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【防災士のアドバイス付き!】家や命を守るため「台風や集中豪雨」の前に備えておきたいこと

9月1日は「防災の日」。これまでkufuraでは、おすすめの防災グッズ・非常食、心得といった防災記事をお届けしてきました。今回は、いまの時期とくに注意しておきたい「台風・集中豪雨」に注目。上陸・発生の前にやっておくといい備えを見直していきましょう。

まずは、20~50代の男女500人に「台風・集中豪雨が近づいた時にやっている備え」をアンケート調査しました。みなさんが取り組んでいる備えとともに、防災士の資格をもつ金子志緒さんのアドバイスもお届けします!

1:家の外にあるものをしまう・固定する

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「庭に出してある鉢植えを全て家の中に入れて、すだれを外して家の中に入れてしまう」(45歳女性/研究・開発)

「普段洗濯するときに使っているベランダの物干し竿数本が、風で落ちたり飛ばないように紐で縛ってひとまとめにした後、ベランダの床に寝かせている」(35歳女性/その他)

「BSアンテナを外した。庭のテラスが飛ばないようにロープで引っ張って固定した」(55歳男性/その他)

「家の前に停めている自転車が倒れない様に、紐で鉄柵に結び付けておく」(51歳男性/総務・人事・事務)

「カーポートの屋根が取れた事があるので、台風が来るときにはロープで固定している」(40歳男性/その他)

筆者は、台風の日の晩に飛来物がベランダの「隔て板」に当たって、飛散した経験があります。その威力に、もし窓に当たっていたら……と考えるととても怖い思いをしました。動いてしまいそうな物は屋内にしまったり固定しておくと、自身の家はもちろん、ご近所に被害が及ぶのも防げそうですね。

金子さんからのアドバイス

わが家では鉢植えの移動がしやすいように、軽量なプラスチック製のものを使っています。しまえないくらい大きくて重い鉢植えなどは、あらかじめ倒してビニールをかけ、動かないように固定しておくのも一案です。新聞紙で土の表面を覆っておくと土がこぼれなくて済みます。

庭木も支えを強化したり少し剪定したりして、万が一の被害を減らせるように備えましょう。

2:排水口や雨どいを掃除しておく

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「側溝と雨どいの掃除」(59歳男性/営業・販売)

「道路横の側溝がゴミで埋まらないように、取り除いている」(56歳男性/公務員)

「ベランダの排水口を掃除。詰まるとやっかいなので」(46歳男性/デザイン関係)

水が溢れて思わぬ冠水被害を防ぐためにも、家の周りの側溝や雨どい、排水口にチェックの目を。雨漏りにつながるケースもあるようなので、事前にゴミや詰まりを取り除いて、水はけをよくしておきたいですね。

金子さんからのアドバイス

排水溝や雨どいに落ち葉が堆積すると取り除くのが大変なので、日頃から心がけて掃除をしておきましょう。高所の雨どいは清掃会社に洗浄を依頼したほうが安全です。

ベランダの排水口は、異物が直接流れて詰まらないように、周囲に金網などを設置しておくのも手です。台風後の掃除も簡単に済みます。

3:窓を補強する・雨戸を閉める

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「とりあえず窓が割れないように雨戸を閉めている」55歳男性/その他)

「窓に飛散防止フィルムかガムテープを貼る」49歳男性/営業・販売)

「ガラスにテープをして上から段ボール、更にカーテン」47歳男性/その他)

「窓ガラスすべてに猫用に買ってある大判のペットシートをはりつけて、ガラスの飛散防止に備えた」51歳女性/主婦)

雨戸やシャッターを閉めておけば、窓ガラスが割れてしまう被害を防ぐことができます。これらが付いていない窓には、飛散防止フィルムや養生テープでガラス片の飛散を防止している方が多くいました。さらには段ボールやペット用シーツなどを活用している人も。

金子さんからのアドバイス

台風対策として、窓ガラスに養生テープを貼る方法がよく知られていますよね。米印に貼ることでガラスの強度が若干上がり、テープの部分には飛散防止効果もあります。

ただ、テープを貼っていない部分に物が当たる可能性もあるので、窓全体に飛散防止フィルムを貼っておくほうがリスクを減らせます。たとえば危険度が高い道路側の窓だけでも対策しておくと安心感が増します。

