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コンサートやライブで「アンコール」が無いなんて…!? タイパを考えるならナシでもいい勢も

コンサートやライブの本編が終わったあとに、数曲だけをおまけで演奏する「アンコール」の存在。昭和~平成では、よっぽど気難しいアーティスト以外はアンコールを行うものでした。が、最近は「アンコールはやりません」というアーティストがちらほらと増えているようです。

アンコールはあるものだった昭和~平成

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筆者は長年、推し活をしています。そのときによって推しが変わる場合もありますが、子どもが生まれた今も、年に数回はライブに足を運んでいます。主にアイドルのライブに行くことが多い筆者は「アンコール」は当たり前にあるものとの認識です。

アンコールでは、推したちがツアーTシャツに着替え、本編よりもラフな姿で登場してくれます。そのツアーTシャツもそれぞれ個性を出していて、大幅に破って肩出しにしてみたり、ラインストーンをつけてデコっていたり。ようはファンたちの購買意欲をそそるものに仕上げているわけですが、そんな推しのかわいらしい姿が見られる時間はたまりません。また少しでも長い時間、推しを見たいファンにとって、例えそれが「予定通りのアンコール」だったとしても、再びステージに戻ってきてくれるのは嬉しいものです。

しかし近年、アンコールをしないアーティストが増えているとか。例としてあげると、あいみょん、SUPER BEAVER、マカロニえんぴつ、Vaundyなどの若手アーティストは本編のみで終了するパターンが多いのだそうです。もしかして、みなさんアンコールは必要ないと思っているのでしょうか?

今回は「アンコール」について20代〜70代まで幅広い層の方に意見を伺いました。

「アンコール」とはフランス語の「再び」を意味する言葉「ENCORE」が語源です。拍手とともに「もう一度聞かせて!」という意思表示を演者に伝えます。

アンコールはライブの醍醐味!

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Q あなたは、行ったライブが「アンコール無し」だったら、どう思いますか?

「アンコール無し」を肯定する意見: 20% 平均年齢45.14

「アンコール無し」を否定する意見: 51% 平均年齢49.88

どちらでもない意見、その他、要望など: 29% 

「アンコール無し」を否定する方のほうが多い結果になりました。意見の違いに年齢は関係ないようでしたが、過去の経験から「アンコールがあるのがライブである」と認識している方もいるようでした。

【アンコールは必要派】

「もう一度聴きたいからアンコールは欲しい!」 (51歳/女性)

「盛り上がるのでアンコールはあったほうがいいと思う」 (39歳/女性)

「アンコールは、コンサートの一部。 アンコール含めてのコンサートなので、無しでは成り立たないです」 (45歳/女性)

「やっぱりアンコールはあった方が良いと思います。しかも2段階で行なわれるアンコールが好きですね。わかってはいるけど、終わったあとにアンコールを待つワクワク感がたまりません」 (52歳/男性)

「アイドルのコンサートにはアンコールは欲しいです。演目が終わってから、最後にTシャツで出てきて1曲歌ってファンサービスをしてもらえたら嬉しいからです」 (39歳/女性)

「昔は、Kis-My-Ft2が大好きで遠征までしていました! アンコールは特別でファンとの距離も近く、プライベートに近い服装も楽しみでした。今は無いんですね……なんだか寂しいですね」 (36歳/女性)

「アンコールはあった方が余韻に浸れる。だから、あった方が良い」 (35歳/男性)

「アンコールでしかやらない曲などがあるので、アンコールありきで期待して行きます。アンコールはあった方が良い。 無いなら無いで、事前に告知しておいて欲しい」 (37歳/女性)

「アンコールはファンの人へのお礼やプレゼントのような感じがするので、あった方が良いと思います」 (47歳/女性)

「アンコールがあった時代なのでアンコールがないと寂しい」 (61歳/女性)

「アンコールがないとあっけないし、寂しいし、盛り上がりに欠けるしアンコールは欲しい」 (28歳/女性)

【アンコールは不要派】

「帰宅時間とかもあるのでアンコールはなくてもいいと思います」 (45歳/女性)

「アンコールまでの時間を待たないといけなくなるため、無しで終わった方が時間が有効に使えるように思う」 (44歳/女性)

「アンコールがあって当たり前になっているので、ありか無しかは、そのバンドが決めればいいと思う」 (38歳/女性)

