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子連れの旅行計画は「ChatGPT」でもう悩まない!ワーママ専門家が教える“子育てで頼れる使い方”5選

「ChatGPT」などの生成AIがどんどん身近になってきています。「全く使ったことはない、でも興味はある」という人も多いかも。そこで専門家に聞いた、毎日の生活の中での活用方法をご紹介します! 今回は「育児の場面での便利な使い方」について。宿題の管理から物語を作るお手伝い、はたまた煮詰まる親のメンタルケア……幅広く活躍してくれるから、忙しいママパパの大きな助けになってくれそうです!

【おすすめシーン1】子どもの学習計画を立ててもらう

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前回は、生活の中でのChatGPTの活用方法について伺いました。今回は、引き続きWebマーケティングコンサルタントの安達 恵利子さんに、子どもとの毎日を便利に楽しくするChatGPTの使い方を教えてもらいます!

「まず子どもとChatGPTを使用するにあたっての注意点を。ChatGPTは『利用者が13歳以上であること』という年齢制限を設定しています。また18歳未満の場合、サービスを利用するには、親権者又は法定後見人の許可を得る必要があると定められています。

もちろん個人情報は入力しないよう、子どもにもしっかり伝えてくださいね。最後にも詳しく説明します」と安達さん(以下、「」内 安達さん)。

ChatGPTには無料版と有料版がありますが、今回は無料版で使える機能の範囲でご紹介します。ブラウザを経由してパソコン、スマホ、タブレットどこからでも使用できますし、スマホアプリもあるので、使いやすいものからトライしてみてくださいね。では、早速5つのシーン別に見ていきましょう。

「ChatGPTをスケジュール管理に活用するのもおすすめの方法です。例えば、『小3の子どもが苦手な算数を毎日少しずつ復習する計画を立てて』などと入力して、家庭学習の計画を立ててもらいましょう。また、夏休みなどたくさん宿題があるときにも、効率的なスケジュールを提案してくれます」と、 安達さん(以下、「」内 安達さん)。

質問の例

「夏休みの宿題は以下です。
・国語ワーク 40ページ
・算数ワーク 30ページ
・自由研究・工作
・毎日の絵日記
・読書感想文
7月22日から始めて、8月20日までに終わらせたい。勉強は基本的に午前中だけ。毎日の学習計画を立てて」

回答の例(抜粋)

夏休み宿題計画(7/22~8/20、期間:30日間)
勉強時間:午前中のみ

■学習計画(例)
7月22日~8月16日(平日20日間)
国語ワーク:毎日2ページ
算数ワーク:毎日2ページ
絵日記:毎日1枚
※これで平日に 国語・算数ワークは完了します!

■自由研究&工作の日程
7月27日・28日:テーマ決め&下調べ
8月3日・4日:作業日1(半分くらいまで進める)
8月10日・11日:作業日2(完成させる)

■読書感想文の日程
8月17日:本を読んでメモを取る
8月18日:下書き
8月19日:清書
8月20日:見直し&仕上げ

■余裕を持たせる工夫
ワークは平日で終わるように設定 → 土日は予備日やお出かけにも使える!
感想文や自由研究は土日に集中 → 平日の負担が減る!

これなら無理なく計画的に宿題が終わりますね! もしお子さんのペースに合わせて調整したい部分があれば言ってくださいね!

このほか、興味や関心のあることを伝えて自由研究のアイディアを出してもらうなどの活用方法も。テーマが決まれば、それに関して必要な文献リストを出してもらい、それを参考に図書館に行って本を探すなどかなり効率化できますね!

【おすすめシーン2】子どもと一緒にストーリーを作る遊びを手伝ってもらう

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「お話を作るというのは子どもの想像力を育てるのにとても適した方法ですが、何も指針がないとなかなか話が広がりません。“お話を考えて”というのではなく、お話を進めるヒントをもらうとスムーズに進みます!」

質問の例
「“魔法の森に迷い込んだ男の子”という設定で、続きを子どもと一緒に考えたい」

回答の例(抜粋)

「魔法の森に迷い込んだ男の子」続きのアイデアのヒント

お子さんと一緒に考えられるように、質問形式で物語を広げるヒントを用意しました!

(1)森に入ったきっかけは? 男の子はどうして森に入ったのかな? 森はどんな様子だった?
例)道に迷った/落とし物を探していた/ふわふわ光る木があった/道がねじれていた

(2)森で出会うものは? どんな生き物に出会うかな? その生き物は男の子に何をする?
例)しゃべるフクロウ/光る妖精/道を教えてくれる/魔法のアイテムをくれる/謎のクイズを出す

(3)ピンチや冒険は? 男の子は森でどんなピンチに遭う? どうやって乗り越える?
例)足元に穴があいて落ちそうになる/魔法の霧で道が見えなくなる/動物が助けてくれる/魔法のアイテムを使う

(4)ゴールは?男の子は森で何を見つける? 最後はどうなる?
例)秘密の扉/魔法の鍵/不思議な宝石/元の世界に帰る/魔法を使えるようになる

一緒に考えるコツ「へぇ~!それ面白いね!」「そんな生き物がいるんだ!」と、お子さんの発想を面白がると想像がふくらみます。「その生き物はどんな色?」「どんな声かな?」と 具体的なイメージを質問すると楽しくなります! 楽しい物語ができそうですね。どんなお話になるか、ぜひ教えてくださいね!

