小松菜を選ぶポイントは軸にあり!美味しい冬野菜の選び方
null皆さんは冬に旬を迎える白菜やキャベツ、大根などを買う際、どんなサイズのものを購入することが多いですか? 家族構成にもよりますが、特に白菜はそのままだと4人家族でも1度の献立で食べきれる量ではありません。大根やキャベツも使い切れず、半分にカットしてラップなどにくるみ、冷蔵庫に保管している人も多いのではないでしょうか。
中にはあえて食べきれるように小ぶりの野菜を購入する人もいるかもしれませんが、それは必ずしも得策ではないようです。
「大根やレンコン、ジャガイモといった土の中で成長する“根もの野菜”は、基本的に大きいサイズのほうが美味しいことが多いです。大きいものは生育の期間が長く、特に冬場の野菜はそれだけ栄養も味も乗っています」(以下「」内、本多 論さん)
また他の美味しい野菜の見極め方として、例えば今が旬の小松菜であれば、軸がしっかりしているものがオススメだそう。
「ただあまりに軸が太すぎて、1袋で3本くらいしかないような小松菜は固いことが多いので、オススメできません。それなりに株が多く入ってるけれど、軸がしっかりしたものを。これは小松菜に限らず、水菜やほうれん草などでも同じですね。
あと小松菜の場合、葉が青々としていても“黒っぽい”ものはえぐみが強いので避けたほうがいいかもしれません」
また同じく旬の白菜は、黄色いものと緑色のものがあります。どちらを選ぶのか迷う人が多いかもしれませんが、本多さんによると必ずしもどちらかが正解、ということではないようです。
「冬の時期にある程度霜にあたると白菜は黄色くなります。寒さにあたると甘くなるので、そういった白菜がいいなら黄色い白菜がオススメ。ただ旬の青々とした白菜でもみずみずしくて美味しいので、それを選ぶのも悪くはないんです」
野菜は畑で育った状態を再現する“縦保存”が基本!
nullまた白菜は、半分か、4分の1にカットされていることが多いですよね。カットされている場合、本多さんは断面の“芯”の部分に注目してほしい、と教えてくれました。
「野菜は収穫後でも生きているものなんです。白菜は芯の部分が残っていると成長していき、時間が経つと芯の部分がふくらんだ状態に。そのような状態の白菜は、収穫してから日にちが経ってしまっているという目安になります。これはキャベツでも同じですね」
白菜やキャベツを家で保存する場合も、芯をカットすることで栄養を止めることが新鮮さを保つコツだそう。
「さらに冷蔵庫で保管する際は、畑で育った状態と自然本来の形と同じ形で保存するほうが長持ちします。白菜やキャベツも基本は立てて保存したほうがいいし、ネギもできれば寝かせるよりも立てたほうがいい。寝かせてしまうと野菜が起き上がろうとするので、その労力に栄養が持っていかれてしまうんです」
根菜類は常温保存が基本! 冷蔵庫に入れたいなら新聞紙にくるんで冷気をガード
null野菜の正しい保存方法は種類によって異なり、特に大きいのは常温保存と冷蔵保存の違い。冬に旬となる根菜類は常温保存が基本となります。
「特にサツマイモは冷蔵庫に入れるのはNGです。サツマイモの適温は14、15℃ぐらいで寒さに弱いので、冷蔵庫に入れるとどんどん劣化し、最終的には腐ってしまいます。冬場なら根菜類は外に置くのが基本。
ニンジンは冷蔵庫でもいいですが、根菜類をどうしても冷蔵庫で保存したい場合は新聞紙にくるみ、直接冷気にあてないように工夫してください。野菜室があれば、必ずそちらを使ってください」
カット野菜などはラップにくるんで冷蔵庫で保存する人も多いかもしれませんが、本多さんによると密閉性が高いラップにくるむと野菜が呼吸できないので、やはり新聞紙がベストだそうです。
「どの野菜が冷蔵でどの野菜が常温保存というのは、スーパーで売っている野菜の陳列方法を参考にするといいと思います。スーパーで常温保存なら常温、冷蔵なら冷蔵で間違いないので“この野菜は常温? それとも冷蔵庫に入れたほうがいい?”と迷ったら、一度確認してみてください」
撮影/小倉雄一郎(小学館)
【取材協力】
大田市場 大治(だいはる) 本多 諭(ほんださとし)
大学卒業後、株式会社紀ノ国屋に入社。2年間正社員として働いた後に、大田市場で野菜の仲卸業を70年以上営む家業の大治(だいはる)に入社。平成28年に代表取締役社長に就任し、「東京野菜」ブランドを推進する東京野菜普及協会の代表理事としても活躍。青果物の流通のプロとして産地の開拓など「質の良い野菜」にこだわり、旬野菜やトレンド野菜についても広い知見をもつ。
東京都出身、千葉県在住。短大の春休みより某編集部のライター見習いになり、気が付いたら2022年にフリーライター歴25年を迎えていた。現在は雑誌『DIME』(小学館)、『LDK』(晋遊舎)などで取材・執筆を行うほか、『kufura』などWEB媒体にも携わる。
執筆ジャンルは、アウトドアや子育てなどさまざま。フードコーディネーターの資格も持つ。