日本にも昔あった、缶入りの石けん
null缶入り石けんなんてものを見るのはそれが初めてでした。「なんておしゃれでかわいいんだろう!」と1つ買い、大切に持ち帰った記憶があります。しかし、実は日本でもひと昔前まで石けんは、缶に入れて販売されていたんですよね。お菓子同様、缶に入れることで湿気や衝撃から石けんの香りや品質を守っていたのでしょう。古道具屋さんや蚤の市、『メルカリ』などでは、昔の「花王」や「牛乳石鹸」の石けん缶を見ることができます。
2021年から2022年にNHKで放送された「連続テレビ小説」「カムカムエヴリバディ」の第62回では、ちゃぶ台の上に小道具として「カネカ」の「絹石鹸」の缶が置かれ、缶マニアたちの間では当時、かなり話題となりました(笑)。ネイビーの缶に赤、白、黄色、緑色のドットが散りばめられた缶で、今見ても充分にかわいく、おしゃれな缶だったんです。
“石けんの街”から生まれた、「ラ サボンリー ドゥ ニヨンス」
null『ラ サボンリー ドゥ ニヨンス』は、フランス南東部の街・ニヨンスで誕生。このニヨンスという街は、最古の石けん工房の跡が発見された場所。良質なオリーブオイルの産地でもあり、石けんにはこのニヨンス産のオリーブオイルも使用されています。そのため『ラ サボンリー ドゥ ニヨンス』の石けんは、しっとりとした洗い上がりが特徴。
そしてさらに魅力的なのがこのメタル缶……! デザインはニヨンス出身のアーティストが手がけており、あえてヴィンテージライクな雰囲気に仕上げているのだとか。さまざまなデザインがあるので、コレクターもいるのも納得! それにこれだけ素敵な缶に入っているので、このままギフトとしてお渡しすることができ、包装紙などいりません。
“媚びないかわいさ”が最大の魅力!
null日本には“動物”をモチーフにした缶は多いですが、“人”をモチーフにした缶というのは少ないですよね。反して、海外はよく見かけます。『ラ サボンリー ドゥ ニヨンス』の缶も、赤ちゃんや子ども、お母さんなどさまざまな“人”がモチーフとして用いられており、どれも……かわいくないんです(笑)。いえ、かわいくないというか、いわゆる“わかりやすいかわいさ”ではなく、エッジが効いたかわいさ、なところが、ものすごくいい! こういうところが、実にフランス的ですよね。
さまざまな猫デザインも
null私が持っているのは写真の白い親子の猫缶ですが、ほかにも茶トラや長毛種の白猫が描かれた“猫缶”もあります。やはり“猫缶”は石けん缶の世界でも人気なんですね。
ミュシャの絵が描かれた、優美なデザイン缶も
nullアール・ヌーヴォーを代表する画家・アルフォンス・ミュシャの缶に、ここで出合えるとは思いませんでした! 雅な美しさを持つ艶やかな缶は、石けんを入れるのにぴったりですよね。
未だ多くの人の心をつかむミュシャの作品。お菓子缶の世界では、イギリスのお菓子メーカー『チャーチル』や、スペインの老舗チョコレートブランド『アマリエ』がミュシャの缶を出していますが、輸入はされているものの、決まった店舗に通年あるわけではないので、なかなかお目にかかれないのです。
どこで買えるの?
null『ラ サボンリー ドゥ ニヨンス』は昔から常設店舗がないため、偶然入ったお店で見つけたり、一時は『Amazon』で見つけることができたのでそこで買ったりしていました。が、いつしかお店でも『Amazon』でも見かけなくなってしまい……でもどうしても欲しくて検索に検索を重ねた結果、専門のオンラインショップを『BASE』に発見! 今までに見たことのないデザインの缶も数多くそろっていました!
ここであればいつでも買えるし、クリスマスデザインの缶もそろうので、また冬にお買い物しようと思います。
※価格は中田さん入手時の税込み価格です。
編集者・フードジャーナリスト。多くの料理本や暮らしの本、キャンプ本を手がける。自著に子どものごはん作りの闘いを描いた『闘う!母ごはん』、『素晴らしきお菓子缶の世界』(共に光文社)がある。 プライベートでは猫2匹&犬1匹と小学生、大学生の女の子の母。ハワイじゃなくてグアムラバー/スターウォーズマニア/アダム・ドライバーファン。Instagram