世界各地でヨガメディテーションを指導してきた、ニーマル先生。今回は、親子で寝そべってできる簡単な瞑想方法や、忙しい方ほど瞑想が必要な理由についてお聞きしました。
呼吸法についての詳細はこちらの記事をチェック!
『なんだかストレスが溜まる…原因は、「浅い呼吸」!? 呼吸を深めて、黒感情を手放す「ニーマル瞑想」とは』
瞑想で子どもの集中力が上がる?
nullニーマル・ラージ・ギャワリ先生は、ネパール出身。9歳からヨガや瞑想に携わり、20カ国でヨガメディテーションの指導をしてきました。さらに、ヨガインストラクター資格であるRYT500認定講師として、ヨガメディテーションティーチャーを100人以上輩出しています。
「瞑想」というと少し難しい印象を受けますが、子どもにも瞑想はできるのでしょうか?
「アーユルヴェーダ的には、脳や神経、身体の仕組みなどが完成されるのは8歳と言われています。ですから8歳から瞑想を始めるのがいいでしょう」(以下「」内、ニーマル先生)
人は4歳くらいまでは、「誰もが自然と瞑想をしている」とニーマル先生は言います。しかし、成長と共に五感が発達して意識が外に向き始め、自分の内側を見つめる時間が少なくなることによって、瞑想から遠のいてしまうのだとか。
「子どもも瞑想することによって、注意力や集中力が高まったり、学校などでのストレスから心身をほぐすことにつながります」
寝そべったままできる青空瞑想
nullじっとしているのが苦手な子ども達にオススメなのが「青空瞑想」だと言います。
「これは寝そべって行う瞑想法で、親子で一緒に行えます」
青空瞑想のやり方
- 芝生や床、畳などの上に仰向けに寝る
- 呼吸に意識を集中させ、体をリラックスさせる
- 雲ひとつないキレイな青空を想像する。意識を体から離し、青空へ上がっていくようにイメージする
- 終わる時は意識を青空から肉体に戻し、ゆっくりと起き上がる
ニーマル先生の書籍『黒感情が消える ニーマル10分瞑想』では、より詳しいやり方が説明されています。
瞑想中に眠ってしまうと効果を得られないので、時々お子さんに声をかけて、眠りに落ちないように注意しながら行いましょう。
余裕がない方こそ瞑想が必要
null忙しさに追われていると、ネガティブな黒感情が湧き出てきやすくなります。そんな時ほど、呼吸をコントロールしたり、瞑想したりすることで黒感情を洗い流すことができるんだとか。余裕がなく、イライラしがちな方ほど、あえて瞑想の時間を取り、自分と向き合うと良いとのこと。
「例えば『食べ物を分けてください』と言われた時に、自分が十分に食べ物を持っていないと、分け与えることはできないものです。それと同じで、自分をしっかり愛せていないと、人を愛することはできません。
自分が持っている物しか、人に与えることはできないのです。自分のことは置いておいて、子どもには愛情を与えたいと思っても、自分が十分に愛を持っていないとできないのです。
忙しくて大変なお母さんこそ、自分を愛するようにして欲しいです。お母さんたちがポジティブで元気でいることは、子ども達にも良い影響を与えます」
瞑想を習慣化する方法は?
null瞑想を何度か経験したことがある方も、最近では少なくありません。しかし、継続するとなると難しいものです。忙しいことを理由に、後回しにしてしまいがちです。
「忙しくて『瞑想をする時間がない』と言う方も多いですが、時間は自分で作るものです。瞑想を習慣化するには、スケジュールに組み込むと良いでしょう。瞑想のハードルが高い場合は、まずは呼吸法(※)をルーティンに入れてみましょう。
毎日の行動の中に取り入れるといいです。例えば『買い物に出かける時』や『散歩中』などに呼吸法を行うようにするのです。
呼吸法に慣れてきたら、寝る前のひと時に、心の中で感謝の言葉を唱えてみましょう。当たり前のことが、実は当たり前ではなく、今日1日を無事に生きれただけですごいことなのです。そのような気持ちを込めて自分に良い言葉をかけるのです。『I’m healthy. I’m happy』(私は健康、私は幸せ)と心の中で唱えてみましょう」
※呼吸法のやり方はこちらをチェック
瞑想は化粧をしたり落としたりするのと同じ
null瞑想はメンタルをケアすることだとニーマル先生は言います。
「例えば、女性は朝、お化粧をして出かけて、帰ってきて落としてスキンケアなどして寝ますよね。そのように外側のケアは毎日怠らないのに、内側のケアを怠っている現代人は多いのです。
瞑想はメンタルのケアです。瞑想で心の汚れを落としたり、新しい1日を始める準備をしたりしてはいかがでしょうか」
【まとめ】瞑想を習慣化しよう
null- 8歳以上の子どもには青空瞑想を
- 自分を愛せていないと人を愛せないので、瞑想で心身にゆとりを
- 瞑想や呼吸法はスケジュールに組み込んでルーティンに
- 毎日の化粧・スキンケアと同じように瞑想でメンタルケアを
撮影/黒石あみ(小学館)
ニーマル・ラージ・ギャワリ
母国ネパールにて9歳よりヨガを学び、15歳から指導を開始。ハタヨガメディテーション及びアーユルヴェーダを学び、22歳で博士号を取得。20カ国でメディテーションを指導し、2003年に来日。2019年にメディテーションテックベンチャーのスワル株式会社を設立。
著書に『黒感情がら消える ニーマル10分瞑想』、『美顔ヨガ』(小学館)など。
『怒り、不安、嫉み、欲、エゴを生まずに、よりよい自分に
黒感情が消える ニーマル10分瞑想』
ニーマル・ラージ・ギャワリ著 小学館 1,595円(税込)
ネガティブな感情を洗い流すための瞑想のすすめ。 現代にアップデートされたニーマル先生の瞑想法、「ニーマルメソッド」を通して、「心を整える3分瞑想」「心を洗う10分瞑想」を毎日のルーティンにする、慣れる、ことを目指す1冊。
秋田生まれ。高校卒業後ドイツの大学の舞踊科へ。以後、海外を10年以上放浪し、現在は東京在住。ライターの他、ヨガインストラクターや振付家などもしている。