NG冷凍1:「再冷凍」は食材へのダメージ大!
null食品を冷凍・解凍する中でやってはいけないこと……、それは「再冷凍」なのだそう。再冷凍がダメな理由を冷凍王子こと西川さんに聞きました。
「再冷凍は食材へのダメージが大きいんです。正しく冷凍しても、1回目の冷凍で氷の結晶ができ、組織が破壊されています。それを再び冷凍すると、壊れた組織にさらにダメージを与えることになります。そうすると、食感が悪くなってしまうんです。それだけではなく、一度解凍した時に細菌も増えてしまうので衛生面でも良くないのです」(以下「」内、西川剛史さん)
また、冷凍して解凍した物を、冷蔵庫で長く保存するのもよくないとのこと。
「冷蔵庫は温度が低いため、細菌が増えるスピードを落とせるのですが、それでも増えはします。お肉やお魚を冷凍から生に戻した状態のまま、冷蔵庫でキープするのは衛生面で良くないですね」
面倒でも小分けに冷凍して、解凍したら1回でその日のうちに使い切るのが理想だといいます。
NG冷凍2:「詰め込みすぎ」は温度が上がってしまいます
null特売の時にたくさん食材を買ってきて、冷凍庫にパンパンにストックしがち。しかし、冷凍庫に詰め込み過ぎるのは良くないのだとか。
「冷凍庫をパンパンにすると、お目当ての食材を探す時間が長くなります。それによって開けている時間も長くなり、温度が上がってしまうので、詰め込み過ぎはNGです」
しかし、余裕があり過ぎる冷凍庫も問題があるとのこと。
「スカスカな冷凍庫は、温度が上がりやすくなってしまいます。キャンプなどにクーラーボックスを持っていく時、隙間に保冷剤を入れますよね。それと同じで、冷凍庫内では冷凍した食品が保冷剤代わりになり、冷凍庫内の温度を上がりにくくしてくれるのです。7~8割は食材を入れて、多少の遊びがある程度がオススメです」
月に一度は冷凍庫の整理を
null家庭用冷蔵庫で冷凍保存しても、賞味期限は1カ月程度だといいます。
「冷凍保存しておけば、火を通せば食べられないことはないけれど、美味しく食べるのは1カ月が限度です。扉の開け閉めやデフロスト機能(霜取り機能)により、冷凍庫内は度々温度が上がりがちなので、冷凍庫の中でも食品は日を追うごとに劣化しています。
加えて、ずっと入れっぱなしの食材は、忘れ去られてしまうんです。長期保存しても保存状態は劣化するばかりで、結局食べなかったりします」
そこで西川さんは解決法として、月末などに“冷凍庫の物を使い切る日”を決めておくことを提案しています。
「月に1度は冷凍庫内を一掃しましょう。何が入っていても美味しく食べられる、鍋やカレーなどにするのが向いています。そんな風に冷凍庫の掃除をして、空にしてからまた新しく入れましょう」
セカンド冷凍庫のすすめ
null冷凍ストックで冷凍庫がパンパンになりがちな方にオススメなのが、セカンド冷凍庫の存在。
「セカンド冷凍庫は、今買うべき家電といえます。冷凍室が大きい冷蔵庫を買おうと思うと、価格が高くなってしまいます。ですが、セカンド冷凍庫は3〜6万円ほど。冷凍スペースが増えれば節約につながることを考えると、比較的高くありません」
メインの冷蔵庫にプラスして買うと便利だそう。実際、セカンド冷凍庫の近年の売り上げは伸びているといいます。
「セカンド冷凍庫を持つと、まとめて買って冷凍するのが可能になります。コスパの良い冷凍食品や冷凍野菜もたくさんストックすることができます」
西川さんは、家庭用冷蔵庫に付いている冷凍庫の弱点を、次のように説明します。
「家庭用の冷蔵庫は、扉の開け閉めで温度があがりがちです。それに加えて、どの冷凍庫にもデフロスト機能(霜取り機能)があり、半日に1回は温度が上がる仕組みになっています。扉を閉めっぱなしにしていても、霜がつかないようにデフロスト機能が働いているので知らないうちに食材が劣化していきます。
中にはデフロスト機能が働きつつ、
冷凍王子が推すセカンド冷凍庫は?
持っていると節約につながるセカンド冷凍庫。冷凍王子のオススメはどれでしょうか?
「『AQUA』の『スリムフリーザー』がオススメです。
【まとめ】冷凍保存で「やってはいけない」NG行為&セカンド冷凍庫のメリット
null冷凍保存のNG行為
- 再冷凍はダメ
- 解凍したものを冷蔵庫で保存も良くない
- 小分けに冷凍して解凍したら使い切ろう
- 冷凍庫内は詰め込み過ぎず、7~8割にすると効率よく冷やせて取り出しもしやすい
セカンド冷凍庫のメリット
- 冷凍ストックをたくさん常備できる
- 長期保存が可能に
- 節約につながる
食料品の価格が高騰し続ける今日この頃。物価高をかしこく生き抜く術として、冷凍保存テクとセカンド冷凍庫は強い武器になりそうですね。
撮影/横田 紋子(小学館)
【取材協力】
冷凍生活アドバイザー
西川剛史(にしかわたかし)
大学で食品栄養学を専攻し、学生時代から冷凍食品に魅了される。
冷凍食品メーカー、冷凍食品販売会社の商品開発部門などで勤務。
冷凍食品会社で経験したことや独学での実験に基づく知識を生かし、現在は冷凍に関する第
一人者として、テレビ・雑誌・ラジオなどでも幅広く活躍。
【書籍情報】
『西川剛史のおいしすぎる冷凍レシピ』(宝島社)
116品の食材の冷凍術を紹介した第1弾に続き、113品の絶品冷凍レシピを紹介する、西川剛史の冷凍本の第2弾。冷凍王子直伝の冷凍ストック術で“手間抜き”調理を実現。
秋田生まれ。高校卒業後ドイツの大学の舞踊科へ。以後、海外を10年以上放浪し、現在は東京在住。ライターの他、ヨガインストラクターや振付家などもしている。