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意外と簡単!「大豆」の茹で方と使いこなしレシピ【乾物と仲良くなろう!】

昔から身近にあるけれど、ちょっと手を出しにくいという人も多い乾物。でも実は、生の状態より水分が抜けて成分が凝縮されていることで栄養パワーがアップしていることが多く、長期保存も可能なため、使いこなせるとたくさんいいことがある食材なんです。

そんな乾物の栄養情報に加え、基本の戻し方やおいしいレシピを、栄養士であり料理家であるあーぴんさんが紹介してくれるシリーズです。

第13回目は「大豆」。水煮や蒸し大豆も手に入りますが、乾いた豆の状態からゆっくり茹でるのも、案外簡単で楽しいもの。また、煮豆以外にもいろいろな調理方法を紹介してくれました!

「畑の肉」大豆の基礎知識

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こんにちは。栄養士の道添明子です。料理家「あーぴん」として、時短簡単・おいしい・お洒落な、“みんなが笑顔になれる幸せごはん”の料理教室を主宰、簡単レシピを毎日SNSで発信しています。

今回は「畑の肉」として古くから日本で親しまれてきた食材である「大豆」の栄養成分や健康効果などの解説とともに、おすすめレシピもご紹介します。

大豆100gあたりに含まれる栄養素

・エネルギー:124kcal
・たんぱく質:12.9g
・脂質:6.7g
・食物繊維:6.8g
・炭水化物:7.7g

ここでは最も手軽に使える大豆水煮缶の数値でご紹介しています。

特に注目したいのが、たんぱく質です。筋肉や皮膚などを作るたんぱく質は、アミノ酸が集まってできています。アミノ酸20種類のうち、11種は体内で作ることができますが、残り9種は体内で作られず「必須アミノ酸」と言われています。

アミノ酸の必要量に対して、必須アミノ酸がどの程度の割合で含まれるかを示し、たんぱく質の栄養価を評価するのが「アミノ酸スコア」。

アミノ酸スコアの数値は0〜100まであり、スコアが100に近いほど「質の良いたんぱく質」と言えます。肉類、魚介類、乳製品、卵などはおおむねアミノ酸スコアが100です。

一般に、植物性たんぱく質は動物性たんぱく質と比較してスコアの低いものが多いですが、大豆のアミノ酸スコアは100。たんぱく源として非常に優秀と言うことができます。

また、たんぱく質と合わせて注目したいのが、機能性成分です。女性ホルモンと似た働きをする「大豆イソフラボン」が豊富で、美肌や骨粗しょう症の予防も役立っています。抗酸化作用のある「大豆サポニン」、腸内で善玉菌を増やす「大豆オリゴ糖」も含まれています。

大豆以外の豆との比較

枝豆は大豆の子どもで、大豆を若いうちに収穫したものです。また、大豆を水に入れて発芽させた「大豆もやし」などもあります。

大豆のほかの豆と比較してみましょう。

炭水化物/脂質/たんぱく質の量で比較します(全て水煮100gあたりの数値です)。

  • 大豆:7.7g/6.7g/12.9g
  • 小豆:25.6g/0.8g/8.6g
  • ひよこ豆:27.4g/2.5g/9.5g
  • いんげん豆:24.5g/1.2g/9.3g

大豆はほかの3種類と比べても炭水化物が低く、脂質とたんぱく質が多いことが分かりますね。

【参照】日本食品成分表2020年版(八訂)

大豆の戻し方

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水煮を購入することもできますが、乾燥豆から茹でるのも、時間はかかりますが難しくはありません。乾燥の豆なら、産地や品種を選ぶこともできて楽しいものです。ぜひトライしてみてくださいね。

1.水に浸ける(6時間以上)

まん丸の豆がふっくらした楕円形に戻ります

大豆は洗ってからたっぷりの水に浸けて戻します。6時間以上、または一晩おいて戻すと水を吸ってふっくら戻ります。まん丸の大豆が楕円形になるのが目安です。

夏場は必ず冷蔵庫に入れて戻します。温度が低いと戻るのに時間がかかる点に注意してくださいね。

2.茹でる(約1時間)

圧力鍋や炊飯器を使って茹でる方法もありますが、ここでは一般的な鍋を使って茹でます。

大豆の戻し汁ごと鍋に入れて火をつけて、煮立ったら弱火にし、アクを取りながら大豆が完全に柔らかくなるまで煮ます。途中水が少なくなるようなら差し水をし、常に大豆が水に浸かっている状態をキープします。おおよそ1時間くらいかかります。

この段階で指でつぶせるくらいまで柔らかくなるまで茹でるのがポイントです。調味料を入れてしまうと、そこからは豆は柔らかくなりません。

乾燥→水煮にしたらどれくらい増えるの?

