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英国らしい美しさに感動!1984年創業「チャーチル」の缶【お菓子缶の世界】#8

お菓子缶を愛して47年。3歳の頃からお菓子缶の魅力に取りつかれ、とうとうお菓子缶の専門書まで出してしまった私、中田ぷうです。
今回は、日本にも昔から輸入されている英国の『チャーチル』の缶について迫ります。

1984年創業。英国らしさにあふれたデザインの缶が特徴

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『チャーチル』は、1984年ロンドン北部で創業。1980年代というのは、日本でも海外旅行者数が急増した時期で、ヨーロッパではそれまでお菓子といったら紙袋やビニール袋に入れて販売していましたが、この“観光客需要”を見込み、見栄えのする缶入り菓子が作られ始めました。『チャーチル』もそのひとつ。

そのためひと目見ただけで“英国らしさ”が伝わるデザインの缶が誕生。それだけに非常に味のあるデザインが揃うと思いませんか。

中でも代表的なお菓缶が、上の画像の「テレフォンボックス」と「ポスト」。画像にはありませんが、「ロンドンバス」もあり、私は“3大赤シリーズ”と呼んでいます。また、この3つの赤い缶は、どれも食べ終わったあと貯金箱としても使えるようになっており、コインを入れられるようになっています。

“3大赤シリーズ”の中でも最も推しなのが、この「テレフォンボックス」。四面とも絵が違い、エンボス加工も施されています。イギリスの電話ボックスがいきいきと蘇るような、リアリティとかわいさを兼ね備えた非常に魅力的なお菓子缶です。

犬が用を足している姿まであるところが、実に英国のお菓子缶らしいですよね(笑)。

2014年に発売された、美しきカルーセル缶

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そして今や『チャーチル』を代表する缶と言われているのが、「カルーセル」缶。缶の表面には細かくメリーゴーランドが描かれ、エンボス加工も施されている美しき缶。この缶を初めて見たときは、その美しさと精巧さに心を奪われたものです。ふたの部分もちゃんと屋根の形になっています。

現在は、この赤いカルーセルだけでなく、青いバージョンもあります。

「チャーチル」は「カルーセル」缶のように、他社にはない変わった形の缶を出していることも大きな特徴です。

写真は、サーカスの滑り台をモチーフにした「へルタースケルター」。おもしろいですよね! 他にも気球型やスノードーム型なんてものもあります。

見てください。この「へルタースケルター」缶、1人1人の表情まで細か~く描かれているのです。この“細やかさ”の積み重ねが『チャーチル』のお菓子缶の美しさや芸術性を高めているのですが、素晴らしいですよね。

入手しやすいのは「アニマルシリーズ」

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素敵な『チャーチル』のお菓子缶なのですが、ひとつだけ難点が……。実店舗で取り扱っているお店がなかなかなく、「実物を見てから買いたい」と思ってもまず無理なのです。ネットで探して買うのがいちばん早くて確実です。

でも、写真の「アニマルシリーズ」は、『ディーン&デルーカ』で取り扱いがあるので、実物を見て買うことができますよ。

「アニマルシリーズ」は、ジャングルや森、海や農園に暮らす動物たちや、太古の昔、地球にいた恐竜などが描かれたシリーズで、全面にエンボス加工が施された、これまた美しい缶です。なのですが、よーく見るとトラやライオンの表情が妙に人間っぽくて、笑ってしまうんです。

フルーツが全面に描かれたキャンディ缶も、現在『ディーン&デルーカ』で取り扱いがあるので、実物を見て買うことができます。

以前もご紹介しましたが、このフルーツキャンディ缶は、全面に細やかなエンボス加工が施されていて、芸術品レベルの美しさ! 何年経っても、何度手にとっても毎回「美しい」と感動を覚えます。

英国ならではのクラシカルな美しさを持つ『チャーチル』のお菓子缶。この美しさは“肉眼”で楽しんでいただきたい! 機会があったらぜひ実物を見てみてくださいね。

 

撮影/中田ぷう

中田ぷう
中田ぷう

編集者・フードジャーナリスト。多くの料理本や暮らしの本、キャンプ本を手がける。自著に子どものごはん作りの闘いを描いた『闘う!母ごはん』、『素晴らしきお菓子缶の世界』(共に光文社)がある。 プライベートでは猫2匹&犬1匹と小学生、大学生の女の子の母。ハワイじゃなくてグアムラバー/スターウォーズマニア/アダム・ドライバーファン。Instagram

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