4:水嚢・土嚢を用意する

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「水嚢を玄関に置く」(47歳男性/公務員)

「土壌袋を用意して氾濫しそうな所を埋めました。常備しています」(31歳女性/学生・フリーター)

「水が上がって風呂場の栓が上がらないようにビニールに水を入れて蓋をして、浴槽に水を溜めた」(38歳女性/その他)

「車庫の前にブロックを並べる」(47歳女性/その他)

とくにおうちが低地にある場合は、家の中の浸水や排水口からの逆流を防ぐアイテムとして水嚢・土嚢を準備しておくと安心かもしれませんね。車を守るためにブロックを活用した方もいましたよ。

金子さんからのアドバイス

45リットルのゴミ袋を2枚重ねて簡易的な水嚢を作ることもできます。もし屋外に置く場合は、段ボール箱に入れたりレジャーシートで包んだりすると破れにくくなっておすすめ。

トイレ、風呂場や洗濯機の排水口を水嚢(ゴミ袋でOK)でふさいでおけば、下水や汚水の逆流を抑える効果があります。また、大雨のときは下水道に流入する水の量を減らすため、洗濯機の使用を控え、節水を心がけることも重要です。

5:非常持ち出し品の用意・点検&ライフラインの確保

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「断水に備えて浴槽に水を張る。食べ物等はなんとかいけそうだがトイレを流さないのは辛いため」(47歳女性/総務・人事・事務)

「ペットボトルに水を貯めて飲み水に困らないようにしています」(28歳女性/金融関係)

「非常食を準備する。車の中に毛布など車中泊しても良いように準備する」(32歳女性/コンピュータ関連以外の技術職)

「数日分の水、非常食の確認、浴槽に水、電池の確認などしました。1度5日くらいの停電になったので家にあるバッテリーの充電は忘れずにします」(59歳女性/主婦)

「雨戸がある場所は全部閉める。停電になった場合に備え懐中電灯やロウソクの在庫確認。ガスコンロのガスの確認」(59歳男性/その他)

「非常食の事前買い出しと、バッグに詰めてから就寝しています」(47歳男性/コンピュータ関連技術職)

今回のアンケートでは、多くの方が水や食料などを備蓄したり、ラジオや懐中電灯などの防災アイテムを備えていると回答しました。台風や集中豪雨は、突然起こる地震と違ってある程度対策をたてる時間がありますよね。モバイルバッテリーをフル充電にしておく、電池やガスの残量を確認するなど、細かな点もチェックをしておくと安心ですね。

金子さんからのアドバイス

速やかに安全な場所へ避難するための「非常持ち出し袋」は必ず用意しておきましょう。両手があくリュックサックに常備薬、食料、水、ライトなど必要最低限のものを用意するだけでもOKです。

備蓄品は自宅の複数箇所に分けて置くと、避難後に家が倒壊・浸水していても取り出せる可能性を高められます。ただし、ガスコンロは水に濡れると使えなくなる場合も。わが家では、水を入れるだけで食品や飲料を温められる便利グッズ「モーリアンヒートパック」も備えています。

その他にこんな対策をとってる人も!

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「避難場所の再確認。避難場所までの移動ルートの確認」43歳男性/その他)

「水害に備えて電化製品や貴重品を2階に運びました」38歳男性/営業・販売)

「車を高所に移動させる」51歳男性/その他)

「ラジオに使う電池を充電式にしておく、また雨漏りなどに対応するためにバケツを3個以上用意しておく」58歳男性/その他)

「壁のヒビに接着剤充填」56歳男性/その他)

災害発生に備えて、避難場所やルートをしっかり確認しておくことも大切ですね。貴重品などはなるべく高い位置に移動させておくのも無理なくできる対策のひとつと言えます。もし余裕があれば、台風や豪雨でダメージが広がらないよう、ひび割れ箇所などを修繕しておくのも手ですね。

 

気象状況によって台風や豪雨が大型化・局地化し、思わぬ災害に見舞われるのは誰の身にも起こりえます。金子さんからのアドバイスも参考に、“備えあれば憂いなし!”の精神で対策を整えていきたいですね。

 

【参考】

気象庁 台風や集中豪雨から身を守るために 「自分で行う災害への備え」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/ame_chuui/ame_chuui_p10.htm

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