ここでは「お話を考えて」ではないというのがポイント(もちろんそういった使い方もできます)。寝る前にこれらのやりとりをおおよそ頭に入れておけば、明かりを消した部屋でゆっくり話し合うことができるので、寝かしつけのときにもぴったりです。

【おすすめシーン3】子どもとの旅行計画を立てる

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「普通、旅行の計画を立てるときは、行先がまず決まっていて、日程、予算などから考えます。でもChatGPTを使うときは雰囲気、こんなことがしたい、など、もっとふわっとした内容から検索できるんです。いろいろな選択肢が出てくるので楽しいですよ!」

質問の例
「大人2名・小学生の子ども2名の4人家族です。予算一人5万円以内で、大阪から2泊3日で行ける“昔話の世界っぽい雰囲気”の旅行先を教えて」

回答の例(抜粋)

ご家族4人で、大阪から2泊3日、一人当たり予算5万円以内で「昔話の世界っぽい雰囲気」を楽しめる旅行先として、以下の場所をご提案いたします。

1. 城崎温泉(兵庫県)
城崎温泉は、風情ある街並みと7つの外湯巡りで知られる関西屈指の温泉地です。​柳が揺れる大谿川沿いを浴衣姿で散策すれば、まるで昔話の世界に迷い込んだかのような情緒を味わえます。​大阪からは特急「こうのとり」で約2時間30分、車でも約3時間でアクセス可能です。(以下略)

2. 有馬温泉(兵庫県)
日本最古の温泉地の一つである有馬温泉は、歴史と伝統が息づく情緒豊かな街並みが魅力です。​金泉・銀泉と呼ばれる独特の泉質を持つ温泉を楽しめます。​(以下略)

3. 淡路島(兵庫県)
淡路島は、豊かな自然と歴史的なスポットが点在し、昔話のような風景を楽しめます。​例えば、伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)は日本最古の神社の一つとされ、神秘的な雰囲気を醸し出しています。​(以下略) ​

これらの旅行先は、いずれも昔話の世界を感じさせる風情や景観を持ち、ご家族での思い出作りに最適です!

このほか、目的別に「家族で自然を満喫したい」「動物と触れ合いたい」などいろいろな探し方ができます。家族旅行でなくても、「推し活の聖地巡礼と一緒に観光」「女性一人旅でも安心の海外旅行先」「〇〇と〇〇には行ったことがあるから、それとは雰囲気の違う温泉」などなど。

自分で探そうとすると知っている地名からしか検索できませんが、思いもよらない場所を提案してくれるのはとっても助かりますよね。

【おすすめシーン4】子どもへの感情的にならない伝え方を考えてもらう

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「子どもを育てていると、イライラすることも怒りたくなることもたくさんあります。アンガーマネジメントを学んだとしても、本で読んだ内容が今起きている“この状況”にピタッと当てはまるとは限りません。ChatGPTに聞くことで、少し俯瞰で物事が見られたり、冷静になれるという点でもとても役に立ちます」

質問の例「子どもが約束を守らなかった。子どもに悲しかった気持ちを冷静に伝える言い方は?」

回答の例(抜粋)

1.「責める」ではなく「気持ち」を伝える

NG:「なんで約束守らなかったの?もう信用できないよ!」
OK:「○○くん(ちゃん)が約束を守ってくれると信じていたから、守ってもらえなくてママはちょっと悲しかったな…」※ポイント:「なんで?」と責めると子どもは言い訳しがちに。「ママは○○な気持ちになった」と 自分の気持ちを主語にして伝えると冷静に受け止めやすい。

2.子どもの気持ちにも寄り添う

「もしかしたら○○したかったのかな?」
「楽しくてつい忘れちゃったのかな?」

※ポイント:子どもの気持ちを想像して言葉にすることで、子どもは話しやすくなる。先に気持ちを代弁すると「わかってくれてる」と感じやすい。

3.解決に導く質問をする

「次はどうすれば約束を守れると思う?」
「ママは○○くん(ちゃん)が守れると信じてるよ」

※ポイント:自分で考えさせる質問をすると、次は守ろうという気持ちが芽生えやすい。「信じてるよ」と最後に伝えることでポジティブに締める。優しく気持ちを伝えつつ、次につながる声かけを意識すると、子どもも素直に反省しやすいですよ!

