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もう献立は「ChatGPT」に相談がいい!ワーママ専門家が教えてくれた“暮らしに役立つ使い方”5選

生成AIがどんどん身近になってきています。「全く使ったことはない、でも興味はある」という人も多いかも。そこで今回は、専門家に「毎日の生活で役に立つChatGPTの使い方」について教えてもらいました! なるほどそれは便利!というものから、ちょっと意外なものまで、「これは試してみたい!」と思えるアイディアがたくさん登場します。

まず「ChatGPT」って?

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「ChatGPT」は、生成AIの一種。「OpenAI」というアメリカの企業が提供している、会話型のAIツールです。生成AIとは、膨大なデータを学習し、会話の文脈をもとに次に来るべき言葉を確率的に予測して、リアルタイムで自然な会話を生成します。

ChatGPTにできることは、ビジネス、趣味、学習など様々なニーズに応じて無限大! そこで今回は、Webマーケティングコンサルタントの安達 恵利子さんに、毎日の生活の中でのChatGPTおすすめの活用方法について伺いました。

AIって聞くだけでちょっと腰が引けてしまうという人も多いと思うのですが……。

「AIってなんだか難しそう、と感じて敬遠しているなら、それは本当にもったいないこと。ChatGPTを動かすのに特別な知識は必要ありません。ただ対話すればいいのです。ただし、使いこなすには少しだけコツがあるので、それをお伝えしていきます!

まず、ChatGPTには無料版と有料版がありますが、今回は無料版で使える機能の範囲でご紹介します。ブラウザを経由してパソコン、スマホ、タブレットどこからでも使用できますし、スマホアプリもあるので、使いやすいものからトライしてみてください。

また、このサービスを使用する際には注意点があります。
1.正確さが求められる重要な情報は、ChatGPTの回答をうのみにせず、きちんと確認を取る。
2.個人情報は入力しない。
気をつけたいことは最後にも詳しく説明しますね」と安達さん(以下、「」内 安達さん)。

【おすすめシーン1】レシピや献立の提案

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毎日の食事の用意は、実際に手を動かすこともそうですが、“何を作ろうか考える、献立の計画を立てる”こと自体が大変。そんなときはChatGPTの出番!

「冷蔵庫にあるもので“、〇分以内で、ダイエット向けで、など、条件を与えていくとそれに沿ったメニューを提案してくれます」

質問の例
「卵・ピーマン・冷凍シラスを使って、15分で作れる和食レシピを教えて」

回答の例(抜粋)
卵・ピーマン・冷凍シラスで作る和食おかずレシピ(15分)「シラスとピーマンの卵とじ」

■材料(4人分)卵、ピーマン、冷凍シラス、醤油、みりん、酒、和風だしの素、サラダ油

■作り方(略)

■ポイント
半熟で火を止めるとふわっと仕上がります!
お好みで刻みネギやゴマを散らしても美味しいです。
ご飯にも合うし、冷めても美味しいのでお弁当のおかずにもぴったりです!

「レシピサイトで材料名で検索しても、今手元にない食材が使用されているものが出てきたりとすぐに作ることができない場合も多くあります。ChatGPTは、指示した材料以外は使用しないレシピを提案してくれるので、使い勝手が良いんです。出てきたレシピに、『その調味料は家にないから、使用しないレシピにして』などと言うこともできますね。

このほかにも、『簡単に作れるダイエット向けのレシピ』『3日分の献立作成』『その献立に沿った家族4人分の買い物リスト』『子どもが苦手な食材をうまく食べさせるメニュー』など、様々な場面で料理を提案してくれますよ」

クタクタになった仕事帰りの電車の中で、今日は何を食べよう、何も考えられない……と思考停止に陥った時などにはかなりありがたい! また、おもてなしなど、普段と違うメニューを考えなければならないときにも助けになりそうです。

【おすすめシーン2】神経を使うLINEの返信…文例を考えて!

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友人のLINEグループなどでイベントのお誘い。あまり気が進まないのでお断りしたいけど、角が立たないようにしたい……という場面、よくありますよね。

「丁寧に、目上の人に、相手に失礼がないように、やんわり断る、など、ChatGPTは細かなニュアンスを含んだ文章を考えるのも得意なんです。メールやLINEの文面を一瞬で配慮のあるものにしてくれるので、悩む時間を大幅に短縮してくれます」

質問の例
「LINEグループでママ友のイベントに誘われたけど参加したくない。感じが悪くならないようやんわり断るメッセージの例を教えて」

回答の例

■例1:家族の予定を理由にする
「お誘いありがとう~!とっても楽しそうだね! でも、その日は家族で出かける予定があって参加できなくて~。また次の機会があればぜひ声かけてね!」
ポイント:「楽しそう」と興味は示しつつ、予定を理由にすることで角が立たない。最後に「次の機会」を添えると感じが良い。

■例2:体調や都合を理由にする
「お誘いありがとう!すごく行きたかったんだけど、その日はちょっと都合が悪くて(涙) また次回ぜひよろしくね~!」
ポイント:「すごく行きたかった」と少し残念そうにすることで、断りが柔らかく聞こえる。「また次回」で関係を維持。

ワンポイントアドバイス
絵文字や「~」を使うと柔らかく親しみやすい印象に。「その日はバタバタしていて……」など曖昧な表現もアリです! どんなイベントか分かれば、それに合わせた断り方も考えますよ~!