「一回アンコールをしてくれたら、もう一回、もう一回……となりそう。嬉しいけど、キリがなくなりそうなので無くても良い」 (54歳/女性)

「最初からリストに入ってしまっている感じがして、『本当に盛り上がって』の時だけアンコールに応えてくれるといいです」 (50歳/女性)

「気持ちもわかるし、しぶしぶ周りの気配に押されてアンコールするのも嫌。散々演奏(演技)し終わったアーティストの疲れもわかります。アンコールが起こらなかったときのアーティストの気持ちもわかる気がするから、見る側も見せる側も負担が少ないのはアンコール無しかとも思う」 (50歳/女性)

「アンコールありきになっている風潮があるので、なくてもいいと思う。オーディエンスの応援があってこそアンコールをすべきだと思います」 (28歳/女性)

「アンコールがないほうがスパッと終わり、気持ちの切り替えとともに満足感が溢れてくるから好きです。出てくるとわかってるアンコールに意味があるのか前から疑問でした」 (40歳/女性)

「アンコール無しの方が良いです。 アンコールがあるといつ終わるのかわからないので、帰るタイミングなどを考えるとない方が良いと思います」 (29歳/男性)

「アンコールがない方が、帰りの電車など時間調整しやすくて助かります 」(38歳/女性)

みんなでアンコールを叫ぶのは、盛り上がっている証拠。

「アンコールをして欲しい」派は、ライブでの「満腹感」をより一層高めたり、余韻に浸れる時間を増やすためにもアンコールは必要だと考える意見が多いですね。

反対に「アンコールが無しでもいい」派は、アンコールが「お決まり化」していることも気になっている様子。本来のアンコールは、観客があまりにも盛り上がっているから、予定していなかったけれど、観客の気持ちに応えてアーティストが再び登場してくれるもの。それが「どうせこのあとアンコールもあるし」という流れでは、どこかで義務感が生まれてしまうのかもしれません。

アンコールがあるのがわかっている現場では、それを待っている間の拍手や掛け声(アンコール!などの)をしない人や、トイレに行く人がいたり、体力を温存する時間になっていることも事実。

本気でアンコールをして欲しいのであれば、そこは全力でアンコールを待つ時間にしなければいけないのかもしれないですね。

客電が消えていて、ステージにまだ明かりがついているのであれば、アンコール演奏はある……!

アンコール無しなら、事前に言ってほしい!

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これまで当たり前だった「アンコールありのライブ」が変わりつつある昨今。あると思っていたアンコールがないとわかり、残念に思っている方もいました。

「気になるボーカリストのライブへBillboardに行った時、予期せず“アンコール無し”を経験しました。 これまでアンコールはお約束だと思っていたので、率直に拍子抜けしました」 (53歳/女性)

「無しです、と最初に明記してあれば帰るタイミングが掴みやすいから良いと思う。あれば嬉しいけど、あるかないかわからないのは困る」 (49歳/女性)

夢のような時間から、現実に引き戻される境界がアンコールタイムには存在する。

筆者としては、どちらの意見もわかる!と思いました。これまで絶対にあった「アンコール」が急になかったら……。あの瞬間が終わりだったの!?と、悲しい気持ちでライブを終えてしまう気がします。どれだけ素晴らしいライブでも、なぜか心残りが……。もちろん、アンコールを当たり前と思ってしまうのは間違っているとも思います。しかし、毎回あったのに今回からないとなるのは、ちょっと納得がいかないかも。

事前に告知されていれば、アンコール無しを受け入れるという意見もありました。とはいえ「アンコールはありません」と事前に明記するのも、少し違和感がありますよね。やはり「予定調和のアンコール」を廃止して、観客の盛り上がりあってこそのアンコールとするべきなのでしょうか。

アンコールの有無に対する好みは、ライブに求める満足感やアーティストへの配慮や敬意など、さまざまな要因によって異なるようです。筆者はどれだけ長くてもいいので、叶うのであればダブルアンコールも願ってしまいます!

どちらにしても、ライブを体験するときのワクワク感や特別感は、何にも代えがたい時間ですよね。2時間(アンコールがあればもっと長い)のライブが人生を華やかにしてくれている気がします。

中山夏美
中山夏美

山形県出身在住。一児の母。出産を機に2020年に東京からUターン。アウトドアとエンタメを得意とするライター。雑誌やWEBメディアに携わる。

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