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「たこ」は低脂肪・高たんぱく!実はダイエットにも最適なヘルシーフードです

「たこ」は、実は魚介類の中でもトップクラスの低カロリー食材! ぷりぷりとした食感が特徴的ですが、脂質が少なくたんぱく質が多いので実はヘルシーな食材です。疲労回復に役立つと言われるタウリンや、ビタミン類など、体を元気にする栄養素が多く含まれる「たこ」の栄養情報について、管理栄養士が詳しくご紹介します。

たこの基礎知識

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たこにはどんな種類がある?

日本で食べられている主なたこは、東北地方南部以南に生息しているマダコ、北方でとれるミズダコ、北海道南部から朝鮮半島南部、中国沿岸に分布するイイダコなどがあります。

本州でたこといえばマダコを指すことが多く、筋肉質で身がしまっているのが特徴です。

世界最大の種類であるミズダコは身が柔らかく、刺身や、薄切りにして熱々のだしや湯にさっとくぐらせて食べるたこしゃぶで知られています。

イイダコは小型のたこで、小さな胴体の中に卵をもち、ゆでると飯粒がつまったようになることからその名でよばれるようになったといわれています。

たこの「頭」ってどこでしょう?

たこは、頭、胴、腕からなります。丸い部分が「頭」と思いがちですが実は違います!

足と呼ばれている部分:獲物をとらえる役割ももつため、腕や触手などとよばれており、吸盤がついています。4対の腕と腕の間には傘膜と呼ばれる薄い膜が張っています。

頭と呼ばれている部分:実は胴で、外套膜と呼ばれる袋状の器官に内臓が包まれている形状をしています。本来の頭(目や口)は腕の付け根にあり、腕が直接頭から生えています。

口と呼ばれている部分:口ではなく、漏斗という名称で、外套の切れ込みから取り込まれた水、フン、墨などの総排出口の働きをしています。

たこの旬は?

年中出回りますが、マダコの旬は夏といわれています。夏至から11日目のころの半夏生(はんげしょう、7月2日ごろ)にたこを食べる風習の地域もあるようです。

たこの栄養情報

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マダコ(生)100gあたりに含まれる主な栄養素

・エネルギー:70kcal
・たんぱく質:16.4g
・脂質: 0.7g
・ビタミンE:1.9m
・ビタミンB2:0.09mg
・ビタミンB6:0.07mg
・ビタミンB12:1.3μg
・亜鉛:1.6mg
・カリウム:290mg
・マグネシウム:55mg

低脂質高たんぱくなヘルシー食材!

たこは低脂質高たんぱく質の食材で、エネルギーの低さは魚介類の中でもトップクラス。低脂質高たんぱくとして知られるスルメイカと比べ、その数値はひけをとらないほどです。実際にマダコはゆでて食べることが多いですが、マダコ(ゆで)は、脂質量はそのままにたんぱく質量が増加しています。

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、たんぱく質摂取の推奨量は、12歳以上の男性が60~65g/日、女性が50~55g/日に設定されています。

まだこ100gには21.7gのたんぱく質が含まれているため、植物性のたんぱく質食材を少量組み合わせれば、十分の量のたんぱく質が摂れるといえるでしょう。

タウリンが豊富

たこに含まれる成分で特に注目したいのがタウリンです。タウリンの含有量は、魚介類の中では牡蠣がトップなのはよく知られています。マダコではその半分程度ではありますが、アサリやアジの約3倍にものぼります。

タウリンの働きは、消化管内でコレステロールの吸収抑制、心・肝機能の向上、視力の回復、インスリンの分泌促進、高血圧予防といったさまざまなものが報告されています。

タウリンは水溶性で加熱にも弱い成分です。また、酢に含まれるクエン酸はタウリンの吸収を高めるといわれています。

煮物にした場合は薄味にして煮汁もいっしょに食べたり、酢の物やカルパチョなどもおすすめです。

ビタミンB・E

炭水化物・脂質・たんぱく質の代謝に関わるビタミンB群、中でも、赤血球の生成をうながすビタミンB12を含有しています。また、強い抗酸化作用を持ち、体内の酸化を防ぐといわれているビタミンEを含みます。

ミネラル類も

ミネラルの中では、免疫力を高めてデトックス効果が期待できる亜鉛や、余分なナトリウムを排泄する働きのあるカリウム、歯や骨の健康維持に欠かせないマグネシウムを含んでいます。

たこに期待できる効果効能

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ダイエットや生活習慣病が気になる人に!

低脂質高たんぱくで低エネルギー、タウリンも豊富に含んでいるたこ。歯ごたえもあり、食べ応え抜群のため、ダイエットや生活習慣病が気になる人に最適な食材として知られています。

咀嚼はダイエットだけではなく、脳への血流が増えることで認知症予防や脳機能向上、リラックス効果などが期待されており、ビタミン・ミネラルを含む食材と組み合わせると、最強の食材の一つであるといえるでしょう。

消化は悪めなのでよく噛んで!

消化吸収率はよい方ですが、消化に時間がかかります。よく噛まずに食べると胃に負担がかかってしまうこともあるため、一度に大量に食べないようにしたり、咀嚼をしっかりとする、消化のよくない食材と食べ合わせないようにするなどの注意が必要です。

 

撮影:黒石 あみ(小学館)

【参照】

・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・「旬を味わう魚の事典」 坂本一男監修 ナツメ社
・「からだにおいしい魚の便利帳」藤原昌高著 高橋書店
・「からだによく効く旬の食材 魚の本」講談社
・「旬の野菜と魚の栄養事典」吉田企世子/棚橋伸子 監修 X-Knowledge
・「食材図典Ⅲ」小学館
・厚生労働省「e-ヘルスネット」ビタミン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-027.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」タウリン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-017.html
・水産庁「水産物に含まれる主な機能性成分」
https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h29_h/trend/1/sankou_6_3.html
海と魚がもっと好きになるウェブマガジン umito.「たこ」
https://umito.maruha-nichiro.co.jp/article101/

(最終参照日:2023/1/23)

大槻 万須美
大槻 万須美

管理栄養士・フードスタイリスト。楽しく食べて健康に。大学卒業後、食品メーカー勤務を経て管理栄養士の道に進む。
食の大切さを伝えるため、コーチングを取り入れたバレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、親子クッキングや離乳食講座などの料理教室、レシピ・コラムの提供、栄養講座、研究機関協力など幅広く活動。
現場の生の声から多くを学びながら、おとなと子どもの食育サポートに力を注いでいる。

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