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さっぱりジューシーな「梨」はうれしい栄養が豊富!保存方法も解説します【管理栄養士監修】

品種が多く秋に長い期間出回る梨は、すっきりとした甘みとさわやかな香りでファンの多い果物。エネルギー・糖質ともに控えめながら、むくみ予防、疲労回復、虫歯予防などなど体にうれしい様々な効能が期待できます。詳しい梨の栄養情報に加え、上手な保存方法や、「皮は食べてもいいの?」などの疑問まで、管理栄養士の小嶋絵美さんが解説します!

梨の栄養情報

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和梨(可食部)100gあたりに含まれる主な栄養素

・エネルギー:38kcal
・水分:88.0g
・炭水化物:11.3g
・糖質:10.4g
・食物繊維:0.9g
・カリウム:140mg
・アスパラギン酸:140mg
・ソルビトール:1.5g

糖質・エネルギー(カロリー)は低め

梨は一般的な果物と比べると、バナナやりんご・みかんより、エネルギー・糖質ともに控えめです。キウイと同程度の糖質を含みますが、エネルギー(カロリー)は低いことが分かります。これにはどういう意味があるのでしょう?

エネルギーとして利用される栄養素には、炭水化物(糖質含む)のほかに、たんぱく質と脂質があります。キウイと比較してみると、梨100gに含まれるのはたんぱく質0.3g、脂質0.1gですが、キウイ100gにはたんぱく質1.0g、脂質0.2gが含まれています。糖質量は同程度でもキウイの方がたんぱく質と脂質が多いので、梨の方がエネルギーが低くなるんですね。

果物100gあたりのエネルギーと糖質の比較

・梨:38kcal、糖質10.4g
・バナナ:93kcal、糖質21.4g
・りんご:56kcal、糖質14.3g
・みかん:49kcal、糖質11.0g
・キウイ:51kcal、糖質10.8g

夏バテやむくみ防止にも!梨の効果・効能

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食物繊維でお腹すっきり

食物繊維には水溶性と不溶性がありますが、梨には水溶性食物繊維が0.2g、不溶性食物繊維が0.7g含まれています。

水溶性食物繊維は食後の血糖値の上昇をゆるやかにする、コレステロールの吸収を抑えるなど生活習慣病の予防や改善に役立ちます。不溶性食物繊維は腸内環境を整えることで便秘予防にはもちろん、新陳代謝を高めることから美肌や美容にもいい影響が期待できますよ。

カリウムでむくみ予防・生活習慣病予防

カリウムは水分代謝に必要なミネラルで、顔や脚のむくみ予防におすすめです。果物だけでなく野菜類にも含まれますが、水溶性のため茹でる、煮るなど加熱調理することで流失してしまいます。その点、梨は生のまま手軽に食べられるのでカリウム補給にぴったり。

また、カリウムは体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を促すことで健康に役立ちます。日本人は塩分を摂りすぎる傾向にあることからも重要な栄養素と言えます。

成人の場合、生活習慣病予防のため1日に摂りたいカリウムの目標量は男性3,000mg以上、女性2,600mg以上です。

アスパラギン酸で夏バテ予防

非必須アミノ酸のひとつで体内でも生成されます。エネルギー代謝に関わることから、疲労回復や夏バテ予防への効果が期待されています。

歯の健康にも役立つソルビトール

糖アルコールという糖質の一種です。虫歯の原因であるミュータンス菌を抑制する働き、整腸作用などを持っています。

切り方、保存方法…梨をおいしく食べるヒント

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梨の皮は食べてもOK?

りんごは皮ごと食べることがありますが、実は梨も同じ感覚で皮を食べられます。果物の皮には食物繊維やポリフェノールが豊富で皮ごと食べると栄養面でのメリットもありますよ。皮の残留農薬が不安な方は、少ない農薬で栽培されたものを選ぶとよいでしょう。

梨を皮ごと食べるのに適した切り方

皮をむかずに食べる際は、切るのも簡単で食べやすい「梨スティック」がおすすめです。

梨を縦向きに1.5cm幅の輪切りにします。芯の部分は切り落とし、アイスキャンディのように1本ずつつま楊枝を刺します。切ったあとはレモン水に漬けると変色を防止できますよ。

【保存方法】追熟は室温、完熟したら冷蔵庫へ

未熟な梨は常温(冷暗所)で追熟させることができますが、完熟して食べ頃になったら、キッチンペーパーに包みビニール袋に入れて封をし、冷蔵庫の野菜室に保存しましょう。みずみずしさをキープできますよ。
また梨を置くときは「お尻を上」にするのが長持させるコツなんです!

冷凍保存も可能です

梨は冷凍保存ができます。お好みで皮をむいて芯を取り、食べやすい大きさに切ったら、保存袋に重ならないよう平らに並べて入れて空気を抜き封をして冷凍庫へ。金属トレーを敷くと早く温度が下がるので鮮度を保てます。

酸化による変色を防ぐには切ったあとに一度レモン水に浸けてから軽く水気をふき取り冷凍するとよいでしょう。

冷凍梨は半解凍でそのまま食べてもおいしいです。前述したスティック梨を凍らせたら、夏にぴったりのおやつになりますね。完全に解凍してしまうと果汁が抜けて味を損なうため、凍ったままか半解凍がベストです。

そのほかに凍ったまま牛乳やヨーグルトと合わせてミキサーにかけてシャーベットやスムージーとしても楽しめます。

砂糖を加えて鍋で煮てジャムやソースにアレンジするのもおすすめです。冷凍梨は約1カ月以内を目安に、なるべく早めに食べ切りましょう。

 

撮影:黒石 あみ(小学館)

【参照】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・厚生労働省 農林水産省「食事バランスガイド」
・「からだにおいしいフルーツの便利帳」三輪正幸監修 高橋書店
・「一生役立つきちんとわかる栄養学」飯田薫子 寺本あい 監修 西東社
・「あたらしい栄養学」吉田企世子 松田早苗監修 高橋書店
・厚生労働省 令和元年(2019年)「国民健康・栄養調査」の結果 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14156.html
・毎日くだもの200グラム推進全国協議会委員「くだものの栄養素」http://www.kudamono200.or.jp/health/health_01.html
・毎日くだもの200グラム推進全国協議会委員 「くだものの健康効果」 http://www.kudamono200.or.jp/health/health_02.html
・JA「とれたて大百科」日本ナシ
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=88

(最終参照日:2022/02/12)

小嶋絵美
小嶋絵美

フードライター×管理栄養士。好きな食べものは野菜とフルーツ。食べものと栄養について分かりやすく丁寧に伝えることを大切に、コラム執筆を行う。
「食材をシンプルにおいしく」誰にでも作れる簡単レシピを提案している。

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