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「えびのしっぽ」あなたは食べるor食べない?管理栄養士の意見も聞きました

家族や友人と一緒に食事をしていて、「え、それ食べるんだ(食べないんだ)!?」とちょっとびっくりするとき、ありますよね。おいしく食べるのが一番ですが、自分は少数派なの?みんなはどうしてるのかな?と気になることも。そこで『kufura』では、さまざまな食品について「食べる?食べない?」を調査。
今回は天ぷらやえびフライなどの「しっぽ」部分! 20代以上の男女726人が答えた、食べる派、食べない派それぞれの意見を見ていきましょう。

両方ほぼ4割ながら「食べる派」がわずかに優勢

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食べる:42%、食べない:39%、そのときによる:19%

それぞれの意見を見ていきましょう。

食べる派の意見

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香ばしくて美味しいから(42歳女性/その他)」

必ず食べる。エビが大好きだから(49歳女性/学生・フリーター)」

エビの身よりもしっぽのほうがいい香りがして、むしろしっぽのほうが好きです(54歳女性/主婦)」

香ばしくて美味しいから、という意見が大多数でしたが、えびが大好きだから全部食べたい! むしろ尻尾の方が好き!というえびへの熱い思いが感じられる人も。

カルシウムが摂れるから(38歳男性/主婦)」

カルシウム摂取が第一目的。他にカリカリした食感、味も自分は好きなので食べます(34歳男性/デザイン関係)」

次に多かったのは、カルシウムが摂りたいからという人。

食べられるのに、捨てたくないから(42歳男性/その他)」

残すのはもったいない(48歳女性/主婦)」

食べるときに分けるのが面倒だから(52歳男性/コンピュータ関連以外の技術職)」

そのほか、もったいないからという人や、面倒だから全部食べちゃう!という人もいました。

食べない派の意見

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食べる意味がわからない(29歳女性/その他)」

もともと食べるものとは思っていないから(43歳女性/コンピュータ関連以外の技術職)」

エビの尻尾って食べるものなのですか? 固くて美味しくなさそう……(54歳女性/主婦)」

意外と多かったのが、そもそも食べようと思ったこともないという人。

食感が苦手、口に残る(29歳女性/その他)」

食感が苦手。エビの身を美味しく味わったのに尻尾を食べたら台無しになる(34歳女性/主婦)」

食べる派に好評のカリカリ食感も、人によっては真逆の評価に。

何回か食べたことがありますが、口の中に刺さって痛かったりそこまで美味しいと思わなかったので(41歳女性/主婦)」

食べて口を切った事があり食べなくなりました(48歳男性/その他)」

えびの種類や調理法にもよりそうですが、固めのしっぽは確かに食べるときには気を付けた方が良いかもしれませんね。

汚れを出す下処理がされていないと汚いから(39歳女性/主婦)」

尻尾に雑菌が溜まっていそうなので(45歳女性/主婦)」

殻の中はきれいにしきれていないのでは……?という疑いを持っていて、食べる気にならないという人も一定数いました。

「そのときによる」派の意見

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天ぷらなどカラッと揚がったものは食べるが、見るからにしなしなになっているものは食べない(24歳女性/学生・フリーター)」
揚げてあるものは基本的には食べる。エビが大きくあまりにも硬そうな場合は残す(42歳女性/その他)」
自宅で自分で作ったものや専門店のものは食べるけど、スーパーの惣菜やコンビニのは食べないです(49歳女性/総務・人事・事務)」

基本的には食べる派だけどえびの状態によるという人や、

人目があるかどうかで食べたり食べなかったりする(35歳女性/主婦)」
空腹な場合は食べる(37歳男性/会社経営・役員)」

うんうん、分かるなあという意見の人もいました(笑)。

管理栄養士の意見は?

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管理栄養士の宮崎さんに、えびのしっぽについて、栄養上また衛生上の視点から解説してもらいました。

「えびの尾は殻と同じ成分からできています。殻には、抗酸化作用のあるアスタキサンチンが含まれています。

また、食べる派の意見にもあるように、えびのカルシウムはほぼ100%が殻に含まれているため、身だけではカルシウムを摂取することができません。

えびの尾を食べると消化が悪い気がするという意見がありますが、それはキチンによるものだと考えられます。キチンは、カニやエビなどの甲殻類の殻や貝殻に含まれている成分で、コレステロールの吸収を抑える作用があります。しかし、人間はキチンを分解できる消化酵素を持っていないため、消化されにくいという欠点があるので注意しましょう。

しっぽの部分は汚いのではないかという意見の通り、えびの尾の中には水と一緒に汚れが混ざっていることがあります。

油はねを防ぐ目的で尾の先を斜めに少し切り落とし、包丁の先で水分をしごき出す下処理をしますが、これにより水分と一緒に汚れをとることができます。ただし、市販品などで下処理のレベルが気になる方は食べるのを避けると良いでしょう」

カルシウムやアスタキサンチンなど、積極的に摂取したい栄養素も含まれるしっぽ部分。もし食わず嫌いの人がいたら、一度試してみてはいかがでしょうか。

 

【参考文献】
・東京慈恵会医科大学附属病院栄養部監修「その調理、まだまだ9割の栄養捨ててます!」世界文化社(2019)

・農林水産省「鳥取大学の『キチンナノファイバー』」
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2111/univ01.html(閲覧日:2023年7月14日)

・オレンジページnet「えびの尾を切る」
https://www.orangepage.net/ymsr/kihon/cut-fish/posts/1909(閲覧日:2023年7月14日)


【取材協力】宮崎奈津季

管理栄養士・薬膳コーディネーター。介護食品メーカーで営業職に2年間従事した後、フリーランスの管理栄養士に。料理動画撮影やレシピ開発、商品開発、ダイエットアプリの監修、栄養価計算などの経験あり。 現在は、特定保健指導、記事執筆・監修をメインに活動中。

※「崎」は正式には立つ崎(たつさき)です

HP:https://www.mnatsuki.com/
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