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災害時の「水&電気」はどう確保する?へーベルハウスの最新の災害対策を見学してきました

3月11日を機会に、改めて自分や家族が災害に直面した時の対応について考えた人も多いと思います。ハウスメーカーでも、家を建てる際には災害時の対応を組み込んでおくという考えが広がっています。中でも災害に強い家づくりで定評のある『ヘーベルハウス』のモデルハウスにお邪魔して、最新防災の考え方や、取り組みについてうかがってきました。

災害は「対策」ではなく「想定」から始める

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防災対策は多くありますが、その家に必要な優先順位の高い対策は何か、具体的にどんな被害が出るだろうかという「想定」をすることが大切です。

ひと口に地震・風水害と言っても、住んでいる場所によりリスクはまちまち。

地震が起きたら?想定されること

地震時:地盤崩壊・建物倒壊・家具転倒・モノ落下
地震直後:津波・火災・停電・断水・通信遮断
地震後:食料と水・エネルギー・トイレ不足

風水害(台風・豪雨・竜巻)が起きたら?想定されること

平地ほか:建物の倒壊・飛来物
低地では:高潮・堤防決壊
傾斜地では:土砂崩れ
高台では:下水の氾濫による浸水もあり得る

津波や浸水は低地で、土砂崩れは山沿いで起こります。このように、自分の住む地域ではどんな災害でどんな被害が想定されるかを整理することから始めてみましょう。そして、その被害を防ぐためにはどんな対策を立てればいいかを考えます。

災害が起きたときに「回復する力」を高めよう!

これまでは災害は「めったに起こらないこと」として対策がされてきましたが、「頻繁に起こること」に認識が変化しつつある現在。実際に被害があった際の「レジリエンス(回復力)」が重要になるというのが最近の防災についての考え方です。

建物の性能が向上し、地震で家自体が倒壊することは少なくなってきました。しかし、家が無事でも災害時は食料や水、電気の供給が止まってしまうことがあります。そうした事態にどう備えるか、具体的な対策を見ていきましょう。

「災害対策用品、どこに置く?」を想定した家づくり

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大型パントリーで食品を確保

大型パントリーの設置例。
パントリー内の配置例。ジャンルごとに分けて入れるとストックの状況が一目で分かる。

食材のローリングストックについてはすでに知っている人も多いと思いますが、農林水産省の「災害時に備えた食品ストックガイド」などを参考に、家族4人分の食品を用意しようとすると、かなりの量になることが分かると思います。

十分な備蓄を確保するには、パントリーにはこれまでよりも余裕をもたせることが重要になります。最近は常温で保存できる食品も増えたので、パントリーを大型化した間取りが人気です。

床下に常に36Lの水を備蓄する!

実際にはタンクは見えませんが、床下に水が確保されていると思うと心強い!

また『ヘーベルハウス』では、日常で使う水道管の経路にタンクを設置しておき、断水した時はポンプで汲み出して使える「飲料水貯留システム」を採用することができます。

容量は36L。水の必要量の目安は1日1人当たり3Lとされていますから、4人家族の3日分の水をまかなえることになります。

費用は20万円程度かかりますが、もっとも大切な水が常に備蓄されている安心感は大きいですね! 家の外に後付けで設置できるタイプもあるそうです。

太陽光発電&家庭用蓄電池で停電時の電源を確保

水や食料の確保に気を取られがちですが、電気の確保も切実な問題。家庭用の蓄電池などを備えている人はまだまだ少数派かもしれません。

書斎コーナーの片隅(画面右下)にあるのが……
蓄電池!家の中のどこでも設置できるそう。

太陽光発電を採用していても、夜間など発電できない時間帯は電気が使えません。そこで役立つのが「家庭用蓄電池」。容量5.6kwh、最大1500Wの容量であれば、標準的家庭の1日の使用量の半分程度の電気を貯めておくことができます。

家の中の明かりはもちろん、冷蔵庫やスマホの充電など、最低限必要になる電気は安定して供給することができます。夜間に電気を使っても、晴れていれば3~4時間で5.6kwhの蓄電池が満充電されます。

昼間は太陽光発電の電気が余った状態になるので、その間にお湯を沸かして保温ポットに入れておくなど、負荷のかかる作業を昼間に行い、夜間の電力消費を抑えるといった暮らし方のコツもあります。

もちろん蓄電池は、、平常時でも昼間の余剰電力を蓄え、夜使うことで電力消費も抑えてくれるので、電気代が高騰している昨今ではメリットがより大きくなってきました。

非常時に必要な物を取り出しやすく

食料品以外にも、非常用に持ち出す物を収納するスペースも必要になります。

玄関の横に大型のシューズクローゼットがある間取りが最近人気ですが、ここも、防災グッズ(寝袋・簡易トイレ・懐中電灯など)の収納に活用できますね。

今回、筆者はモデルハウスに行くのも初めて! 素敵なおうちに胸が高鳴った一方、防災や省エネ対策のための設備・素材についての展示も多くあり、ハウスメーカーの方の安心・安全な家づくりへの情熱を強く感じました。

 

『ヘーベルハウス』ほか関連企業では、災害時への備えについてのさまざまな取り組みをホームページで公開しています。家づくりの際だけでなく、今の家でできる対策についても参考にできる点がたくさんあるので、ぜひチェックしてみてくださいね!

【資料提供】

・旭化成リフォーム株式会社:イマドキそなえ
https://www.hebel-haus.com/reform/menu/imadoki.html


【取材協力】

ヘーベルハウス

旭化成ホームズ株式会社の戸建住宅・注文住宅ブランド。地震などの災害に強い構造に定評があり、安心で快適な暮らしを長く続けるための家づくりに取り組む。

公式HP:https://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/index.html/
公式Instagram:https://www.instagram.com/hebelhaus_official/

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