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プルーンには鉄分や食物繊維がぎっしり!栄養情報や効果的な食べ方を解説

フルーツの中でも栄養豊富といわれるプルーン。鉄分や食物繊維など、不足しがちな栄養素を摂取できるのが魅力です。ドライプルーンは手軽に手に入り、やわらかく食べやすいので、子どもからお年寄りまで幅広い世代に親しまれています。最近では生の国産プルーンも手に入るようになってきました。ぜひ試してみてくださいね。
管理栄養士が、プルーンの魅力や栄養素を効果的に摂取するための工夫もお伝えします。

プルーンの栄養情報

プルーンの栄養情報

生のプルーン100gあたりに含まれる栄養素

・エネルギー:49kcal
・糖質:10.7g
・食物繊維:1.9g
・カリウム:220mg
・鉄分:0.2mg
・β-カロテン:450μg
・α-トコフェロール:1.3mg
・ビタミンB1:0.03mg
・ビタミンB6:0.06mg
・ナイアシン:0.5mg

ドライプルーン100gあたりに含まれる栄養素

・エネルギー:211kcal
・糖質:55.2g
・食物繊維:7.1g
・カリウム:730mg
・鉄分:1.1mg
・β-カロテン:1100μg
・α-トコフェロール:1.3mg
・ビタミンB1:0.07mg
・ビタミンB6:0.34mg
・ナイアシン:2.1mg

プルーンのエネルギー(カロリー)と糖質量

生のプルーンは一般的な果物と比較すると、バナナ、りんご、みかんよりも低カロリー・低糖質で、キウイと同じくらいの値です。またドライプルーンでは成分が少ない分、生のプルーンに比べてエネルギー・糖質ともに高くなります。食べ過ぎには注意が必要です。

■果物100g当たりのエネルギー・糖質

・生のプルーン:49kcal、糖質10.7g
・ドライプルーン:211kcal、糖質55.2g
・バナナ:93kcal、糖質21.4g
・りんご:56kcal、糖質14.3g
・みかん:49kcal、糖質11.0g
・キウイ:51kcal、糖質10.8g
・いちご:31kcal、糖質7.1g

栄養豊富!プルーンの効果効能

栄養豊富!プルーンの効果効能

プルーンで鉄分補給

「鉄分補給のためにドライプルーンを食べている」という方も多いかもしれません。鉄分は全身に酸素を運ぶ役割を担っていて、不足すると貧血による疲れや頭痛の原因になります。

鉄分は重要な栄養素でありながら吸収率が低いので、ドライプルーンなど身近な食材を上手に取り入れながら、積極的に摂取したいですね。

食物繊維たっぷり!腸内環境を整える

皮ごと食べられるプルーンは食物繊維が豊富。食物繊維には水に溶けやすい水溶性、水に溶けにくい不溶性がありますが、プルーンならどちらも摂取することができます。

・水溶性食物繊維
食後の血糖値の上昇をゆるやかにするほか、コレステロールの吸収を抑えるなど健康にうれしい働きがあります。

・不溶性食物繊維
お通じをよくする、腸内環境を整えることで新陳代謝が高まり美容や美肌にもいい働きが期待できますよ。

生/ドライのプルーン100gに含まれる食物繊維量の比較

・生のプルーン:水溶性1.0g、不溶性0.9g
・ドライプルーン:水溶性3.8g、不溶性3.4g

抗酸化ビタミンの合わせ技

プルーンは強い抗酸化作用を持つビタミンA(β-カロテン)とビタミンE(α-トコフェロール)が含まれています。これらは抗酸化ビタミンと呼ばれ、免疫力を高める、老化や動脈硬化を予防するなど、美容と健康にうれしいさまざまな働きが期待できます。