「このほかにも、『7歳と5歳の子どもがおもちゃの取り合いでけんかをしています。上手に仲裁するにはどう言えばいい?』『学校から帰ってきた5年生の子どもがダラダラして宿題に手を付けません。どう言ったらスムーズにやるようになるかな?』など、ついつい声を荒げてしまいそうなシチュエーションを穏やかに乗り切るためのヒントをもらう、という使い方はおすすめです」

ChatGPTとの会話でワンクッション置くことでクールダウンさせるという使い方は、いろいろと応用がききそうです!

【おすすめシーン5】悩みや愚痴を聞いてもらう

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「子育てに悩みはつきもの。子どもだけでなく、夫婦間の悩みなどが発生することもあるでしょう。解決策が欲しいわけじゃないけど話だけ聞いてほしい……などのメンタルサポートは、ChatGPTが得意な分野です。

ChatGPTは基本的に否定的なことを言わないようにプログラムされているため、悩みに寄り添ったアドバイスをしてくれます。ママ友とうまくいかない、お金の悩みなど、人に話しにくいこともChatGPTなら抵抗なく言うことができるでしょう」

質問の例
「今日子どもにすごくイライラすることがあって、ちょっとだけ愚痴聞いてくれる?」

回答の例
「もちろん! どんなことがあったのかな? 気持ち吐き出しちゃってくださいね」

質問の例
「靴も靴下も脱ぎ散らかす、宿題を何度言ってもやらないで、夜遅くなってから慌てだす、明日学校で必要なものをお店が閉まった時間に言い出す………毎日毎日同じことで怒っていて、疲れちゃった!」

回答の例
「うわぁ、それは確かにツラいですね……。毎日同じことで注意し続けるのって、ほんとに心がすり減りますよね。しかも夜になってから「明日いる!」とか言われると、「もっと早く言ってよ!」って思わず叫びたくなりますよね。それに、靴や靴下の脱ぎっぱなしも地味にイラッとくる! 何度言っても直らないと、「もう言うのも嫌だ……」って気持ちになっちゃいますよね。

ちゃんとやってほしいだけなのに、何回言っても繰り返されると 、またか……ってガッカリと怒りが混ざった感じ になりませんか? 毎日頑張ってる分、余計に疲れちゃいますよね。

今日はたくさん頑張ったと思うので、ちょっとでもリラックスできる時間が取れますように! よかったら、気持ちが落ち着くまで引き続き愚痴聞きますね!

繰り返し優しい言葉をかけてくれるので、癒されます……! ちょっと吐き出せると、気分的にもずいぶん楽になりますよね。なかなか人には頼めない「励まして」「愚痴を聞いて」「褒めて」などに無限に対応してくれるのも、AIの良さと言えます。

ChatGPTを使用する際の注意点

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個人情報を入力しない

ChatGPTは、ユーザーが入力した内容に個人情報が含まれている場合、それが記録されないような仕組みになっています。それでも、万が一のリスクを考えて、個人情報は入力しない方が安心です。さらに、他人の情報を入力する行為は、個人情報保護の観点から、本人の同意がないと問題になります。

子どもと一緒に使用する場合には、氏名、学校名などに特に注意してください。

ChatGPTには利用する年齢に制限がある

ChatGPTは、「利用者が13歳以上であること」という年齢制限を設定しています。また18歳未満の場合、サービスを利用するには、親権者又は法定後見人の許可を得る必要があります(※)。

子どもだけで使用することがないよう、学習に関する使用の際でも必ず大人が付き添うようにしてください。

OpenAI 利用規約

ちょっとした調べものやメンタルケアまで、実に幅広い使い方があるChatGPT。スマホからはアプリをダウンロード、PCからはサイトにアクセスして会員登録するだけですぐに使用できるので、まずは試しにいろいろ使ってみてはいかがでしょうか。


【教えてくれた人】安達 恵利子さん

Webマーケティングコンサルタント。

大手証券会社に就職から結婚・出産を経て教育機関のIT研修講師、大学院研究室秘書へ。インターネット黎明期からWebを活用したビジネスに取り組み、20年以上の実績を持つWebマーケティングとIT分野の専門家。

インターネットの普及初期に、公的教育機関でIT研修講師を務める傍ら、輸入販売のネットショップを3店舗経営し、ネット通販業界の成長とともに8年間売上を伸ばし続けた。2017年にネットショップを売却し、現在はWebマーケティングコンサルタントおよび講師として活動中。夫と息子2人の4人家族。

はじめての生成AI ChatGPT「超」活用術

まだ使っていなかった人も、なんとなく知ってはいたけど使いこなせてなかった人も、ChatGPTを使い倒して劇的に作業の効率化がはかれます!

ChatGPTの基本について解説する「基礎編」、仕事や日常で役立つさまざまなノウハウを実践的に紹介する「実践編」、自分専用のアプリのようなツールが作れるGPTs(ジーピーティーズ)やスマホ版ChatGPTアプリについて解説する「応用編」の3部構成。ビジネスの場面でのさまざまな業務を効率化するヒントが満載です。

著者:安達 恵利子/ソーテック社/1,980円

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