就職祝いを贈るときの基本マナー
就職祝いを贈るタイミング
就職祝いを贈るのは、入社日の1カ月〜2週間前が多いようです。入社日前後は、本人がとても忙しいため、早めに渡す人がほとんどです。入社日を過ぎてしまった場合は、入社後1カ月以内を目安にします。
就職祝いの相場
就職祝いを現金で贈る場合の金額は、5,000円〜50,000円と幅があります。本人との関係性、血縁の深さ、贈り主の年齢などでも変わってきますが、一般的な相場としては以下の通りです。
- 両親や兄弟、親戚から:10,000円〜30,000円
- 祖父母から:30,000円〜50,000円
- 友人や知人から:5,000円〜10,000円
一般的には10,000円前後にすることが多いようです。
のし袋の選び方と表書き
現金をのし袋(祝儀袋)に入れて贈る場合の表書き(名目)は、
- 就職御祝
- 祝御就職
- 御就職御祝
- 御祝
などがあります。
就職祝いを贈る場合、関東では紅白5本蝶結びの水引を使用します(関西ではあわじ結びも使われます)。
現金を入れるのし袋だけでなく、就職祝いとして渡す品物にかけるのし紙でも同様です。
のし紙やのし袋の書き方等について、詳しくはこちらの記事もご参照ください。
もう迷わない!のし紙・のし袋の表書きと中袋の書き方を徹底解説【お祝いのマナー】
男性・女性向け 喜ばれる就職祝いのギフト
職種にもよりますが、できるだけ職場で役立つような実用品がおすすめです。金額的には前述した現金で贈る場合の相場と同様に考えれば良いでしょう。
就職祝いとしてよく贈られるものの例を以下に挙げます。いずれも相手の好みをよくリサーチした上で贈るか、リクエストがあるか聞くと良いでしょう。
- 腕時計
- 名刺入れ・パスケース・通勤用バッグ・財布などの革製品
- ネクタイ・スーツ・オーダーシャツの仕立て券など
- 印鑑(実印)
- 万年筆やボールペンなど日常的に使用するもの
- タブレット・スマートフォン・スマートウォッチなどデジタルデバイス
選ぶポイントは以下の通りです。
腕時計は、男性向けはスーツに合うデザインのものを選びましょう。女性向けはデザインも用途も豊富なので、本人の好むものを選んであげたいものです。男女ともに、フォーマルな場でも着用できるものがよいでしょう。
ビジネスバッグはA4の書類が入るサイズが基本です。収納するポケットが多くあるものが便利です。素材は様々ですが、仕事柄を考えて選ぶとよいでしょう。最近では通勤にもバックパック(リュック型)を使う男性も多くいます。いずれもスーツに合う色の物を選びましょう。
ネクタイを贈る場合には、紺やグレーのスーツに合う色で、派手すぎないデザインのものを。
ペン類は名前を入れられるものも多いため、良い記念になります。
相手の好みがわからない時は、花(花束やアレンジメント)、ワイン、シャンパンなどの酒類などもおすすめです。
就職祝いをもらったら
就職祝いは基本的にお返しの不要なお祝いですから、結婚祝いや出産祝いで行われるような「内祝い」の習慣はありません。もしお返しするにしても、社会人生活に慣れた頃に簡単なお礼の品物を用意すればよいでしょう。
お礼の言葉はしっかりと
お返しは不要でも、もちろんお礼を伝えることは必要です。もらいっぱなしにせず2~3日中にお礼の電話か手紙を郵送しましょう。ちなみにメールやSNSなどでお礼のあいさつを済ませるのはひとまず届いた報告と考え、よほど親しい人以外(特に目上の人に対して)は社会人としてしっかり手紙を郵送することが礼儀にかなっています。
お礼状について詳しくは後述します。
お返しの時期
お返しは必ずしも必要ではありませんが、感謝の気持ちを伝えるために何かしたいということであれば、一般的に初任給や初ボーナスの支給後がふさわしいとされます。自ら稼いだお金でお礼をするべきとの考えからです。一人前の社会人になったという報告とも受け取ることができますね。
お返しの相場
お返しの品物選びは、一般的にはもらった額の半分から3分の1が相場です。ただ、初任給や初ボーナスでのお返しであれば、高額なお祝いに対しては相場通りにお返しする必要はありません。感謝の気持ちが伝えられる金額を考えて贈ります。
お礼状
お祝いをもらったらお礼状を書きましょう。社会人になるとお礼状などを書く機会も多くなりますから、その初めの一歩でもありますね。
お礼状には便箋かカードを使用しますが、目上の人に出す場合は便箋を選びます。できれば印刷ではなく心を込めて直筆で書きましょう。目上の人には縦書き、親族や友人など親しい人には横書きで書いてもOKです。
就職祝いは受け取る側の嬉しさはもちろん、贈る側も新しい世界に飛び立つ若者への期待でワクワクするもの。最近の若者は好みや要不要の判断もはっきりしているので、欲しいものに関しては贈る前に率直に聞くのも大切なことです。
社会人としての第一歩を応援するという気持ちを込めたお祝いをしましょう。もらった側も社会人の第一歩として、お礼の気持ちをきちんと示しましょう。