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ネットニュースやSNS投稿へのこんなコメントは嫌われる!イライラするコメントに共通する「読解力不足」

インターネットニュースやSNSの投稿に書き込まれた「コメント」。その内容によっては、投稿者の読解力に厳しい眼差しが向けられることがあるようです。

『kufura』編集部が、男女347人(20~50代)にアンケートを実施したところ、44.4%が「SNSの投稿やWebニュースつけられたコメントなどを見て、投稿やコメントをした人の“読解力不足”が原因でイライラした経験がある」と回答しています。

敬遠されるコメントには6つのパターンがありました。

1:「最後まで読まずに」コメント

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まず、読解以前に、文章を最後まで読んでいないと思われるコメントについてです。

「タイトルだけ見て発言しており、本文を読んでいないと感じる」(55歳男性/営業・販売)

「いい記事だなと思ってコメント欄を見ると“長すぎて読めない”と書いてあったりする。“最後まで読む根気がないんだな”と思ってしまう」(42歳/パート勤務)

「文章の中でちゃんと説明してるのに、理解していないような批判コメント」(44歳女性/主婦)

多かったのが、本文を読まずにタイトルや冒頭文、画像を見ただけで本文を読んでいないケースです。文章を最後まで読まずに反射的に書き込まれたことは、読み手にも伝わりやすいようです。

2:文章を「曲解」してコメント

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文章を曲げて解釈しているコメントに関する声です。

「普通に読んだら誤解しないような文章を曲解していたりする」(50歳男性/営業・販売)

「わざとなのか、文章をネガティブな意味に解釈して炎上させようとする人がいる」(52歳女性/主婦)

「コメントを読んでいて“この記事、そんなこと言ってないけどな”“この話には無関係なイメージ写真の人がたたかれてかわいそう”と感じることがある」(29歳女性/学生・フリーター)

「流れを読めばわかるはずが、思い込みで間違ったことをあたかも正しいことのにようにコメントしているところ」(56歳男性/技術職)

文章に書いていないことを想像して事実のように書き込んでいる、文中の特定の単語に過剰に反応して客観的な読解ができていない、といった事例が寄せられています。

3:「自分基準」の解釈でコメント

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投稿者の考え・立場だけに基づくコメントを見ると「客観的な読解をしていないのではないか」という眼差しが向けられることもあります。

「相手の立場を考えず、自分の立場でしか物事を言えないこと」(56歳男性/その他)

「記事の内容と関係ない自分語り」(66歳女性/営業・販売)

「自分の感情ありきでコメントしてる人を見た時にイライラする」(39歳男性/営業・販売)

インターネットでは、1つの記事・投稿を起点に、個々の体験が数多く書き込まれ共感の輪が広がっていくケースもあります。

一方、文章を読んで理解するプロセスを経ずに「自分の話だけをしたい」という思いが透けて見えるコメントについては、敬遠される傾向が見られました。

4:「文章の主旨」を把握せずにコメント

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文章の「最も伝えたいこと」を理解していないのではないか、と思われるコメントについてです。

「純粋に日本語が通じていないところ。行間を読むとか、文の前後を考えるとか、どういう意図で書かれたのか、一度冷静に考えるとかしないんだなあ、と」(39歳女性/その他)

「発信者の意図と違うコメントを見ると“もっとちゃんと読め!”と思ってしまう」(30歳女性/主婦)

誰もが文章を誤読することがあります。でも、コメントをすることで、不特定多数の人に誤読がバレてしまう、というリスクが生じます。

5:記事を理解するための「予備知識が不足」したコメント

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新聞社から配信されたニュースなど、時事性の高い記事に関するコメントについては、以下のような声がありました。

「1つのニュースの表層だけ見て、クリティカルシンキングをせずにすべて理解したつもりになっているコメント。歴史や経緯を踏まえて、多角的な視点で読むべき」(44歳男性/法務)

「記事の背景を理解していない人の浅すぎるコメントにイライラする」(47歳男性/総務・人事・事務)

「“〇〇ってなんですか?”と聞いているコメント。また、記事に答えが書いてあるのにコメントで聞いている人。自分で調べるか、しっかり記事を読むかすればいいのに」(29歳女性/コンピュータ関連技術職)

1つのニュースを理解するためには、いくつかの情報源を吟味して、多角的な視点で見ることが求められます。以前、ニュース読解の識者に取材した際に「インターネットニュースは、出典元を意識しづらいため、意識的に“ポジション”の異なる2紙を読み続けるといい」と語っていました。

自分の視点が固定されないよう、いろんなメディアから読解に必要な予備知識を収集していけるといいですね。

6:読解の意志より「攻撃性」が上回っているコメント

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最後は、読解よりも感情の発散に重きを置いているコメントについての声です。

「人をひどい言葉で適当に批判している。元から理解しようなどと思っていない人たちはいなくなって欲しい」(44歳女性/デザイン関係)

「記事の内容をきちんと読んでいない、八つ当たりのようなコメント。まずは読んで理解してから書き込んで欲しい」(46歳男性/コンピュータ関連技術職)

「とにかく文句を言いたいだけと思わせるコメント」(61歳女性/会社経営・役員)

「叩かれるような内容の記事じゃなかったのに、ちゃんと読まずに誹謗中傷まがいの書き込みをしている」(50歳女性/総務・人事・事務)

「とりあえず揚げ足をとって攻撃したいという意図が伝わってくる」(29歳女性/総務・人事・事務)

「自分もよく読んで理解したつもりのことがあるし、読解力不足で誤解するのは仕方ない。でも、どんな理由であれ、誤解してマウントとったりしてけなすのは良くない」(35歳女性/その他)

攻撃の意図を含むコメントを目にすると、ネガティブな感情を抱くという声が多数寄せられました。

さて、ここまでの回答を総括すると、SNSの投稿やWebニュースのコメント欄では、以下のようなコメントが「読解力が不足しているのではないか」とみなされる傾向がありました。

  • 最後まで読まずにコメント
  • 文章を曲解
  • 自分基準の解釈
  • 文章の主旨を誤解
  • 予備知識の不足
  • 読解の意志より攻撃的な感情が上回る

「フィルターバブル」「エコチェンバー現象」といった言葉に象徴されるように、「自分と同じ意見」「自分が理解できる情報」の中にこもることが、読解の妨げとなっているようです。

このような傾向を見ると「やっぱり、最近の人の読解力は……」などと愚痴のコメントを書き込みたくなるかもしれませんが、これらは目新しいことではありません。

およそ200年前、劇作家のゲーテは、人が文章を読む態度について「自分と同じ意見のみ、自分の理解できる部分だけをうなずいて読んでいる」と描写しています。

ただし、過去と異なる点は、文章を読んでなにげなくコメント残した場合「国内外の不特定多数の人の目に触れる可能性がある」「自分と同じ考えの人同士がつながりやすい」という点です。

皆さんは、文章を読解し、コメントをする際にどんなことに留意していますか?

北川和子
北川和子

自治体HP、プレスリリース、コラム、広告制作などWEBを中心に幅広いジャンルで執筆中。『kufura』では夫婦・親子のアンケート記事やビジネスマナーの取材記事を担当している。3児の母で、子ども乗せ自転車の累計走行距離は約2万キロ。地域の末端から家族と社会について日々考察を重ねている。

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