また抗酸化ビタミンは合わせて摂取することでより働きが高まること言われており、一度に複数の種類がとれるプルーンはその点でも優秀です。

プルーンに含まれるビタミンB群

・ビタミンB1
糖質のエネルギー代謝に関わる栄養素です。糖質を効率よくエネルギーに変えることでエネルギー不足や倦怠感を防ぎます。脳のエネルギー源も糖質(ブドウ糖)です。脳が働き末梢神経を正常にコントロールするためにも欠かせません。

・ビタミンB6
エネルギー代謝に関わり、たんぱく質の分解を助ける働きがあるので、たんぱく質を多く含む食品(肉、魚、卵など)を食べるときに一緒に摂りたい栄養素です。そのほかにも皮膚や粘膜の健康維持、神経伝達物質の合成、女性のホルモンバランスを整えるなどの働きがあります。

・ナイアシン
名前からは分かりにくいですが、ナイアシンもビタミンB群の仲間です。糖質や脂質の代謝に関わるほか、アルコールの分解をサポートしています。代謝を高めたいとき、お酒の飲み過ぎが気になるときに摂りたい栄養素です。

塩分の摂り過ぎにカリウム

プルーンにはカリウムが多く含まれています。カリウムは偏った食生活で不足しがちなミネラルですが、体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を促すことで高血圧予防が期待できるだけでなく、水分代謝をアップすることでむくみ解消にも役立ちます。日頃から塩分を摂りすぎる傾向にある日本人にとって大切な栄養素なんですよ。

プルーンの栄養を効率的に摂取するには?

プルーンの栄養を効率的に摂取するには?

タンニンを含む飲み物と一緒に食べるのは避ける

赤ワインや紅茶、緑茶などに含まれる渋み成分、タンニンは、鉄分の吸収を阻害します。プルーンの鉄分を効率よく吸収するには時間を空けてから飲むのがいいでしょう。食事中や食前食後の飲みものは、タンニンが少ないほうじ茶や麦茶がおすすめです。

ビタミンC&たんぱく質で鉄分の吸収をUP!

ドライプルーンに含まれる非ヘム鉄は、ビタミンCやたんぱく質と一緒に摂ると吸収が高まります。ドライプルーンにはビタミンCもたんぱく質もそれほど含まれていないので、ほかの食材と上手に組み合わせて食べるといいですね。

・クリームチーズと和える
たんぱく質を含むクリームチーズに刻んだドライプルーンを和えるだけ。パンやクラッカーにのせて食べるのがおすすめです。

・サラダにプルーンをトッピング
パプリカやブロッコリーなど、ビタミンC豊富な野菜を使ったサラダに刻んだドライプルーンをトッピング。たんぱく質を含む粉チーズやナッツを散らしてもいいですね。

・プルーンとレモンのはちみつ漬け
ビタミンC豊富なレモンとドライプルーンをはちみつに漬けて作ります。ヨーグルトに乗せて食べればたんぱく質も一緒に摂れます。

・ドライプルーンを肉・魚料理に活用
日本ではまだあまり馴染みがありませんが、海外ではよくドライプルーンを料理に使います。ステーキやソテーなど、たんぱく質豊富な肉や魚を食べるときにソースの隠し味に刻んだドライプルーンを加えるのがおすすめ。フルーティーな味わいが楽しめますよ。

・撮影/黒石 あみ(小学館)

【参考】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・「からだにおいしいフルーツの便利帳」三輪正幸監修 高橋書店
・「一生役立つきちんとわかる栄養学」飯田薫子 寺本あい 監修 西東社
・「あたらしい栄養学」吉田企世子 松田早苗監修 高橋書店
・厚生労働省 令和元年(2019年)「国民健康・栄養調査」の結果
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14156.html
・厚生労働省「e-ヘルスネット」抗酸化ビタミン
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-008.html

(最終参照日:2022/03/08)

小嶋絵美
小嶋絵美

フードライター×管理栄養士。好きな食べものは野菜とフルーツ。食べものと栄養について分かりやすく丁寧に伝えることを大切に、コラム執筆を行う。
「食材をシンプルにおいしく」誰にでも作れる簡単レシピを提案している。

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