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「キャベツはもう2カ月買っていない…」値上がりで思わず買い控えるようになった食材は?

原材料や物流の価格高騰を受け、あらゆる食料品が値上げされている昨今。スーパーへ買い物に行くと思わずため息が出てしまい、購入することをためらう食材も増えているのではないでしょうか?

そこで今回『kufura』では20代から50代の既婚女性90人にアンケート調査を実施。「値上がりによって買い控えるようになった食材」について伺いました。

夏の記録的猛暑による影響大!とにかく野菜が高い理由

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今回のアンケートの結果、最も多かった「買い控える食品」は野菜類でした。野菜類の高騰の理由は栽培コストや物流の問題だけではなく、昨年夏の記録的猛暑などの影響による生育不足なども一因だと言われています。天候の問題を解決するのは難しく、もはやなすすべはないのでしょうか? 中でも意見が多かった野菜の種類は以下の通りとなっています。

平年比の3倍近くの高騰っぷり!「キャベツ」

「キャベツ。500円くらいするようになって、買ってない」(48歳/その他)

「安い時は120~150円位で買えていたけど、今はキャベツひと玉400円くらいする。生で食べたり、炒め物、汁物、漬物などに重宝していたのに……」(46歳/主婦)

「キャベツはもう2カ月買っていない。お好み焼きなど食べたいときだけ買うようにしています」(40歳/主婦)

「以前は100円くらいで買えていたのに……」(45歳/その他)

キャベツの価格はそんなに値上がりしているのか? 農林水産省が実施している「食品価格動向調査(野菜)」の1月27日~29日をみると、キャベツの価格の平均値は1キロあたり450円と、なんと平年比274%となっていました。つまり平年150円だった場合は411円、200円だった場合は548円となり、嘆いてしまうのも納得の結果に。これでは気軽にお好み焼きも食べられません。

キャベツだけではない…「白菜」や「レタス」も高かった!

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今回、キャベツが高いという回答を寄せてくれた人の中には「キャベツが以前より200円くらい値上がりをしているので、代わりに白菜を買っている」(48歳/総務・人事・事務)という人もいました。

しかし前述の「食品価格動向調査」をみると、白菜も358円(平年比249%)とキャベツ並みに値上がりをしていることが判明。さらに同じ葉物野菜のレタスも902円(平年比159%)となっており、葉物全般が値上がりをしているのが現状です。

「値段が2倍以上になったので、キャベツや白菜などの葉物野菜を買う頻度が減りました」(49歳/主婦)

「今はレタスが高いです。高い野菜は控え、他の野菜で代用しています」(58歳/総務・人事・事務)

「レタスやキャベツは最近高騰が続いているため、別の葉物野菜で代用している」(38歳/主婦)

「野菜全般。冷凍ブロッコリーばかり買っている」(40歳/コンピューター関連技術職)

冷凍野菜は天候が安定している旬の時期に大量に収穫して冷凍するので、生鮮野菜と比較すると価格が安定していると言われています。上手に取り入れることができれば、食費の節約にもつながりそうです。

缶詰で代用する人が続出中!「トマト」

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ほか野菜の買い控えで名前が多く上がっていたのは「トマト」。「食品価格動向調査」では平年比の131%という値上げ幅で、キャベツなどに比べると抑えめ。しかしこれだけ意見が上がるということは、野菜の中でもトマトが特別に好きという人が多いのかもしれません。

「サラダにトマトをたくさん乗せるのが好きですが、今はミニトマト1つを4つに切り節約しています」(52歳/主婦)

「トマトはもう半年位買ってない。缶詰めで代用している」(59歳/主婦)

「トマト。高いから代わりにトマト缶を買うようになった」(39歳/総務・人事・事務)

「生トマトは夏から買っていない。料理はケチャップやトマト缶を利用している」( 51歳/主婦)

