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日本で人気上昇中!「イタリアならではフォントが美しすぎる」1857年創業、老舗のお菓子缶

“パスティリエ”というイタリア菓子をご存じですか。聞きなれない名前ですが、160年以上の歴史を持つイタリアの伝統菓子で、日本のお菓子に例えるとラムネ菓子のようなものといえばいいでしょうか。この“パスティリエ”を作るイタリアの『パスティリエレオーネ』社(以下、レオーネ社)は、1857年に創業。ヨーロッパ最古の菓子屋さんの1つと言われています。

連載【お菓子缶の世界】10回目の今回は、今、日本でじわじわと人気が出てきている、このレオーネ社のお菓子缶をご紹介します。

出合いは10年ほど前のこと

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私が「パスティリエ」というお菓子を知ったのは、今から10年ほど前。あるインテリアスタイリストさんから教えていただいたことがきっかけでした。当時、食のセレクトショップである『ディーン&デルーカ』で紙箱タイプのものを取り扱っていたのです(先日、「ルミネ新宿2」にある店舗では缶もありました)。

この「パスティリエ」、本場イタリアではお菓子屋さんのほか、バールやたばこ屋さんのレジ脇でも売っているメジャーなお菓子で、食後の口直しに口にする人も多いそう(日本で言う、ミントタブレットのような感じでしょうか)。

レオーネ社のパッケージは、ヨーロッパらしい絵や色使いの美しさはもちろん、イタリアならではのフォントの美しさも大きな魅力。

ちなみにお菓子缶は創業時より作られていたそう。「え!? 1800年代にもうお菓子缶があったの?」と驚くかもしれませんが、1800年代前半にはイギリスで“クッキー缶”が誕生したと言われているので、1857年創業のレオーネ社が当初から“パスティリエ缶”を作っていたとしても不思議ではありません。

こちらはフルーツゼリーが入った缶。クラシカルなドレスをまとった女性が描かれた缶ぶたをよーく見てください。

女性が手に「パスティリエ」の缶を持ち、今、まさに一粒食べようとしているのです。なぜ缶だとわかるかというと、缶ぶたが描かれているから。紙箱タイプにふたはないので、このような絵にはなりません。

そしてこの赤地に白い十字が描かれた紋章。これはイタリア王家であったサヴォイア家の紋章です。「パスティリエ」は、イタリア王家であったサヴォイア家にも愛され、当時は王室御用達のお菓子でもあったため、その名残で現在もサヴォイア家の紋章が用いられているのです。

レアもの。ナタリー・レテとのコラボ「パスティリエ」

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日本にもファンの多い、フランス人アーティスト、ナタリー・レテ氏とコラボした「パスティリエ」の缶も発売。こちら発売当時、瞬く間に完売してしまったのですが、偶然にも近所にある小さな雑貨店で発見! こういうこともあるので、完売や在庫切れを起こしていても諦めないでほしいのです。探せば必ず引き寄せます!

中にはミックスタイプ(ストロベリー、ラズベリー、レモン、オレンジ、マンダリンオレンジ、バニラ、スミレ、オレンジブロッサム)の「パスティリエ」が入っています。ほんのりとした色が愛らしいですよね。

こちらもナタリー・レテ氏とのコラボ。中にはフルーツゼリーが入っています。“有機的”と言われるナタリー氏のイラストが見事に映える缶。

側面にもしっかりと植物が描かれており、かつネームカードを入れるポケットまでついています。こちら、私は近所の雑貨屋さんで偶然見つけて買いましたが、先日、新宿の『ディーン&デルーカ』でも取り扱っているのを見かけました。

愛らしい赤ちゃん動物シリーズ缶も

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くまにブタに、うさぎに猫に犬。それぞれの動物の赤ちゃん時代を描いたかわいらしいイラストがプリントされた「パスティリエ」の缶もあります。こちらの缶は、子どもの手のひらに乗るくらいの小さいサイズ。ですので持ち運びに便利で、食べ終わったあとも、薬入れやアクセサリー入れとして活躍してくれます。

とはいえ、なかなか日本での取り扱い店がわかりにくい「パスティリエレオーネ」社。「ディーン&デルーカ」で見つかることもありますが、通年の取り扱いではない様子……。そこで私はいつも、めずらしいイタリア食材を取り扱う「シミシェッダ」というオンラインショップで買っています。

 

撮影/中田ぷう

中田ぷう
中田ぷう

編集者・フードジャーナリスト。多くの料理本や暮らしの本、キャンプ本を手がける。自著に子どものごはん作りの闘いを描いた『闘う!母ごはん』、『素晴らしきお菓子缶の世界』(共に光文社)がある。 プライベートでは猫2匹&犬1匹と小学生、大学生の女の子の母。ハワイじゃなくてグアムラバー/スターウォーズマニア/アダム・ドライバーファン。Instagram

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