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「家族写真」を飾る家は幸福度が高い!?「恥の文化」の日本人には敷居が高い現実

写真はデジタル管理をする時代になりましたが、プリントをして家に飾っている人はどれくらいいるのでしょう? 今回『kufura』では20~60代の男女500人に家族の写真をリビングなどに飾っているかを調査してみました。その結果、家族写真を飾る人の方が少数派ということが明らかに。欧米では飾るのが当たり前ですが、日本では恥ずかしい事と思っている人も!? 家族写真に対する考え方もかなり個人差があるようです。

家族の写真をリビングなどに飾っている人は約4割

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まずは家族の写真をリビングなどに飾っているかと尋ねたところ、「飾っている」と答えた人は約4割。リビングではなく、寝室や玄関などに飾っているという人も多かったため、実際にリビングに飾っている人は少ないようです。ちなみに欧米では家族写真を飾るのはポピュラーで、もはやインテリアの一部となっていますが、日本では家族写真をたくさん飾っている人は少数派。どちらかというとインテリアを壊すから飾らないという意見が目立ちました。

■あなたの家では、家族の写真をリビングなどに飾っていますか?

「飾っている」……39.4%(197人)
「飾っていない」……59.6%(298人)
「その他」……1.0%(5人)

「飾っている」と答えた197人に、その家族写真には誰が写っているかと尋ねたところ、圧倒的に多かったのが「自分の子ども」で約6割。次いで「自分の両親」と「配偶者」がそれぞれ35%前後という結果になりました。また「自分の兄弟姉妹」「自分の孫」「配偶者の両親」という人も1割程度ずついることが明らかに。「その他」の中には、「ペット」という人が多いことがわかりました。

■あなたが飾っている家族の写真は、あなたにとってどのような続柄の人ですか?(複数回答可)

「自分の子ども」……58.4%(115人)
「自分の両親」……36.5%(72人)
「配偶者」……35.5%(70人)
「自分の兄弟・姉妹」……13.7%(27人)
「自分の孫」……11.7%(23人)
「その他」……10.7%(21人)
「配偶者の両親」……10.2%(20人)
「自分の祖父母」……7.1%(14人)
「自分の親戚」……6.6%(13人)
「配偶者の親戚」……2.0%(4人)
「配偶者の祖父母」……1.5%(3人)

家族写真を飾る人は約4割!

「記念」「絆の認識」「遺影」として飾る人多数

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家族写真を飾るという人に、なぜ飾るかと理由を尋ねてみると、最も多かったのが、「子どもの成長がわかる」「家族の絆の証」「思い出として」という意見。そして意外と多かったのが「遺影として」でした。大切な人をいつも身近に感じていたいと思う人にとって写真は心の拠り所にもなるようです。また一人暮らしのため寂しさを紛らわせるために家族写真を飾る人や、欧米の家庭のように毎年写真撮影が習慣化してそれを飾り続けているという人も。家に自分の写真が飾られていることで「愛されていることを再認識する」という意見もありました。また写真があることで家族や友人との話題が増えるという人もいるようです。

■家族の写真を飾る理由■

・記念として
「記念日に撮った写真だから」(33歳女性/主婦)
「毎年の年明けに記念写真を撮って飾ることにしているから」(69歳男性/公務員)

・子どもの成長の記録として
「子どもの成長が目で見てわかるから」(39歳女性/主婦)
「成長のあかしを写真で感じる」(67歳男性/その他)

・家族の絆として
「遠く離れて暮らしているからいつでも目に留まる様に」(44歳女性/主婦)
「家族を再確認できるから」(49歳男性/学生・フリーター)
「亡くなった両親、娘、愛猫の写真に毎朝挨拶をするのを日課にする事で、一日みんなに見守られて過ごせる気がするので」(68歳女性/主婦)

・遺影として
「お空にいる息子には写真でしか会えないから」(43歳女性/主婦 )
「母親は健在ですが父親は他界してまして、両親の存在のありがたさを認識していたいから」(49歳男性/その他)

・元気の源
「けんかしたときも写真を見ることで愛情が戻るから」(53歳女性/主婦)
「身近で心が和む要素として」(56歳男性/その他)
「一人暮らしなので身近に感じたい」(61歳男性/その他)

・家のインテリアに
「殺風景な部屋なので、せめて写真だけでもと」(44歳男性/コンピューター関連技術職)
「部屋に彩がもたらされ、明るい雰囲気になる。写真は笑顔の写真ばかりなので」(66歳男性/営業・販売)

子どものエコー写真を飾るという人も。

「写真が嫌い」「場所がない」…飾らない理由に納得!?