「最後のアドバイスにあるように、さらに具体的な内容を入れると細かいニュアンスをくみ取った文章にしてくれます。それまでのやり取りの内容のスクリーンショットを貼りつけて、返信の文章を考えてもらうことも可能です。例えばちょっと相手の言葉にムカッとした、丁寧に怒りを表明したい、というときなどもとても上手に返しを考えてくれます(笑)」

“感じよく断ろう”と思うと何て送ろうか結構悩んでしまうもの。こうやって文例を提示してくれると、とっても助かりますね!

【おすすめシーン3】海外製品のパッケージを翻訳してほしい!

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お土産でもらった食品に何が入っているか知りたい、韓国コスメを買ったけど使い方がいまいち分からない、などのとき、パッケージの画像を送ると翻訳してくれます。

「例えばGoogle翻訳でも写真から翻訳してくれる機能がありますが、Google翻訳では全文を翻訳するので、そこから必要な情報をさらに自分でピックアップする必要があります。ChatGPTでは『この化粧品の成分表の中で、肌に刺激が強そうなものがあれば教えて』『この食品の成分表の中で日本では使われていない添加物を教えて』などの指示ができるので、ほしい情報にすぐたどり着けます」

ベトナムのお土産のインスタントコーヒーのパッケージ。何が入っているのかな?と気になります。

質問の例
「(ベトナム語のコーヒーのパッケージの画像)この中にどんな食品添加物が含まれていますか?」

回答の例

この製品に含まれている食品添加物は以下の通りです。

・マルトデキストリン(Maltodextrin)
増量剤や食品の質感を調整する目的で使用される。
・食塩(ヨウ素添加)(塩化ナトリウム+ヨウ素)
ヨウ素は必須栄養素で、食品添加物として使用されることがある。
・甘味料(総合)E950(アセスルファムカリウム)
人工甘味料で、砂糖の代わりに使われる。
・pH調整剤(酸度調整剤)E500(ii)(炭酸水素ナトリウム:重曹)
酸性度の調整に使用される。
・香料(カフェ・ミルクフレーバー)
コーヒーとミルクの風味を強化するために使用。

これらは一般的に食品に使用される添加物で、安全基準内であれば健康に問題はありません。

ただ翻訳するだけだと添加物の名前しか出てきませんが、何のために使われているものかも教えてくれるのも助かりますね。

【おすすめシーン4】レシートの画像から金額の計算をしてもらう

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画像を読み取って、そこから必要な情報を取り出すこともできます。例えば、飲み会のあと割り勘をするとき。レシートを読み取って、お酒を多く飲んだ人とそうでない人の金額をすぐに計算してくれます。

入力の例
「このレシートから、ビールを2杯だけ飲んだ人とその他のお酒をすべて飲んだ人2人で割り勘をするとき、金額はいくらずつにしたらいい?」

回答の例(抜粋)

■合計金額:12,434円

■1人あたりの金額
ビール2杯の人:1,330円(ビール代)+3,707円(食事代)=5,037円
その他のお酒の人:3,690円(お酒代)+3,707円(食事代)=7,397円

■割り勘金額
ビール2杯の人:5,040円(端数切り上げ)
その他のお酒の人:7,400円(端数切り上げ)
これでスッキリ割り勘できますね!

レシートの写真を送って質問するだけですぐに計算してくれるので、らくちん! このほかにも、例えばママ友&子どもの3組でご飯を食べたとき。子どもが1人の場合、2人の場合と金額を分けて計算してもらう、などもできます。電卓アプリを立ち上げて1人分ずつポチポチ計算することを考えるととっても時短になりますね。

「私が先日ベトナム旅行に行った際、あとからベトナム語のレシートを見てもどの店の何かが分からない、金額も日本円だとどのくらい?となったので、レシートの画像を貼って何にいくら使ったかをまとめてもらいました。内容と、円に換算した金額が両方出るので、お小遣い帳のように使えて便利でしたよ」

あとから見ると何のレシートかもわからない……。
画像を送ると、詳細と日本円に直した金額を教えてくれて
内容別に支出もまとめてくれます!

画像の読み取り、翻訳、為替変換、目的に合わせた計算と複雑な作業もChatGPTなら一瞬でできる! なんと便利!

