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【9月1日は「防災の日」】「モンベル」が提案する「もしも」への備えとは?

地震や台風などの天災は起こらないに限りますが、「もしも」への備えはしておくべきですよね。そこで、被災時にも活躍する製品を多数取りそろえているアウトドアブランド『モンベル』へ。おすすめの備えについて、聞いてきました。

アウトドアの知識とアイテムで「暮らしの中の防災」

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ホームページでは、その知識やアイテムを集めた特集ページも組まれています。(画像提供:モンベル)

地震や台風など、自然災害の多い日本。「もしも」は起こらないに限りますが、災害を忘れずに暮らすこと。また、毎日の暮らしやアウトドアでの遊びを通して、普段から防災に役立つ経験や知識を身につけてゆくことが大事だと、『モンベル』では提案しています。

今回は、その知識やアイテムから、いくつかピックアップしてご紹介します。

備蓄にも「フリーズドライ食品『リゾッタ』シリーズ」

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自社開発の「リゾッタ」シリーズ。「ガパオ」421円、「ビビンバ」475円ほか。お湯で戻さず、そのままサクサク食べることも可能です。

登山など、荷物を軽量にしたいシーンで活躍するアウトドアメーカーのフリーズドライ食品。『モンベル』でも、お湯を入れて3分で温かい食事ができる、お米を使用した「リゾッタ」シリーズをそろえています

もともと山ごはんを前提に開発されているから、保存期間が長く、ストックしやすいのも魅力。備蓄しつつ、時にアウトドアで食べながらローリングストックすることで「万が一」の防災用にも活用できます。

カレーやガパオ、コーン、五目など、和洋さまざま10種のメニューは、疲れているときでも食べやすいやさしい口当たり。ガパオは『モンベル』が手がけるカレーが絶品のカフェ「ハーベステラス」監修で、どれも本格的なおいしさです。

被災時で、心身ともにつかれているとき。また、老若男女さまざまな世代が食べる可能性のある備蓄食品だからこそ。「非常時だから」と味をないがしろにせず、おいしいものが食べたい。そんな気持ちにも寄り添ってくれるアイテムです。

備えのヒント:備蓄するものは一度食べてみよう

小さなお子さんなどはとくに、初めての食べ物は受け付けない可能性も。まずは、ハイキングやキャンプで楽しんでみてから備蓄するのをおすすめします。どんなふうに作るのか?味は?など、チェックしましょう。

テント、寝袋など「キャンプグッズ」は避難時に役立つ

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熊本地震発生時の様子。(写真提供:モンベル)
避難所の体育館内にテントが張られた様子。(写真提供:モンベル)

キャンプ場など、アウトドアで眠ったり快適に過ごしたりすることを目的につくられるキャンプ道具は、避難生活でも役立ちます

その一つがテント。就寝スペースはもちろん、着替えや授乳、子どもがリラックスできる居場所にと、役立つそうです。過去を振り返ってみると、TVに映る避難所の体育館では、段ボールでスペースを区切る被災者の様子がありました。テントがあればプライバシーもより確保されますし、季節によっては屋外での避難生活も可能になります。

備えのヒント:マットもあるとより快適

体育館や公民館などは、冬場はとくに床からの冷えが厳しいため、マットがあるとより安心。ない場合は、段ボールを敷くなど、断熱効果のあるものをうまく活用しましょう。また、いざとなった時に張り方がわからない、子どもがリラックスできないなどとならないよう、キャンプやピクニックなどで実際に使って、慣れておくことも大事です。

「ダウンO.D.スリーピングバッグ #1」3万4,100円。

温かく快適な寝袋も、あると安心できるアイテムの一つ。どれくらい続くかわからない避難生活だからこそ、ちゃんと眠るためにも寝具は大切です。

頭まわりは、包み込むように程よくフィット。
L字型ジッパーで開けられるようになっているから、足回りなどの温度調整などもしやすい。

こちらはまゆのような形の「マミー型」のフィット感と、長方形の「封筒型」の開放感を組み合わせたタイプ。適応サイズは身長183cmまでと、大人の男性もゆったり使えるサイズ感です。L字型ジッパーで広げて布団のようにも使用できるので、子どもと一緒に眠るときにも活躍しそう。

また、軽量で暖かく、ふっくらとしたロフト(かさ)の回復性に優れたダウンがたっぷり使われています。その快適温度は-4度C~ 、使用可能温度は-11度Cと、冬場にも使える頼もしさ。

備えのヒント:子どもも安心できるものを選ぶのがおすすめ

『モンベル』のマットや寝袋は、つなげて使うことができます(※旧モデルとはつなげられません)。購入するときに、あらかじめ対応可能かどうかをチェック。シリーズでそろえておけば、寝袋なのに添い寝が可能。ひとりで寝られない小さなお子さんも安心できます。

