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「ステンレスボトル」にカフェオレを入れるのはNG!? 意外と知らない「正しい使い方」と「お手入れ法」

冷たい飲み物、温かい飲み物の適温を長時間保ち、持ち運びにも便利なステンレス製魔法びん。マグタイプ、スポーツタイプ、ストロータイプ、ジャグタイプなど様々な形状があり、子どもから大人まで、様々なシーンで使われています。

でも、おっくうなのがお手入れ。中身を捨てて水でじゃぶじゃぶとボトルと飲み口をすすいでおしまい!という人もいるのでは? 面倒だからといってお手入れを怠ると、着色汚れやニオイが発生したり、パッキン部分にカビが生えることも。

また、ステンレスボトルには入れてはいけないものもあり、NGなものを入れて使用を続けると劣化を早めることになりかねません。

ステンレスボトルの正しい使い方、お手入れ法をステンレスボトルを数多く販売している「サーモス」の笹渕真由美さんにお聞きしました。

ステンレスボトルに入れてはいけないものとは?

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炭酸飲料に対応したボトルなら炭酸飲料も安心して入れられます。

ステンレス製魔法びんはステンレスの二重構造の容器になっており、外びんと内びんの間は高真空状態になっていて熱移動による放熱を防ぎます。これによってステンレス製魔法びんは高い断熱効果を維持します。間違ったお手入れや、NGなものを入れると、これらの効果が損なわれる可能性があるのです。

ボトルのタイプによって、NGなものは異なりますが、すべてのステンレスボトルで絶対に入れてはいけないものが「ドライアイス」です。ステンレスボトルは密閉性が高く、密閉された状態でドライアイスを入れると中で圧が高まり、フタなどが開かなくなる、飛び出す、飲みものがふき出るなどして、ケガやものを汚す原因になります。

同様の理由でNGなのが「炭酸飲料」です。しかし今は、こうした不安を解消した炭酸飲料OKのボトルが販売されています。

炭酸飲料に対応したボトルは、高まった圧を安全に逃がすことができる設計がされており、コーラやソーダなどの炭酸飲料やビール、シャンパンも入れることができます。

2月21日発売の新製品「サーモス 保冷炭酸飲料ボトル(RBAA-500)」。

スポーツドリンクは?

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運動時や夏場に欠かせないスポーツ飲料ですが、メーカーによってはスポーツ飲料が不可の場合もあります。

「スポーツ飲料には塩分が含まれています。ステンレスは本来サビにくい金属ですが、塩分が多く含まれているものや洗い残しがあると腐食(サビの発生)の原因になります。サーモスのボトルではスポーツドリンクを入れても問題ない事が確認されているので、通常のスポーツドリンクであれば入れても問題ありません。

メーカーによってフッ素コーティングなどで塩分を防ぐ対策をしていることもあり、スポーツ飲料を入れる際には、お手持ちのボトルの取り扱い説明書の指示に従うのが良いでしょう。

塩分ということでは、ボトルにスープやみそ汁を入れるのもNGです。水筒は縦に細長い形状なので、汚れが残っている場合など、サビの原因になります。また、固形物は飲み口やすき間などにつまる恐れがあるため、スープ、みそ汁はスープジャーを使うようにしましょう」(以下「」内、笹渕さん)

塩分があり具材が入っている汁ものはスープジャーを使用しましょう。

ボトルでカフェオレ……それNG!?

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「牛乳は栄養価が高く、腐敗しやすい食品です。近年ではコーヒーチェーン店などでカフェラテを持ち帰る方も多くいらっしゃることから、サーモスでは保温・保冷両用のマグタイプのみ“牛乳・乳飲料・果汁”を入れていただけます。

しかし、牛乳OKのマグタイプの場合でも、傷みやすいという牛乳の特性上、早めに飲み切ることを心掛けていただければと思います」

「茶葉」をボトルに入れるのもNG。ステンレスボトルはしっかり密閉できる構造になっているため、茶葉が飲み口やフタの間などのすき間に挟まってしまい、締めた時に隙間ができると漏れの原因にもなります。同様に具材入りの汁もの、果肉、粒のあるものは密閉タイプのステンレスボトルには入れないようにしましょう。