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一方、家族写真を飾らない人の理由として多かったのが、「家族写真を撮らない」「写真をプリントしない」など、そもそも飾る写真がないという意見でした。また「写真が嫌い」「家族の仲が悪い」など写真があっても飾りたくないという人や、「飾る場所がない」「インテリアに合わない」など住環境で断念している人もいるようです。

■家族の写真を飾らない理由■

・写真がない
「デジタルの写真はあるが、アナログの写真は持っていない」(25歳男性/コンピューター関連技術職)
「写真はスマホで撮ってスマホ内に保存して見れば良いから」(48歳男性/その他)

・インテリアに合わない
「シンプルなインテリアが好きなので」(33歳男性/その他)
「壁に穴とか開けたくない」(45歳男性/営業・販売)
「飾るようなスペースがないし、写真が好きじゃない」(54歳女性/主婦)

・習慣がない
「写真を飾る習慣がないから」(36歳男性/その他)
「家族で写真を撮る習慣がない」(41歳男性/その他)
「元々、あまり飾らないから理由はない」(44歳男性/学生・フリーター)

・汚れる
「埃をかぶるから」(37歳女性/主婦)
「劣化するから」(49歳男性/総務・人事・事務)

・写真が好きではない
「思い出に金をかけたくない」(44歳男性/その他)
「花や風景の写真や絵の方が好きなため」(47歳女性/その他)
「部屋に視線を感じるものがあるのが苦手」(57歳女性/コンピューター関連技術職)

家族がいない、仲が良くない
「部屋の中まで家族を見たくない」(48歳男性/営業・販売)
「家族との関係が良くない」(53歳男性/学生・フリーター)
「家族はいない。仲が悪い」(62歳女性/その他)

また少数派でしたがこんな意見も。

「誰も死んでいない」(35歳女性/会社経営・役員)
「自分の顔は鏡で十分」(41歳女性/その他)
「そういうタイプではない」(45歳女性/デザイン関係)
「来客に見られたら恥ずかしい」(48歳男性/公務員)
「アルバムにスクラップしてあるので飾りません」(54歳女性/その他)
「毎日実物を見るから」(65歳男性/その他)
「幸せな家族を演出したくないから」(68歳男性/その他)

家族の写真を飾ることに慣れていないため、「恥ずかしい」「気持ち悪い」と言った意見も少なくなく、ひと目を気にして飾っていないという人もいるようです。また写真を飾らない人の多くは、写真を飾ることに価値を見いだせず、「写真は携帯の画像データで十分」「邪魔になるだけ」という考え方を持っていることがわかりました。

家族写真を見ることが「元気の源」になるのは、幸せなご家族ならでは。

家族写真は子どもの自己肯定感を上げる?

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以前、『kufura』で教育関連の書籍を多数執筆されている教育評論家の親野智可等(おやのちから)さんの取材をした際に、家族写真について次のように述べていました。

「文章でも愛情を伝えるのが苦手という人は、写真で伝えることをおすすめしています。 ・親子で写っている七五三の写真 ・お父さん、お母さんが子どもを抱っこしている写真 ・家族で一緒に楽しんでいる写真 こういった写真を、目につくところに飾っておくとよいでしょう。 写真選びのコツは、親子で写っていること。写真からでも子どもは無条件に肯定されたことを感じ取って、“ぼくには、大事にしてくれるお父さん、お母さんがいる。愛されているんだ、嬉しいな! ぼくもお父さん、お母さん大好き!”という気持ちになります。 親にとっても、“この時は夜泣きが大変で苦労も多かったけど、私も子育て頑張ってきたな”と思える証になって、親自身の自己肯定感も高まります。親と子の自己肯定感の高まりは相関関係にあるので、是非試してみてください」

家族写真を飾ることによって、子どもが「自分は愛されているんだ」と認識でき、自己肯定感にもつながるようです。

また、年老いてからは子どもや孫の写真を飾ることによって、孤独感を薄めることができそうです。

家族写真には「大好きだよ」「幸せ」と親から子への愛情あふれるメッセージがこもっています。

スマートフォンで簡単に写真が撮れて管理できる時代になったからこそ、写真に対する考え方や価値観が変わってきた気がします。飾らない派の理由を聞くと、わざわざプリントして飾る必要がないという意見もわかる気がしますね。

ちなみに筆者は家族写真は飾る派。欧米の家庭並みに写真を飾っていますが、インテリアを壊さないように部屋の一角にエリアを設けて飾ることにしています。ごちゃつきが気になる方はぜひ写真はまとめて飾ることをおすすめします。

ちえ
ちえ

エディター・ライター歴20年以上。女性誌やアウトドア雑誌、情報誌、スポーツ誌(自転車雑誌、水泳雑誌)などで執筆。2017年から主人の仕事に帯同しアメリカに移住。小学生の男児、中学生の女児とともに、異国の地での生活に奮闘しながら、執筆活動も継続中。現在はニュースや海外生活情報などを担当。アウトドアと旅行が大好き。趣味はパン作り。

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