災害時は「健康保険証がなくても」保険診療が受けられる!
null「災害救助法により、健康保険証(※マイナ保険証も含む)がなくても保険診療が受けられます。
ところが、保険証は“持っていること”に意味があります。同法では、医療のほかにも、助産、避難所の利用、炊き出しなどによる食料品や飲料水の供給などについて規定されており、保険証はこれらの救助を受ける際の身分証明書として使えるのです。
また、被災後の生活にはお金が必要になります。財布やキャッシュカード、通帳などが手元になくても、災害救助法により“本人確認書類があれば一定限度の金額の引き出しに応じる”と規定されており、保険証はこの本人確認書類としても使えます。
保険証を持っていることで被災時の諸々の手続きがスムーズに進むのです」(国際災害レスキューナース・辻直美さん)
災害時に健康保険証が必要な理由
(1)早く治療してもらえる
保険証がなくても受診できるが、あると手続きが早く進む。
(2)救援物資をもらう際、身分証明になる
とくに在宅避難をする際は、あったほうが便利。運転免許証やマイナンバーカードでもOK。
(3)復興で支援をうける際、身分証明になる
運転免許証やマイナンバーカードでもOK。
健康保険証はなくても問題ありませんが、あると、あらゆる手続きが早く進みます。
また、健康保険証はマイナンバーカードを基本とする仕組み(マイナ保険証)へ移行し、2024年12月2日から現行の健康保険証は新規発行されなくなる予定です。経過措置期間として、2024年12月2日時点で有効な健康保険証は、最長1年間使用することができるようになるとされています。
マイナンバーカードを取得していない人、マイナンバーカードを取得しているが健康保険証の利用登録をしていない方などに関しては、申請なしで保険者から資格確認書が交付される予定です。医療機関・薬局の受付け時に、この資格確認書を提示することで受診できるとされています。
「マイナンバーカードと健康保険証の原則一本化の方針に基づき、2024年12月2日に従来の健康保険証は廃止(経過措置として、2025年12月1日までは使用可) される予定です。それによって健康保険証はマイナンバーカードでまかなわれます。
被災した場合、通常の健康保険証を紛失したり、使用できない場合でも、マイナンバーカードを利用して医療機関での受診が可能です。ただし、具体的な対応は各医療機関や自治体によって異なるため、事前に確認することをおすすめします。
また、マイナンバーカードを利用する際には、本人確認のための身分証明書が求められる場合がありますので、その点にも注意してください。
被災後のサポートについては、自治体の窓口や専門の相談窓口に問い合わせると良いでしょう」(国際災害レスキューナース・辻直美さん)
災害救助法が適用された場合は、紙の健康保険証と同様に、マイナンバーカード(マイナ保険証)を紛失したり自宅に取り残したりして手元に無くても受診が可能です。
マイナ保険証の移行期のため、今後、仕組みが変わることもあるかもしれません。災害時の取り扱いについても情報をアップデートしておきたいですね。
『防災クエスト ~家族みんなで防災ミッションを攻略しよう! ~』(小学館クリエイティブ)は、子どものいる家庭に最低限知っていてほしい防災の知識を、RPG(ロールプレイングゲーム)風のマンガで紹介しているので、ママだけではなくパパも子どもも、家族全員で防災に取り組むことができます。
また、もっと詳しく知りたい人向けに、図解によるQ&Aページもたくさん用意されています。家族みんなで災害に備えておきたいですね。
『防災クエスト ~家族みんなで防災ミッションを攻略しよう! ~』(著者:辻直美 イラスト: エイイチ 税込1,320円・小学館クリエイティブ)
子どものいる家庭に最低限知っていてほしい防災の知識を、RPG(ロールプレイングゲーム)風のマンガで紹介する本です。
防災スキルを覚えるための13のミッションを紹介しています。知るだけでOKの簡単なものから、少し難易度が高いものまで、さまざまですが、どれもゲーム感覚で取り組めるものばかり。
防災に取り組んでいるのはママだけ、という家庭が多いかもしれませんが、パパも子どもも一緒になって、遊びながら防災に取り組めます。
災害時の新型コロナウイルス対策のほか、災害レスキューナースである著者ならではの、リアルで役立つ情報が満載です。
国際災害レスキューナース、一般社団法人育母塾代表理事。国境なき医師団の活動で上海に赴任し、医療支援を実施。
帰国後、看護師として活動中に阪神・淡路大震災を経験。実家が全壊したのを機に災害医療に目覚め、JMTDR(国際緊急援助隊医療チーム)にて救命救急災害レスキューナースとして活動。
現在はフリーランスのナースとして国内での講演と防災教育をメインに行い、要請があれば被災地で活動を行っている。
「地震・台風時に動けるガイド: 大事な人を護る災害対策」(発行:メディカル・ケア・サービス/発売:Gakken)、「レスキューナースが教えるプチプラ防災」「プチプラで『地震に強い部屋づくり』」(ともに扶桑社)など著書多数。