万が一の水害に「浮くクッション」

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Kid’sサイズは85〜125cm(3,980円)、125〜155cm(4,400円)、そして大人サイズ(9,350円)をラインナップ。

とくに海や川など、水辺の近い学校や職場に導入していただきたいアイテムがあります。その名も「浮くっしょん」というライフジャケット東日本大震災の津波被害で、溺死による死者が多かったことを教訓に考案されたそうです。

普段は椅子のクッションとして使え、いざというときにはフローティングベストに。ポイントは、仰向けに浮くように設計されていること。さらに、枕のように頭の後ろを支える部分があるので、万が一、気を失った場合でも気道が確保されます

普段は座っている椅子に、座布団のように置いておけます。
名前、血液型などを書いておくスペースも。
幼稚園での着用練習。(写真提供:モンベル)

備えのヒント:水遊びにも活用して使い慣れておきましょう

防災用品としての備えはもちろん、水辺でのアクティビティーにも使用可能。小さなお子さんはとくに、まだちゃんと泳げなかったり、水そのものが怖い場合もありますよね。夏場に買って、海やプールなどで楽しみながら使い慣れておけると安心ですね。

ちなみに静岡県沼津市の幼稚園や小学校では「浮くっしょん」の導入が進み、毎月使用訓練もしているそうです。本体には装着手順が大きくプリントされています、慌てていたり、文字がまだスムーズに読めない子どもの場合は、やはり練習しておきたいもの。

安心・安全な飲み水を確保できる「浄水8秒のボトル」

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「ジオプレス ピュリファイヤー」1万4,850円。

「もしも」に備えて、ペットボトルで水を備蓄しているご家庭は多いのではないでしょうか。しかし、それが尽きたら?また、万が一、きれいな飲料水が手に入りづらい状況下にあったら?飲み水は欠かせないからこそ、しっかり備えておきたいものです。

防災に導入したい!と記者が注目したのは「ジオプレス ピュリファイヤー ワンウェイバルブ付属」。浄水カートリッジとボトルが一体になった浄水ボトルです。普通はなかなか取り除けないウイルスやバクテリア、エキノコックスなどの原虫も、99.9%以上除去するというデータが出ているそうです(※グレイル社調べ)。

(1)アウターボトルを外し、水を汲みます。こんなに濁っているのに、本当にろ過できるのでしょうか。
(2)入れる目安はボトルの線まで。堆積物の多い水を汲む場合は、布などでこしてから。
(3)インナープレスをアウターボトルにセットします。この交換式浄水カートリッジのおかげで水がきれいになるそう。
(4)真上から体重をかけてゆきます。このとき、飲み口のフタは1/2回転開けておきます。
(5)じわじわ圧力をかけてゆくことで、浄水フィルターを水が通り、ろ過されてゆきます。
(6)最後までプレスされたら、ろ過完了。

使い方は、アウターボトルに水を汲み、そこに浄水カートリッジのついたインナープレスで圧をかけてゆくだけ。いわゆるコーヒープレスの要領で、シンプルです。

記者も実体験しましたが、圧をかけるときはフラットな場所が行いやすく、おすすめです。

 

白い部品が「ワンウェイバブル」。

今回見せていただいたモデルには、インナープレスの交換式浄水カートリッジに「ワンウェイバブル」という逆流防止弁つき。浄水した水の逆流を防ぎ、ボトルでそのままお茶やドリンクをつくることができます。なるべく洗い物や必要な道具を減らしたい時に、ありがたいですね。

AFTERのお水。きれいにろ過されました。

そして、ろ過されたのが、このお水!見てください。Beforeと比べると、透明で、においも気になりませんでした。

カートリッジは、およそ300〜350回ほどろ過できるそうです。

備えのヒント:きれいに見える水、それって本当?

山や沢などフィールドの水、海外での生水など、きれいに見えるけれど実は……!という場合がありますよね。災害時の生活用水の確保はもちろん、アウトドアや旅行先でも活躍するので、浄水アイテムは備えておくと一層安心です。

まずはリアルに使って外遊びを楽しもう

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「エクセロフト キャンプシューズ」4,400円。

今回ご紹介した以外にも、ヘッドランプやランタンは明かりが限られる避難生活での移動に。テントシューズは避難所の体育館などでの室内履きに。シェラカップやクッカーセットなどは食器に。ワンバーナーはお湯を沸かしたり簡単に調理するときに……などなど。

アウトドアアイテムは「もしも」にも活躍するものばかり。大切なことは、わざわざ防災用にそろえるのではなく、本来の外遊びで使って楽しむこと。そこで自然と身に付く知識と経験さえあれば、きっと恐がりすぎる必要はないと感じられますよ。

※価格は全て税込です。

【取材協力】
mont-bell

ニイミユカ
ニイミユカ

兵庫県出身、浅草在住。一児の母。主に食や体のことなど、生活にまつわる地に足のついた企画を、雑誌や書籍、WEBメディアなどで編集・執筆する

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