1:洗濯機で洗う場合「標準コース」はできるだけ使わない
null「まずは、セーターが自宅で洗濯できるかどうか、洗濯表示を確認します。セーターの洗濯表示を見ると、下記のように『標準コース』で洗えるものもありますが、実際に『標準コース』で洗うと、セーターのような伸縮性のある洋服は縮んだり、型崩れしてしまう危険性があるので『弱水流コース』で洗うことをおすすめします」(以下、「」内は大貫さん)
「標準コース」で洗えるものであっても、型崩れを防止し、風合いよく仕上げるために、「手洗い・ドライ・おしゃれ着コースなどの弱水流コース」を選んで洗いましょう。
「ちなみに、セーターの洗濯表示が『手洗いマーク』の場合は、手洗いするのがベストですが、使用している洗濯機メーカーの情報を確認して『手洗いマーク』でも洗えるようなら、そのマニュアルに従って洗濯機で洗うことも可能です」
2:おしゃれ着用洗剤を使う
null「セーターを洗う際の洗剤は、洗濯時の色あせや型崩れ、着用中に発生する毛玉を防止する効果のあるおしゃれ着用洗剤がおすすめです」
なお、セーターをさらに柔らかく仕上げたい場合は、柔軟剤も併せて使うのが効果的とのこと。
3:目立つ汚れについては前処理をする
null「襟や袖口など、部分的に目立つ汚れがあるときは、洗う前におしゃれ着用洗剤の原液を塗布して、洗剤キャップの底で軽くたたいて洗剤をなじませておきましょう。
セーターに食べ物のシミがついたような場合は、先にその部分に液体酸素系漂白剤を塗布してから洗濯をします。ただし、洗濯表示を確認して酸素系漂白剤が使用できないセーターについては、おしゃれ着用洗剤を使うようにしましょう」
汚れは時間とともに落ちにくくなるので、シミがついたら放っておかずに、すぐにお洗濯することも大切だそうです。
4:洗濯機で洗う際は洗濯ネットに入れる
null「セーターがほかの衣類とからんだり、型崩れするのを防ぐためにも、洗濯の際には洗濯ネットにたたんで入れましょう」
装飾のついているセーターやモヘアなどの毛足の長いセーターの場合は、裏返してからネットに入れるといいそうです。また、カーディガンなどのボタンは、引っ掛かりなどを防ぐためにも、必ず留めてからネットに入れるのがポイントとのこと。
「洗濯ネットに入れる際は、ひとつのネットにセーター1着が原則です。数枚をまとめてネットに入れると、汚れ落ちが悪くなったり、セーター同士がこすれて傷むこともあるので注意しましょう」
5:脱水後はすぐに取り出して、形を整えてから干す
null「洗濯じわを防ぐために、脱水が終わったらすぐに洗濯機から出して干すのが、きれいに仕上げるためのポイントです。脱水後は、洗濯ネットからセーターを取り出し、たたまれている状態のまま全体を両手ではさむようにたたき、しわを伸ばしてから干すようにしてください」
干すときは、平らな場所や平干しネットの上で陰干しすると、セーターの型崩れを防ぐことができるそうです。
「スペースがないなど、平干しが難しい場合は、竿に干しても問題ありません。ただし、竿に干す場合は、ハンガーにかける干し方は避け、以下のように袖も身ごろといっしょに竿にかけるようにしてください」
6:手洗いの場合は水の温度に注意する
null「セーターを手洗いする場合は、洗濯機洗いと同様に、洗剤はおしゃれ着用洗剤を使い、気になる汚れについてはきちんと前処理を施したあと、やさしく押し洗いします。手洗いで注意したいのが、水の温度。30℃を超えると、セーターが色落ちしたり、縮んだりすることがあるので気をつけましょう」
温度の目安ですが、ひじをつけてみて「水が温かい」と感じるときは、すでに水温が30℃を超えているのだそうです。30℃前後の水は、温かさも冷たさも感じない感覚とのことなので、洗う際に実際にひじをつけてチェックしてみてください。
「ちなみに、前処理も含め、洗濯中にセーターを水中でこすったり、もんだりするのはNGです。繊維が互いにからみ合って縮んでしまうので注意してください」
いかがでしたか? セーターについては「手洗い・ドライ・おしゃれ着コースなどの弱水流コース」で洗うのが型崩れを防ぐおすすめの洗い方なんですね。
洗濯方法さえ知っていれば、自宅でも上手にセーターを洗濯することができます。気になる汚れはこまめに落として、いつでもキレイなセーターでおしゃれを楽しみましょう。
【取材協力】
大貫和泉・・・ライオン株式会社のお洗濯マイスター。消費生活アドバイザー、繊維製品品質管理士、健康予防管理士。洗濯用洗剤などの製品開発・調査に約20年携わる。2児の母としての経験と研究活動を融合し、主婦・母・女性の目線で日々のお洗濯に役立つ情報を『Lidea』にて配信中。