確かにトマト缶は安いと100円台、高くても200円台で購入できる庶民の味方。とはいえ、トマト缶やトマトケチャップのような加工品に使われているトマトはほぼ輸入品のため、円安の影響によってこちらも値上げ傾向にあるようです。ただ生鮮食品と違って保存がきくので、安い時にまとめ買いするなど、賢く手に入れたいものです。

もはや贅沢品でなかなか手が出せない「果物」

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野菜以外で多かったのは、同じ生鮮食品にはいる「果物」。こちらも野菜と同様に昨年夏の記録的猛暑などの影響による生育不足が関係してくるので、価格高騰は必然といえそうです。

「以前は気軽に買えてた果物だけど、今は体調不良の時のみ。どうしても食べたければ、缶詰を買ってしまう」(41歳/主婦)

「たまの贅沢に果物を購入していたけど、食費が全体的に高くなってしまったので買えなくなった」(41歳/主婦)

「果物は高くて買えない。比較的安いバナナだけ買っている」(49歳/総務・人事・事務)

「果物を買い控えしている。なくても大丈夫なので」(53歳/総務・人事・事務)

野菜は食事に必要な生活必需品ですが、今の時代の果物はもはや贅沢品という人が多数。なかなか寂しい現実です。

サラダ油で代用している人多数!「オリーブオイル」

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さらに今回地味に多かった回答は「オリーブオイル」でした。国内で流通しているオリーブオイルのほとんどが海外からの輸入なので、価格高騰はやはり円安が大きく影響していると考えられます。

「オリーブオイル。すごく高いので、できるだけサラダ油を使うようにしています」(41歳/主婦)

「オリーブオイル。1本1,000円以上する。もう買わない。他の油でなんとかする」(53歳/主婦)

「オリーブオイルの価格は例年と比べて軽く4倍はします。オリーブオイルを味わっていたカルパッチョとかパスタとかは、ずっと食べてません」(56歳/その他)

パスタなどのイタリア料理を作る際も、サラダ油で代用することはもちろんできます。しかしあの独特な風味と香りは唯一無二。一度それを知ってしまうと、やはりオリーブオイルが恋しくなります……。

世界的にカカオも高騰中…「お菓子」も高級品に!?

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さらにチョコレートをはじめとするお菓子類も値上がりしているという意見が多数。3月はホワイトデーがありますが、お菓子を選ぶ際も、価格と相談しなければいけないご時世です。

「お菓子を常に購入していましたが、たまに自分が食べたいものだけにしています」(51歳/主婦)

「チョコレートが息抜きのひとつだったのに、馬鹿みたいに高い。もうやめた」(37歳/主婦)

「チョコレート。輸入品のチョコレートが好きだったが値上がりがすごくて1年ぐらい控えている」(43歳/主婦)

「お菓子を買うのを控えるようになりました。食事を制限するより、間食を制限する方が健康にもダイエットにもいいです」(55歳/主婦)

お菓子を控えるのはダイエットや健康にはいいかもしれませんが、それによって“心の健康”が損なわれるとなるとちょっと心配。果物も高級品なので、甘いものを食べる楽しみがどんどん奪われていきます。

 

とにかくどんな食材も値上げばかりで嫌になってしまいますが、価格が高騰しているのは何も食材だけではありません。光熱費や日用品、ガソリン代など本当に日常生活におけるあらゆるものの価格が高騰しており、普通の生活を送るのも大変な状況です。

なぜこのような状況になっているのか? まずはその点に無関心にならず、ニュースなどに目を通してみることも重要ではないでしょうか。私たちの生活がもっと豊かになるよう、日本の政治をしっかりと監視したいものです。

 

【参考】

農林水産省 「食品価格動向調査(野菜)」

高山恵
高山恵

東京都出身、千葉県在住。短大の春休みより某編集部のライター見習いになり、気が付いたら2022年にフリーライター歴25年を迎えていた。現在は雑誌『DIME』(小学館)、『LDK』(晋遊舎)などで取材・執筆を行うほか、『kufura』などWEB媒体にも携わる。

執筆ジャンルは、アウトドアや子育てなどさまざま。フードコーディネーターの資格も持つ。

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