また、最近は美容・健康目的で「飲むお酢」も注目されています。少量であれば問題ないとのことですが、飲み終わったらすぐに洗うようにしましょう。

保冷専用に温かいものを入れるのもNG

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ステンレス製魔法びんのボトルには「保温・保冷可能」と「保冷専用」がありますが、保冷専用に温かいものを入れるのはNGです。

保冷専用は飲みものを素早くゴクゴク飲める仕様にしているため、勢いよく熱い飲みものが直接口の中に入り、やけどの原因になります。

また、熱い飲みものは内部の圧力が上がり、フタが開かなくなる・飛び出す、開けたときに飲みものがふき出すなどの可能性があります。

2月21日発売の新製品「サーモス 真空断熱スポーツボトル(FJSシリーズ)」は保冷専用なので、飲み口も大きくなっています。

ステンレスボトルのお手入れ方法

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ステンレスボトルを劣化させる大きな要因が、飲み残しや洗わない状態での長時間の放置です。

 「お子さんに多いのが、ボトルをカバンに入れたまま忘れてしまい、飲み残しがあるまま長時間洗わなかったというケース。ステンレスが傷むのはもちろん、中身が腐敗してガスが発生し、それにより内圧が高まって危険な状態になる可能性もあるため、基本的に使ったらすぐに洗うことをお願いしています。

口をつけたペットボトルは雑菌が繁殖するので早めに飲み切るのと同様に、ステンレスボトルも朝入れたものは、必ず夜には洗うようにしていただければと思います」

基本のお手入れは、ボトル部分は底まで入る柄のついたスポンジ(金属を傷つけない柔らかいタイプ)を使って、食器用の中性洗剤で洗います。洗い残しがないよう底までしっかりと洗ってください。糖分、塩分が含まれる飲み物を入れた場合はとくに念入りに洗いましょう。

飲み口の部分はパーツやパッキンを全て取りはずして洗います。パッキンの間に汚れが溜まったり、カビが発生することもあるので、しっかりと外して洗うようにします。

パッキンもきちんと外して洗いましょう。

パッキンを取り外さないと洗剤が残ったりすることもあるので、ズボラさんには一体型がおすすめ!

金属は濡れたままだとサビの原因になるので、できるだけ早く乾燥させるように柔らかい布で拭き取るか、風通しの良い場所で自然乾燥させます。乾燥機は不可。

必要性はわかっているけれど、毎回、全部取り外して洗うのは手間がかかるので面倒……という人には、取り外す必要のないパッキン一体型タイプがおすすめです。

コーヒーや紅茶を入れたボトルの着色汚れは?

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「コーヒーやお茶を連続して使用すると着色汚れも発生します。着色汚れは使用頻度によって、週や月に1回、漂白をするときれいに汚れが落とせます。

ステンレス部分に使えるのは酸素系漂白剤(主成分が過炭酸ナトリウムのもの)のみで、塩素系はサビの原因にもなるので避けてください。重曹はNGではないですが、お手入れの基本としては酸素系漂白剤をおすすめしています。パッキンは塩素系漂白剤も可能です。

酸素系の漂白剤とぬるま湯をボトルに入れて30分程度を目安に置きます。汚れがひどいときは、置く時間を調整してください。なお、ボトル全体をつけ置きするのは避けてください」

着色汚れは漂白で落ちますが、パッキンについたニオイはなかなか取れない場合があります。パッキンには素材の特性上小さな穴が開いているため、ニオイが残ってしまうこともあります。

特にコーヒーなどは、ニオイが取れないと気になってる人も多いのでは? 定期的に漂白すればある程度ニオイが軽減されますが人によってはニオイが気になってしまう場合もあるので、頻繁にコーヒーを飲む場合は、コーヒー専用ボトルを用意しておくというのも手です。

スープジャーではカレーが特にニオイが残りやすいため、カレー専用のパッキンを使っているユーザーもいるそうです。

食洗機の使用はOKNGの両方あるので、対応可能か確認が必要です。NGのものを高温で水量の強い食洗機に入れると、ボトルを傷める要因にもなります。

食洗機対応か非対応かは、製品のパッケージやHPの製品情報などを確認するようにしてください。

それぞれのボトルに適した使い方、お手入れをすれば長い間愛用することができます。とはいえ、経年劣化から廃棄しなくてはいけないときが来ます。次回は、ステンレスボトルの“捨てどき”について解説します。


 

サーモス株式会社 社長室 ブランド戦略課 広報グループ
笹渕真由美さん

サーモス https://www.thermos.jp/

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