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住む前は気づかなかった「注文住宅の失敗」!2軒目を建てて改善したポイントも

郊外に注文住宅を建て、住み始めて5年が経ちます。その前は都内の狭小住宅に住んでいたのですが、後に3人目の子どもができたので住んでいた家を売却し、広い家に引っ越すことにしました。
1軒目は20坪の土地に3階建の2LDK+ロフト、2軒目は30坪の土地に2階建の4LDK+ロフト、どちらも注文住宅です。1軒目を建てて約5年居住し、失敗したことや考え直したことを2軒目に反映させたので、これから家を建てる方は参考にしていただきたいです。

2軒目だからこそ、作る前に考えたこと

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最初の家は土地が20坪と小さく、できることが限られていました。それでも憧れのマイホームですから、イメージしていたものを具現化したい。でも実際に住んでみると、いろいろと不具合が出てくるもので……2軒目を建てる際に気をつけたポイントを3つ挙げてみました。

1:災害リスクの高い土地を避ける

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1軒目を建てる前に、賃貸でそのエリア(1軒目のエリア)に住んでいました。その場所が気に入ったのでそこに家を建てることにしたのですが、その場所は海抜0メートル。川も近く、万が一氾濫したら水害に遭ってしまうかもしれません。

実際にはそのような被害が起こってはおらず、堤防もしっかりしているので限りなく可能性は低いので、大丈夫だろうとそこに家を持つことを決めました。しかし夏のゲリラ豪雨が起こるたびに少し怖く、地震による床下浸水などの被害をニュースで見るたびにビクビク。義父母からもいつも心配されていました。

その場所に住んでいる以上、この心配は常につきまといます。最初にほんの少し心に引っかかったことは、その後ずっと不安の材料となり続けるのです。

2軒目を建てる際にはどんなに良さそうな場所でも、ハザードマップで安心できるところがいいと学びました。家を買うということは、そこに住み続けるということ。災害リスクの高い土地は、心の健康が保てないかもしれません。

2:自転車の濡れないスペースを作る

私は車の運転ができないので、自転車を多用しています。1軒目の家ではカーポートのようなスペースがなく、雨の日は自転車がずぶ濡れになってしまうため、雨よけのカバーをつけていました。

しかしこの“ちょっとした手間”は、毎日となると結構な負担となります。毎回カバーを着脱しなければならず、風で飛ばないように下で絞る必要もあります。自転車を置く場所も狭かったので、自転車用に屋根をつけることもできません。

そこで2軒目はガレージを作りました。車を駐車できるくらいのサイズですが、車はそこには置かず自転車の雨よけスペース。今では子どもも1台ずつ自転車を所有していて、自転車は全部で4台。自転車が雨に濡れることもなく、雨の中帰ってきてもガレージでゆっくり自転車をとめることができます。

3:トイレと寝室を離す

1軒目を建てた時には、1人目の子どもがまだ1歳。寝る前や寝ているときにすぐにトイレに行けるよう、寝室の隣にトイレを配置しました。それ自体は思惑通り便利だったのですが、寝静まったあとはトイレの音が結構な大きさで、家族といえどもなんとも気まずい。

そこで2軒目では、寝室の前にトイレを配置しました。そのトイレは子ども部屋に挟まれているのですが、子ども部屋にあるクローゼットに挟まれている形になっているので、音も気になりません。

これもちょっとしたことなのかもしれませんが、家の中で不必要に気を使いたくはないもの。マイホームは気兼ねなく暮らせることが大事です。

2軒目に採用して、良かったこと

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また2軒目を建てるにあたり、新たに取り入れたものもあります。家が広くなったので収納を増やすことができたということが大きいのですが、それ以外にも取り入れて良かった設備をご紹介します。

1:スケルトン階段

デザイン重視で考えたのがスケルトン階段です。本当は手すりさえも無くしてしまいたかったのですが、そんなことをしてしまうと間違いなく子どもが落ちてしまうでしょう。

見た目として素敵だと思って作りましたが、実際につけてみると階段が抜けているぶんだけ部屋が広く見えて開放感があります。また蹴込み板がないので、階段につけた窓から空気が流れやすくなっています。

あとは室内干ししたいときに、階段にかけることができるといったメリットも。階段の出っ張った部分に洗濯物をかけることができて便利です。

2:調光ライト

キッチン上部に調光ライトを採用して、白色と暖色・明るめと暗めを調節できるようにしました。ペニンシュラキッチン(半島のように片側だけ壁にくっついた形のキッチン)にしているので、キッチンで食事をとることが多いわが家。朝は太陽光に近い白色、夜は夕日に近い暖色の明かりで食事をとっています。

食事以外の場面では、子どもがキッチンで宿題をするときに教科書の文字が見やすいように白色のライトにしています。また夜に喉が渇いたときには、灯りを暗めの暖色にして目に刺激を与えすぎないように。地味なことだと思われるかもしれませんが、生活に合わせた照明設計ができていると、快適に過ごすことができます。

3:リビングにガス栓

実家でガスストーブを導入して以来、その速暖性と部屋の暖かさからガスストーブにしたいなぁと考えていて、2軒目でそれが実現。建てる段階でリビングにガス栓をつけてもらいました。

床暖房も検討したのですが、LDK全体に導入すると初期費用が高額になります。リビングのみ床暖房にしても良かったのですが、それはそれでみんながリビングに集中してしまいそうで断念しました。

戸建てはマンションのように気密性が高くないので、温熱環境を保つことが難しいのですが、ガスストーブのおかげで冬も暖かい部屋で過ごすことができています。

 

住宅づくりは予算もあるので、すべてを詰め込むことは難しいです。また、住んでみないとわからないことはたくさん出てきます。先人の成功例や失敗談を参考に、この先長く住んでいくという目線を持って、マイホームを考えてみてくださいね。次回は「2軒建てたもののそれでも失敗したと思うポイント&3軒目があるならこうしたいポイント」についておつたえします。

沖田かへ
沖田かへ

2級建築士、照明コンサルタント、FP、心理カウンセラー資格など所持。2人目出産後、大好きな子どもたちと少しでも長く時間を過ごせるよう、フルタイム勤務からライターに転身。夏はキャンプ、冬はスキーと、家族でアウトドアなライフスタイルを送る。取材記事を中心に、日常生活を今より快適に過ごすためのコラムを発信していきます。

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