すごくいいと思います。防水スプレーを使うと雨対策にもなりますが、ウェアが濡れないことで結果身体が冷えるのを防ぐことになります。あとは大人ですとゴルフをやる方も多いと思いますが、ゴルフウェアに使うのもいいと思いますし、テーマパークへ行く際の雨対策に活用しているという声もありました」(宇津木さん)

ただしユニフォームやゴルフウェアなど、肌に身に着けるものに防水スプレーを活用する際は、汗による湿気がこもらないよう通気性のある防水スプレーを活用したほうがいいでしょう。防水スプレーにはフッ素系樹脂のものとシリコーン系樹脂のものがあり、長らく通気性があるのはフッ素系とされてきましたが、近年はシリコーンの技術開発によってシリコーンに通気性を持たせることが可能となっているそうです。シリコーン系の防水スプレーでも通気性が確保できようになっているので、まずは製品の説明書きをよく読んで、用途を確認のうえで使用してみましょう。

意外な事実…防水スプレーに使用期限はない!
nullそして意外に防水スプレーで迷うのが、使用期限。使う頻度によっては数年前のものも使いきれないケースも珍しくないと思いますが、古いものでもそのまま使っていいものなのでしょうか?
「防水スプレーの使用期限は設けておらず、長く放置しても中の物質が変化することは基本的にはございません。ただエアゾール缶と呼ばれる、防水スプレーに使う缶が錆びてしまった場合、中の液体が変色してしまうことがあります。その場合は処分してください」(スリーエム ジャパングループ コンシューマービジネスグループ技術部 スペシャリスト 芦澤正洋さん)
ちなみに3Mが想定している防水スプレー1本を使い切る期間して想定しているのは、およそ2年から3年。少なくともそのくらいの期間であれば、缶やスプレーを噴射するノズルが劣化しない限りは問題なく使用することができると考えていいでしょう。
「あとはたまにあるのは、長く放置している間にノズルのゴム部分から缶のガスが抜けてしまうこと。そうなるとまだ入っているのにスプレーができないこともあります。そうなったら使い切ることは難しいので、処分してください」(宇津木さん)

処分に困るスプレー缶、どう捨てればいい?
nullとはいえ、中に液体が入ったままスプレーを処分するのは抵抗があるという人も多いのではないでしょうか?またスプレーは使い切ったとしても、処分方法に気を使うイメージがあります。正しい捨て方はどのようにすればいいのでしょうか?
「ゴミの処分方法は各自治体によって異なりますので、基本は各自治体にお問合せしてそれに従っていただく方法になります。穴をあけてガスを出し切ってから処分するという自治体が多いようです」(芦澤さん)
缶に穴をあけるのも手間がかかりますが、3Mではスプレー缶のフタの裏にスプレーを押し込むことでガス抜きが簡単にできる仕組みを搭載しています。こういったメーカーの工夫はありがたく、ぜひ活用したいところです。

そのほか防水スプレーを使用するうえで守ったことがいい注意点を伺いました。
「使用する際はスプレー噴霧の粒子を吸い込まないよう、必ず屋外や風通しの良い場所で使用してください。また先ほど日よけの手袋への使用をおすすめしましたが、その際は装着したまま使用しないようにしてください。手袋は通気性が高い素材が多いので、直接肌にかかってしまう可能性があります。
あとは表面加工してある製品などに使用すると、スプレーで変色したり、溶ける場合があります。白色の製品も防水剤のシリコーンと反応して変色する場合がありますので、いずれにしても使用前に必ず目立たないところにテスト使用して確認の上、ご使用ください。我々ももちろんさまざまな生地を使ってテストを行っているのですが、生地の種類は無限に存在しているので、すべての生地で変色などがないとは言い切れないんです」(宇津木さん)
活動用途が幅広く、しかも使用期限がかなり長い。防水スプレーは一家に1つでも2つでも備えておいても、損をすることはなさそうです。ただし正しく使用しないと防水性能がきちんと得られないので、その点だけは要注意! 効果的に活用して少しでもゲリラ豪雨のリスクを軽減し、楽しい夏を過ごしましょう。
【取材協力】
スリーエム ジャパングループ
https://www.3mcompany.jp/3M/ja_JP/company-jp/

東京都出身、千葉県在住。短大の春休みより某編集部のライター見習いになり、気が付いたら2022年にフリーライター歴25年を迎えていた。現在は雑誌『DIME』(小学館)、『LDK』(晋遊舎)などで取材・執筆を行うほか、『kufura』などWEB媒体にも携わる。
執筆ジャンルは、アウトドアや子育てなどさまざま。フードコーディネーターの資格も持つ。