100gの乾燥大豆がおおよそ2〜3倍の重さになります。レシピの材料欄にあるのは大豆の水煮の分量であることが多いので、参考にしてください。

すぐに使える大豆いろいろ

この水煮が面倒だという方には、「水煮の缶詰」、「水煮のパック」、サラダなどに便利な「蒸し大豆」もあります。これらもぜひ活用してくださいね。

基本の大豆レシピ:煮豆

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基本の煮豆ですが、大豆にひじき、彩りに人参、味だし食材の油揚げを入れて煮ています。ひじきはごま油で炒めてから煮ると香りが出ます。にんじん、油揚げ、ひじきのほか、干し椎茸、昆布など、お好みの具材でどうぞ。

時間が経つと味がなじんでおいしくなるので、作り置きにも最適です。冷蔵庫で3〜4日保存可能。

【材料】4人分(作りやすい分量)

・大豆 100g(乾燥)
・にんじん 1本(100g・1cm幅の短冊切り)
・油揚げ 1枚(100g・油抜きして短冊切り)
・芽ひじき 乾燥15g(たっぷりの水で戻す)
・ごま油 大さじ2

<調味料>
・大豆の煮汁 200ml
・水 200ml
・砂糖 大さじ2
・しょうゆ 大さじ2
・みりん 大さじ2
・酒 大さじ1

【下準備】

上記の大豆の戻し方を参考に大豆の水煮を作る。
※今回は100gの豆から250gの水煮ができました。

【作り方】

(1)鍋にごま油を入れて中火でひじきを入れて炒める。ひじきに油が回ったら、水煮の大豆、にんじん、油揚げ、<調味料>を加えて蓋をし、中火で7〜8分にかける。

(2)汁気が少し残るくらいまで煮たら完成! にんじんが柔らかくなるのが目安です。

フランスのおふくろの味「カスレ」風

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大豆は和風だけでなく洋風に調理しても。フランス南西部の家庭料理の「カスレ」風のトマト煮込みを作りました。

本来は白いんげん豆や塩豚で作りますが、今回は身近な大豆とベーコン、ウインナーを使いました。豚バラ肉、鶏もも肉、鶏手羽元などでもOKです。最後にオーブントースターで焼くとグラタン風の香ばしい仕上がりになります。寒い日に食べる熱々の煮込みは最高ですね。

ここでは簡単に大豆の水煮缶を使用しました。もちろん自分で煮たものでも、ドライパックでも、お好みのものを使ってください。

【材料】(3~4人分)

・大豆水煮 1袋(125g)
・ベーコン 100g(厚切りタイプ使用・1cm幅に切る)
・ウインナー 4本
・玉ねぎ 1個(200g・薄切り)
・ニンニク 1かけ(みじん切り)
・オリーブオイル 大さじ1
・粉チーズ・パン粉 各適量
・刻みパセリ 適宜

<調味料A>
・カットトマト 1パック(300g)
・水 1カップ
・固形ブイヨンスープの素 1個

<調味料B>
・砂糖 小さじ2
・塩・コショウ 各少々

【作り方】

(1)鍋またはフライパンにオリーブオイルを熱し、ニンニク、玉ねぎを炒める。玉ねぎがしんなりしたらベーコンを加えて炒める。<調味料A>の材料を入れて、蓋をして野菜が柔らかくなるまで煮込む。

(2)大豆水煮、ウインナーも加えてさらに中火で煮詰め、<調味料B>で調味する。

(3)耐熱容器に分けて入れ、粉チーズ・パン粉をふり、オーブントースターで2〜3分こんがり焼く。仕上げにお好みで刻みパセリをふる。

レタス1玉食べられる!大豆入りヘルシー肉味噌

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味噌とオイスターソースでこっくり味付けした肉味噌です。レンジで作れるから調理も簡単です。お肉の半分を大豆にチェンジしたヘルシーレシピ。レタス1玉もぺろりです! お好みでトッピングをプラスして。

【材料】(2人分)

・大豆の水煮(80g)
・豚ひき肉 100g
・長ねぎ 1本(100g・みじん切り)
・おろしショウガ 小さじ2
・おろしニンニク 小さじ1
・レタス 1玉
・かいわれ菜・揚げた春巻きの皮など 適量

<調味料>
・味噌 大さじ2
・酒 大さじ1
・砂糖 大さじ1
・ごま油 大さじ1
・オイスターソース 小さじ2

(1)レタスは葉を1枚ずつに分けて氷水につけてパリッとさせ、水気を切っておく。

(2)大きめの耐熱ボウルに<調味料>を合わせ、豚ひき肉、大豆の水煮缶、長ネギ、おろしショウガ、おろしニンニクを加えてよく混ぜる。

(3)肉ダネをボウルの内側に貼り付けるようにしてふんわりラップをして、電子レンジ〈600W〉で3分加熱する(500Wでは3分36秒、700Wでは2分33秒)。

(4)取り出して全体を混ぜてさらに600Wの電子レンジで30秒〜1分加熱する。

(5)器に盛り、レタス、かいわれ菜・春巻きの皮など添える。

 

日本は世界の中でも大豆をたくさん食べる国です。また豆そのものだけでなく、豆腐、納豆、油揚げ、味噌、醤油などの様々な食品や調味料に加工されて親しまれてきました。

煮るのに時間はかかりますが、水煮のパックや缶詰を利用すると手軽です。栄養豊富な大豆を、ぜひいろいろな食べ方で食卓に取り入れてみてくださいね。

道添明子(あーぴん)
道添明子(あーぴん)

栄養士、料理家。
日本女子大学食物学科卒業。大手食品会社にて新製品の企画開発などに携わる。その後企業向けの料理レシピ開発、シルバー大学や料理教室講師、企業の健康栄養セミナーなどで幅広く活躍。
「健康な体は毎日の食生活から」をモットーに、初心者でも作りやすいよう調理法を工夫し、素材を生かしたメニューを得意とする。各種SNSで日々レシピ情報を更新中。

https://lit.link/apinakikomichizoe

新刊『旬と野菜を愉しむあーぴんの絶品おかず』(宝島社)2023年9月13日発売!

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