【おすすめシーン5】夫婦の会話のシミュレーションをする

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家族内で相談や交渉をすることがありますが、相手が思わぬ意見を言ってくると戸惑ってしまい、当初考えていたことと違う方向に話が進んでしまうことが。事前に想定問答を作ってシミュレーションをしておくと、落ち着いて話すことができるそう。

「反対の場合どんな意見が出ると思う? この案にはどんなメリット・デメリットがあると思う? など、自分の視点と違う意見をあらかじめ頭に入れておくと、こう言われたらこう返そう、と考えておく余裕ができます。自分と違う視点を学んでおくと、交渉もスムーズに進むかも」

質問の例
「夫が“お小遣いを増やしてほしい”と言ってきます。妻は増やす余裕はないと考えています。最終的に妻の要望が通るような、妻と夫の会話の流れを作って」

回答の例

シーン:夕食後のリビングでの会話

夫:「ねえ、ちょっと話があるんだけどさ…。最近物価も上がってるし、俺のお小遣い、少し増やしてもらえないかな?」
妻:「うん、物価上がってるよね~。仕事帰りのちょっとした飲み物とかも高くなってるもんね」
※(まず共感を示すことで、夫が「分かってくれてる」と感じやすくなる)夫:「そうなんだよ!ランチ代もちょっとかさむしさ~。月に5,000円くらいでも増えたら助かるんだけど」

妻:「そっかぁ……。たしかにそれくらいあると楽になるよね。でもね…実はこの前、電気代の明細見たら予想以上に上がってて。食費もちょっとオーバー気味で、正直今は増やす余裕がなくて……ごめんね」
※(家計の状況を伝えつつ、申し訳なさをにじませる)

夫:「確かに電気代やばいもんなぁ」

妻:「うん、でもね、あなたが仕事を頑張ってくれてるのはすごく感謝してるよ! だから、今のままでちょっとでもやりくりできる方法を一緒に考えない? 例えば、お弁当の日を少し増やすとか、スマホのプラン見直すとか」
※(感謝の気持ちを伝えつつ、「一緒に考える」という姿勢で夫を味方につける)

夫:「そっか。じゃあちょっと節約案も考えてみるかぁ。」

妻:「ありがとう!一緒に頑張ろうね!」
※ (最後にポジティブに締めることで、夫も不満を抱きにくくなる)

■ポイント
1.共感 → 家計の現実 → 解決策を提案 の流れで自然に妻の主張に誘導。
2.感謝や労いの言葉を添えることで夫の気持ちを和らげる。
3.一緒に考える姿勢を見せることで「2人で家計を守っている」という意識を共有。

これなら夫も納得しやすく、妻の要望が通りやすくなりますよ!

単なるシミュレーションだけでなく、こう言うと相手に訴えやすくなる、などのポイントも考えてくれるので、それを意識して話すのがよさそうです。

夫婦に限らず、様々な場面でちょっと気合のいる話し合いをする際には、自分の考えをまとめておく手伝いをしてもらうというのも大切になるかもしれませんね。

ChatGPTを使用する際の注意点

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事実確認が必要な情報はうのみにしない

「ChatGPTが実際には存在しない情報を、あたかも正しいかのように生成することがあり、これを『ハルシネーション(誤った情報生成)』と呼びます。特に医療・法務・財務などの分野では専門的なアドバイスが正確でない場合があるので、注意が必要です。

ハルシネーションは、ChatGPTができるだけユーザーの質問に答えようとして、分からないことも推測で答えを生成することから起こります。正確さが求められる重要な情報は、きちんと確認を取りましょう」

個人情報は入力しない

「ChatGPTは、ユーザーが入力した内容に個人情報が含まれている場合、それが記録されないような仕組みになっています。それでも、万が一のリスクを考えて、個人情報は入力しない方が安心です。さらに、他人の情報を入力する行為は、個人情報保護の観点から、本人の同意がないと問題になります。情報の取り扱いには注意してください」

言い方次第で答えが変わる!言い直しを恐れず試しましょう

「全く同じ質問文を入れたとしても異なる答えが返ってくることもあるくらいなので、欲しい回答が返ってこない場合は入れ方を変えて再度トライしてみましょう。

『もっと深く知るにはどんな質問をしたらいいですか?』とChatGPTに質問して、質問方法を教えてもらうというテクニックもあります。

例えば『東京観光するにはどこがおすすめ?』と聞いたとします。でも出てくる情報はとてもざっくりしたものになってしまいますよね。

『より詳細に教えてもらうには、何をあなたに伝えたらいいですか?』『どんな条件が必要ですか?』と聞くと、季節・人数・家族構成・興味関心・交通手段・日程などの条件を提示してくれます。答えながら欲しい情報に近づくことができるでしょう」

思っていたより具体的に質問を投げることが大切なんだなということがよく分かるお話でした。「こう聞いたらどう返ってくるかな?」と楽しみながら質問すると、もっとChatGPTと仲良くなれそうな気がします! 次回は、子育ての中での活用方法についてお聞きします。


【教えてくれた人】安達 恵利子さん

Webマーケティングコンサルタント。

大手証券会社に就職から結婚・出産を経て教育機関のIT研修講師、大学院研究室秘書へ。インターネット黎明期からWebを活用したビジネスに取り組み、20年以上の実績を持つWebマーケティングとIT分野の専門家。

インターネットの普及初期に、公的教育機関でIT研修講師を務める傍ら、輸入販売のネットショップを3店舗経営し、ネット通販業界の成長とともに8年間売上を伸ばし続けた。2017年にネットショップを売却し、現在はWebマーケティングコンサルタントおよび講師として活動中。夫と息子2人の4人家族。

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